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モスクワ音楽院付属中央音楽学校のこと

最近、ある近しいピアノの先生からモスクワへピアノ教育に関する取材に行きたいということで相談を受けた際に「モスクワ音楽院付属中央音楽学校」のことが話題になったので、この機会に少し書きたいと思います。

最近はカプースチンに関する修士論文を書く学生も増えてきて、先日の伊藤楽器で行なった公開講座の時にはカプースチンの熱狂的なファンを自称する伊石有里さんも関西から駆けつけてくれて、彼女が書いたばかりの論文も頂きました。多くの修士論文をこれまで見てきましたが、なかなか良く書けていて感動しました。ただ、カプースチンに関する日本語の文献がまだ少なすぎることからくる苦労と努力の跡は見られました。でもかなり多く参考文献や情報を手に入れていて頑張られたのだなーと感じました。
伊石さんの論文では、一部どうしても原典に当たれない部分は2006年に初めてカプースチンについて書かれた芸大の斎藤君の論文等から孫引きするしかなかったものもあるかと思いますが、特にカプースチンがモスクワ音楽院に入る前にアフレリアン・ルッバーフ先生についてピアノを勉強した音楽高校について、私はこの学校の日本語の正式名称は「モスクワ音楽院付属高等音楽学校」(あるいは「~音楽高等学校」)とするのが良いのではないかと思います。ちなみに、この学校は「モスクワ音楽院付属~」という名を冠する2つの学校うちの1つですが、上記の「中央音楽学校」とは違うほうです。

これら「モスクワ音楽院付属~」という名を冠する2つの学校の名称は、実はロシア語ではまったく違った名称で、それぞれ書くと次のようになります。①が中央音楽学校、②がカプースチンの通っていたほうの学校です。

①Центральная музыкальная школа при Московской консерватории
②Академическое музыкальное училище при Московской консерватории

皆さんロシア語が読めますでしょうか。(笑)
本来は、「モスクワ音楽院」に付く正しくてもっと長い形容詞があるのですが(外国の音大は正式名称がやたら長いのが多い)、一応これが正式な学校の名称です。後半には「モスクワ音楽院付属~」とまったく同じ語が使われているものの、前半を見ると、①は通常の「学校」という語школаが使われており、②のほうは、やはり学校ですが中等教育を行なう学校という語のучилищеです。

歴史は②のほうが古いのですが、一般的には①の中央音楽学校(頭文字をとってцмш(ツェー・エム・シャー)と呼ばれる)のほうが有名かもしれません。そして①は多くの日本語の本の中で「児童音楽学校」と書かれることもあります。というのは、この学校は7~8歳から入って音楽の高度な教育を教わる10年制で、しかも音楽以外の一般教科も学ぶので、初等教育と言っていいのか中等教育と言っていいのかわからないからでしょう。もちろんどちらも含むわけで、この学校からモスクワ音楽院へエリートたちの教育は続いていくわけです。
この①中央音楽学校は、あのゴリデンヴェイゼル(晩年はモスクワ音楽院でカプースチンの先生でもありました)の主導で1932年に設立された学校です。(「中央音楽学校」という名前になったのは1935年。)当初はネイガウスやイグムノフなどモスクワ音楽院の名教授たちが一緒に協力する形で始まり、この中央音楽学校がモデルになって、その後ソビエト全土に24校の「特別音楽学校」が設立されていったということです。カプースチンが生まれた1937年にはレニングラード(サンクト・ペテルブルク)に次ぐ3校目としてウクライナのキエフにもすでに存在していたようで、ロシア(ソビエト)の音楽教育はこの頃からものすごく専門性が高かったことがