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いま、ロシアが熱い!?

ワールドカップが始まって、日本からもサポーターが5000人もロシアを訪れているようですが、この機会にロシアへ初めて行くという人も多かったのではないでしょうか。これでもコロンビア勢と比べると少ないとは言われていますが、こういうことでもなければ日本からロシアへ行く機会などあまりなかったという人も多いかもしれません。サランスクという都市にはほぼすべての人が初めて訪れたことでしょう。

ワールドカップのオープニング・コンサートがモスクワの赤の広場で行われましたが、ヴァレリー・ゲルギエフの指揮、マリインスキー劇場のオーケストラで、ピアニストのデニス・マツーエフがチャイコフスキーの協奏曲第1番の第1楽章を演奏していたライヴ動画が飛び込んできたので、私も急いで「超いいね!」ボタンを押したりしましたが(笑)、さすがはゲルギエフ率いるコンサート、プーチン大統領ももちろん臨席していて、世界中からオペラ歌手も参加する2時間以上のコンサートになったようです。

マツーエフは今やロシアでは国民的ピアニストというか、もちろん世界的規模で著名なピアニストですが、特にロシア国内ではよくテレビにも出るし、また子供の頃から大のサッカー好きですからこのイベントにはふさわしい人選ですね。しかも、この大きなステージで司会の一部も務めるという、もはや一人のピアニストの領域を超えた存在です。昨日は日本がコロンビア戦で勝ったことですし、まだこれから1ヶ月ほどはワールドカップ熱が続くことは予想されます。

そのゲルギエフと、なんと今日は辻井伸行君がサンクト・ペテルブルクで共演するコンサートがあるはずです。曲は、結局ゲルギエフとの共演ではもう手慣れたベートーヴェンの5番になったようですが、このタイミングでロシアの地でまたコンチェルトを共演できるというのは嬉しいことですね。それにしてもゲルギエフもまだまだすごい体力をお持ちだとお見受けします。彼は一日に3~4回の2時間コンサートを続けて平気でやってしまう人でもあるのです。

ワールドカップのおかげで、またロシアが少し近くなった気がします。
ついでにオマケ情報ですが、ちょうど明日6月21日のNHK『名曲アルバム』(BSプレミアム-朝5:55~)で私が演奏するバラキレフの『ピアノ・ソナタ(第1楽章)』が放送されるようです。友人から聞いて偶然知りました(再放送の場合は特にNHKから本人に連絡が来るわけでもないので)。そう言われてみると、「最近テレビで演奏を聴きましたよ」と数ヶ月前に誰かから言われていたのも思い出しました。私は何かの間違いかと思っていたのですが(笑)。数年前に収録したこの『ソナタ』とスクリャービンの『焔に向かって』が、昨年末から数回放送されているようでとても嬉しいです。ロシア音楽の普及に貢献できているかどうかはわかりませんが、おそらくバラキレフの名前さえ知らない人が多いだろうことを考えると、何らかの役割は果たしているかもしれません。だいたいこの『ピアノ・ソナタ』は「名曲」というよりは「知られざる作品」に部類するので(笑)、この曲を取り上げてくださったNHKのディレクターには感謝しかありません。
とにかく、ロシア好きの人が増えてくれるのはとても嬉しいです。(なぜそうなのかはわからないけど、ロシアに強く引かれるようになってしまったのです。)

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シーグフリードソンのゴドフスキ演奏/映画『羊と鋼の森…』コンサート

今日は大学の授業でピアニスト、ヘンリ・シーグフリードソンがレクチャー+演奏を行いました。演奏プログラムは、ゴドフスキの左手のためのエチュードを全20曲! 約1時間のプログラムを飽きさせず聴かせてくれました。
シーグフリードソン先生は、これまで何度か大学にも来てくださっていますが、彼の生演奏を聴いたのは初めてでした。今日の演奏を聴いていて、ずっと以前にマルク=アンドレ・アムランが弾いたゴドフスキのエチュードを聴きに行ったことも思い出しました。ゴドフスキは、自分でさらって弾いてみたことはないのですが、テクニック的にも音楽的にもすごく勉強になるし、こういう曲をこなすための知的作業や練習の過程もピアニストにとっては一度は経験しておきたいものではあると感じます。

さて、話は変わって昨夜のサントリーホールは、ウィーンから帰って来たばかりの辻井伸行君が主役のコンサート。久石譲さんも指揮者として登場し、映画『羊と鋼の森』公開記念の特別コンサートと銘打った、映画のエンディングテーマ(結局2回聴けました!)とトークを含むコンサートでした。



昨日はこの映画の出演者の方々もたくさん聴きに来ていました。
それにしても、辻井君は昨日もほとんど出ずっぱりでしたし、ウィーンから帰国したあともすぐモーツァルトの協奏曲を2曲弾く本番をこなしており、そして昨日の東京での大きな本番を終えて、今日は佐渡裕さんとの対談を収録をするために大阪へ行っているはずです。さらに明日はTV朝日『ミュージックステーション』に生出演するという忙しいスケジュールだそうです。その後はすぐにロシアに発ちます。
この6月は傍から見ていても大変なスケジュールだったと思います。本当に気が引き締まるというか、真似できないというか、いや彼のように頑張らなくてはいけませんね。(と思いました。)

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パリとウィーンで

昨日無事にヨーロッパから帰国して、今朝は3時半に目が覚めてしまいましたが今日からもうさっそく大学へ普通に出勤です。

もう少しだけパリとウィーンでの話を書きます。
今回フランスでは、実はパリ郊外でピアニストのクン・ウー・パイクが審査委員長を務めるコンクールがあったのですが、生徒が受けることになって連れて行ったということもありました。クン・ウー・パイクは、ずっと以前に私もサル・ガヴォーでのリサイタルを聴いたことがありましたが、彼ももうパリでは大御所という感じの貫禄でした。





ちなみにこのコンクールには、たくさんの応募があったようでしたが、一番上のカテゴリーのコンサート・ピアニスト部門には当日44人が集まり、その中には日本人参加者も10人いました。本選に進んだのは8人だけでしたが、通った日本人率は1.5人と言ったところでしょうか(2名のうち1人がおそらくハーフ)。とにかく思っていたよりもはるかにレベルが高いコンクールではありました。コンサート・ピアニスト部門の課題は予選で約15分、本選で約45分のプログラムを弾くというものでした。それにしてもフランス以外の国からの参加者も多かったのですが、皆さん若いピアニストたちは一体どこからコンクール情報を取ってくるのか…あちこちからよくこれだけ参加者が集まってくるものです。


ウィーンでは、ウィーン音楽大学にも久しぶりに足を踏み入れました。といっても、ウィーン音大の校舎は、私が留学していた頃からはずいぶん変わっています。新しくなったほうの校舎はAnton-von-Webern-Platzにあって、今回そちらの校舎には実は初めて訪れました。私がいた頃からあるLothringer Strasseの方の校舎は変わっていなくて、ピアノ科のレッスンも普通にこちらでもやっておりましたが、おそらく3階にあるリスト・ザールというホールは20年前にはなかったと思います。

今回はウィーンにも学生を連れていき、私が親しくしているシュテファン・メラー先生やウィーン音大のピアノ科の主任教授クリストファー・ヒンターフーバー先生にもレッスンを受けさせて、いろいろウィーンの音大の情報も新しく得ることができました。また、ちょうどそのヒンターフーバー先生の門下生コンサート(Klassenabend)を聴くことができたのもラッキーだったと思います。


メラー先生のレッスン室で

やはり実際に現地に行かなくては得られない情報というものがいろいろあるものだと認識を新たにしました。やはり行動することは大事ですね。

それにしても、ウィーンの街は昔と全然変わっていない部分も多く、本当に良い街だなとあらためて思いました。住むには最高の街ですね。実際にずっと長く住んでいる外国人(日本人も含めて)も多いように思います。オーストリアという国があらためて好きになりました。





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ウィーンから

ウィーンに長く住んでいた人は、皆「ウィーンは私の第二の故郷です」とはよく言うことですが、私たちも7~8年住んでいたのでとても愛着のある街なのです。ここ最近はずっと訪れていなかったのですが、「やっぱりウィーンはいいな~」とあらためて思いました。私たちが住んでいた頃からずっとウィーン在住の友人たちからは「ぜひまたウィーンに帰ってきてくださいよ」などと言われたりしました。

昨晩はウィーン楽友協会「黄金のホール」(ムジークフェライン大ホール)で指揮者の佐渡裕さん率いるトーンキュンストラー管弦楽団の演奏会があり、辻井伸行君がラヴェルのコンチェルトで客演しました。6月2日からウィーン以外の町で2回、ムジークフェラインで一昨日に1回あって、昨日が全4回公演の最終日でした。



プログラムはハイドンの交響曲から始まり、2曲目に辻井君が登場してラヴェルのピアノコンチェルト。第1楽章は超快速なテンポで、第2楽章はゆったりと歌い上げ、第3楽章は壮絶な推進力で佐渡+辻井ならではのエキサイティングな演奏が展開されました。
そして、コンチェルトの後のソリストのアンコールで辻井君が弾いたのは、なんと・・・カプースチンのエチュード(Op.40-1)でした!もうビックリです。ウィーン楽友協会の大ホールという世界の大舞台であの曲を突然披露するとは!
前日に辻井君が私に「今回はソリスト・アンコールを弾かせてもらえるんですよ」と言うので「あー、それは良かったね。何を弾くの?」と訊くと、「いえ、それはまだ決めてないです」というので、「あーそうだね。いつもそうだものね。」と私は返事をしてそのことは忘れていたのです。なので、アンコールが始まった時はまったくの不意打ちで、最初の1小節を聴いても一瞬何が始まったのか分からなかったほどです。その曲を聴いていた約2分間は本当に心臓が飛び出そうでしたが、ひょっとしたら辻井君から私へのプレゼントだったのかもしれません。カプースチンのエチュードを弾き切った瞬間、会場は異様に沸きました。それも本当に嬉しかった。私自身も我を忘れて声を上げてしまいました。
そして、それで終わりかと思ったらアンコール2曲目としてドビュッシーの『月の光』を弾いたのです。これも効果的な選曲でした。というか、普通はソリスト・アンコールは1曲しか弾かないものですが、最初からこの2曲を弾こうと決めていたのかどうかを知りたかったので後で辻井君に訊いてみました。すると、実はカプースチンを弾いた直後に舞台袖で佐渡さんに「一昨日アンコールで弾いた『月の光』も聴きたいなあ~」と言われて、急遽2曲目のアンコールとして弾いたということでした。(ちなみに全4回公演の内、カプースチンを弾いたのは昨日だけだそうです。)


熱気に包まれ、ウィーンの聴衆たちはなかなか会場を去ろうとしませんでした。


終演後の伸行君


サインの対応で最後まで忙しい佐渡裕さん
日本からのファンも多かったようです。

4日間の公演がすべて無事に成功に終わり、エイベックスのスタッフも大満足にて日本への帰路につきました。私たちは残り少ないウィーン・ライフをもう少し堪能してから帰国します。


ツヴィーベル・ローストブラーテン(これも私の好物の一つ)



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パリから(2)

パリでの朝食は、私たちはホテルの外へ出かけるのを楽しんでいます。もともと私たち夫婦は日本でも朝食は洋食(パン)なので、美味しいクロワッサンがあるだけで満足しますが、普段あまりお目にかかれないものに出合うと嬉しくなります。

エリック・カイザーというパン屋での朝食は最高でした。




このジュースが素晴らしく美味しかったです!
赤いほうは「りんご+バナナ+木いちご+コケモモ」のミックスジュース。緑のほうは「りんご+きゅうり+セロリ+ほうれん草+レモン」のミックスジュースです。

パリでは、パリ音楽院で勉強中の丸山凪乃ちゃんと何度か一緒に食事もできました。



凪乃ちゃんの愛犬サシミちゃんと一緒に散歩もしました。これまで写真や動画で見ていたのでその存在はマークしていたのですが(笑)、実物に会えたのは初めてです。とても懐いてくれてかなり可愛いかったです。



エッフェル塔とSashimi

これは私の傑作の1枚(笑)




この楽譜は、ショット社からプレゼントされたシューマンのピアノ協奏曲の自筆譜のファクシミリ版です。(版はベーレンライターですが。)




貴重な資料にもなるもので是非とも日本に持って帰りたいところなのですが、ハードカバーでとても重たいので、パリ在住の凪乃ちゃんに託して帰ることにしました。それに彼女はちょうどこの曲を勉強中だったのです!
シューマンが書いた筆跡は興味深いし、後に削除された小節が最初はどうだったのかなど、この楽譜に目を通さなければ得られない情報が満載です。大切にしてもらえそうな人に預かってもらうことができて助かりました。

パリ滞在については書きたいことが山ほどありますが、またそれは別の機会にしましょう。
昨日私はウィーンに到着しました。今日の午前は、さっそくウィーン楽友協会大ホールで行われた指揮の佐渡裕さんと辻井伸行君のラヴェルのコンチェルトのパッチセッションにも立ち会わせていただきました。

演奏会は4日間連続だそうです。明日の楽友協会のコンサートは聴きに行きます。またそれについてはご報告したいと思います。

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パリから

フランクフルトからパリにはTGV(高速列車)で移動したのですが、これがなかなか今回は気を揉みました。



というのは、フランスは4月から約3ヶ月にわたる(と告知されている)国鉄の大規模なストが行われている最中なので、スト日に指定された日のすべての列車が止まるわけではないのですが、当日になるまで自分が乗る列車が動くかどうかがわからないというリスクがありました。私が今回乗るような長距離の国際列車の場合は一日に限られた本数しかないので、もし当日になって動かないことがわかったら1つ前の列車(4時間も前になる可能性がある)に乗らなければいけなくなるので、予定が全部狂ってしまうわけです。それが最初からわかってはいたので、いくつかのパターンに対応できるように1ヶ月以上も前からストの状況を毎日のようにSNCF(フランスの国鉄)のサイトをチェックして見ていました(笑)。その甲斐あって、というか、結果としては自分が乗る列車はストには巻き込まれませんでした。
ただ、乗った列車は最初は順調に動いていたものの、まだドイツのマンハイム駅に着く前にポイント故障のため列車は迂回するという放送が入り、30分以上遅れるというハプニングがありました。そしてパリには夜10時頃になんとか着いたものの、その時間はたまたま土砂降り(笑)という天気で、ちょっと災難続きのような状況に見舞われましたが、まあこれが外国旅行というものです。とにかく無事にフランスに入れました。





それからもう3日も経ってしまったのですが、充実した毎日を過ごしています。
今回パリに来たのはいくつかの用事があったのですが、まあパリは自分の中では時々来ないといけない街の一つなのです。なのにずっとご無沙汰(たぶん5年以上?)していたので、今回は立ち寄りました。仕事もあると言えばあるし、まあいろんな意味で情報収集の意味もあります。

パリ郊外で行われているコンクール会場では何人もの知り合いに会えたし、パリ市内ではパリ音楽院(CNSMDP)にも入れたし、今日はエコール・ノルマルへも訪問します。それにしても、パリ音楽院に入るためのセキュリティがあれほど厳重になっているは知りませんでした。


パリ国立高等音楽院


パリ郊外でのピアノ国際コンクールの会場

また、パリでは地下鉄に乗るのも毎回緊張感はありますね。以前より厳しい感じがします。私にとっては今はモスクワの地下鉄のほうが安心感があります。

でもパリは変わらず健在です。
ロシアのピアニスト、マツーエフがエッフェル塔の前で撮った写真を「パリへ来たぞ!」と書いてFBに投稿していたという情報も友人より頂いたので、彼をエッフェル塔の近くに探しに行ったりしました。(もちろん会えるはずはありません。笑)







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ショット社訪問!

一昨日ヨーロッパに入ったところです!
今回はフランクフルト空港から直接マインツのショット本社を訪問しました。昨年に続き2回目の訪問です。ヨーロッパのハブ空港と言われるフランクフルト空港から電車で25分というのは、マインツは考えてみればかなり便利な場所に位置しているとも言えますね。




さっそくショット社に到着すると、正面玄関でカプースチンを紹介しているパンフを発見!

1年前に訪問して以来、私が一緒にカプースチンの楽譜の校訂の仕事をさせていただいています。カプースチンの出版でお世話になっているロベルトさんと再会し一緒に打ち合わせをしました。やはりときどき直接に会って情報交換するのはつくづく大事だと思いました。
ショット社は、特に昨年はカプースチン80歳記念の年ということもあって、カプースチンの未出版だった作品をかなり頑張って出したということでした。もちろん今年も続けて新しい作品を出していきます。これからの半年間で8点の作品が出版されることはすでに公開されていますが、その後の予定と来年に向けてのプロジェクトについてもお聞きしました。ショットはカプースチン作品を全部出版していくという目標は変わらないようで、それもあらためて確認できました。引き続き、もちろん私も緊密にこのプロジェクトに関わっていく予定です。


ショット社内の階段ホールの飾り棚に大量のカプースチンの楽譜
ロベルトさんと

昨日はやはり話が盛り上がってロベルトさんの上司も交えて3人で一緒に食事に行きました。


ウィーンに長く住んでいたので「ウィーン風カツレツ」は今も好物です。



実は昨日はそのロベルトさんの上司ドクター・モアスさんの誕生日だったのです。私はビックリして「え~?!今日は私も誕生日なのです!!」と言うと、「えー!そうなの?!何という奇遇!(もちろんここで私たち二人は握手をする(笑) あとリゲティもだね!」という会話から始まったのだから盛り上がらないはずはないのですが、とにかく会うたびに彼らとは膨大な量の情報交換ができるので、今後は毎年一度はマインツを訪ねようと思いました。カプースチンの楽譜出版はまだ数年間は活発に続くことは間違いありませんし。昨日は、楽譜や自筆譜のお土産もまたたくさんもらってしまいました。


グーテンベルク広場を望む場所にあるレストランで気持ちが良かったです。
でも、ドイツがこんなに暑いとは考えていませんでした!真夏日でした。

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辻井伸行、カプースチン…etc.

先日コンチェルトのツアーが終わったばかりの辻井君に会ってきましたが、彼はすでに休む間もなく次のレパートリーと格闘中です。でも全然「格闘」している雰囲気はなく、いつものようにリラックスして人生を楽しんでいるように見えます。これを見習わなくてはなりませんね。

昨日などは、『内緒のスケジュールですが「ロイヤル試写会」があって…』という話を直前に聞いていたのですが、「何だろう?」と思っていたら映画『羊と鋼の森』の試写会に天皇皇后両陛下もお越しになられていたとのことです。辻井君はこの映画にピアノ演奏で関わっているので、昨日のイベントにも参加し、両陛下と一緒に大きく写真に写っており、それは検索してみると確かに昨日のニュースですでに流れていました。また、辻井君は6月13日(水)にはサントリーホールでこの映画のお披露目のための特別コンサートも行なうようです。

彼は6月後半にはサンクト・ペテルブルクのゲルギエフとのオファーも来ており、急遽ロシアに行くことも決まったのですが、今回は私も本当について行きたかったのですが自分のスケジュール的にどうしても無理でとても残念なのです。エイベックスのマネージャーさんにも「だって川上さん、ロシアで辻井君がカプースチンを弾くのですよ」とは言うものの、ゲルギエフとの仕事はいつも直前で決まるので予定が立てられないのです。今回も辻井君が共演するピアノ・コンチェルトがどの曲になるかはまだ決まっていないので、彼は何曲もあるレパートリーをすべて準備しておかなくてはなりません。おそらくまた本番の数日前に曲が指定されるのでしょう。それでも、彼に対してはゲルギエフは特別に優しいようで、ロシア人アーティストに対してはもっと厳しい要求がなされることもあるそうです。(マネージャー談)

でも、ゲルギエフは遠くから眺めているだけでは誤解する人も多いようなのですが、実際に会ってみると本当に人間的でとても優しい人です。以前もどこかに書きましたが、あのマエストロの一般的な印象と実際の人間ゲルギエフとのギャップは甚だしいものがあります。私は実際申し訳ないほど面食らいました。素晴らしい人格の持ち主です。心から尊敬する人の一人です。

本当にこんな機会はあまりないと思うので、彼のコンサートに絡めて今回一緒にロシアに行きたいのですが、でもやっぱり無理かな…。また、実は同じ時期にヴァイオリンの三浦文彰さんも演奏の仕事でサンクト・ペテルブルクへ来るそうで、彼のスケジュールはエイベックスも辻井君も知らなかった(別ルートからの仕事?)ということですから、三浦君も本当に広い人脈があって世界で大活躍しているということがわかりますね。

少なくとも、辻井君が今回サンクト・ペテルブルクでカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』Op.40全曲をリサイタルで弾くのは事実です。ひょっとしたらロシアの他の都市でも弾くかもしれません。また、8月にはフランスとドイツでもこのエチュード全曲を含むリサイタルをする予定だそうです。カプースチンを世界に広めてくれて私も嬉しいです。

話は変わって、カプースチンを愛する皆様方から待たれておりました次回の「カプースチン祭り」の企画もようやく動き出しました。来年2019年にまた開催することは決まりましたが、具体的にどの時期になるかはまだ未定です。次回は新たな奏者にもたくさん集まっていただきたいと思っています。次回カプースチン祭りに興味をお持ちの方は、ぜひご一報をいただければ嬉しいです。

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辻井伸行✕三浦文彰withペトレンコ

今日はサントリーホールへ行ってきました。



最近はもう辻井伸行君の新しい国内ツアーがあるたびに必ず東京公演には訪れるようになりました。今回のツアーはヴァイオリンの三浦文彰さんと二人でそれぞれソリストを務め、ワシリー・ペトレンコ率いるリヴァプール・フィルハーモニーとコンチェルトを弾くというコンサートです。



今日の公演では辻井君はグリーグ1曲のみでしたが、Bプロでは彼が一人でラフマニノフの『パガニーニ狂詩曲』とチャイコフスキーの『第1番』の2曲のコンチェルトを弾くという、ピアニストにとってはとんでもなく大変なプログラムを抱えて全国を回っているようです。

でも1回1回心をこめて弾いているのが今日の演奏でもわかりますね。しかも昨日は大阪でそのBプロを弾いてきたばかりだというのに…。ちなみに計算してみるとBプロはその2曲で60分を超えているではないですか!まあ働き過ぎというか、ピアニストとしては常に最高レベルのモードで走っているという感じです。確か、先月末にはリヴァプールでショパンの2番も弾いているはずだし、先週はまたアシュケナージとモーツァルトの21番と26番の2曲も弾いてきているわけですから、1ヶ月弱の間に違うコンチェルトを6曲も弾きまくっているわけです。そしてこのツアーが終わるとまたすぐヨーロッパへ行くというスケジュールです。オーストリアではラヴェルのコンチェルトを弾くというからほぼ1ヶ月の間に7曲になりますね。

これを坦々とこなしていっているのはとにかくすごいことだと思います。
それから辻井君がピアノ演奏を担当している映画も近々始まりますね。すでに映画館では予告編も流れているようです。今後の大活躍を応援し続けたいと思っています。


終演後に1枚!

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クルティシェフのレッスン

前の記事にも少し書きましたが、2007年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位(1位なしの最高位)入賞者でもあるミロスラフ・クルティシェフがちょうど来日しています。先日私たちの東京音楽大学でもレッスンとミニコンサートをしてくださったのですが、昨日は大学で個人レッスンがありました。選ばれた6人の学生がレッスンを受けられたのですが、運良く私のクラスのピアノ科の学生が1人入っていました。その学生にぜひ通訳をやってほしいと強く説得され(笑)、自分のレッスン時間を調整してクルティシェフのレッスンに立ち会いました。まあこちらもそんなことでもなければ通常は仕事が詰まっているので、海外から著名人が来ていて貴重なレッスンをしていてもなかなか顔を出したりできないものなのです。

昨日は私のその生徒のレッスン時間は夕方からだったのですが、クルティシェフ先生がレッスンしていた部屋は私のレッスン室とは別棟だったので、かなり走ってわずか開始の5分前にたどり着きました(笑)。そしてドアから部屋を除くと熱いレッスンが展開されていたのですが、なぜかそれを見て私は20年前のモスクワ音楽院を思い出したのです。「なぜだろう?」と考えたのですが、実はもう夕方なのに電気をつけるのも忘れてそのままレッスンしていたからでした(笑)。薄暗~いレッスン室でクルティシェフはお構いなしに弾き続け、聴講の学生たちも黙って座ってレッスンを見学していました。ちなみに、私たちは通常どのレッスン室でも照明は朝から晩までつけています。

さて部屋の中に入ると、スクリャービンのソナタ2番をクルティシェフは情熱的に弾きながらレッスンを展開していました。少し時間をオーバーして前の人が終了し、続いて私の生徒のメトネルのピアノ・ソナタのレッスンです。私自身、クルティシェフに会ったのは初めてだったのですが、話し始めるとすぐに意気投合しました。レッスンが始まる前から少々盛り上がってしまいどうなるかと思いましたが、その後のレッスン内容はとても充実したものでした。彼は実は最初、「メトネルはもちろん知っているけれども自分は弾いたことはないので…」と謙虚な感じでしたが、「でも自分はラフマニノフはほぼ全部弾いているので」ということで(ラフマニノフとメトネルは非常に近い存在なので)自信を持ってレッスンをしてくれました。やはりこういう作品に対する音楽の感じ方は、ロシア人独特のものも少し感じました。

彼はサンクト・ペテルブルクでもう5年くらい教えているらしいのですが、メトネルを弾く人は今でもあまり周りにいないようではありました。でも、彼はレッスン中にソナタを少し弾いて見せてくれましたが、ほとんど初見で弾いているとしたら「正しい感性を持ってよくそこまで弾けるな」と感心しました。そのソナタに対する音楽的センスはなかなか説得力があり、学生にもとても勉強になったと思います。

ピアニストとしてはかなりエネルギッシュなタイプです。ラフマニノフなどを弾くと低音などすごい大きな音を出しますので、大ホールでコンチェルトなどを弾くと特に聴きごたえがあるかもしれません。彼は自身の演奏だけではなく、レッスン(マスタークラスを含む)もけっこうしているようです。ペテルブルクでは10人ほど生徒さんを持っているようですが、その10人でも多いなと感じることも時々あるとか。まあ忙しい演奏家であればそうかもしれません。

とにかく彼は本当に明るい性格で、しかもよく喋るのでとても楽しかったです。昨日は思いがけぬ良い出会いとなりました。

(気がついたら写真を撮り忘れていました。)

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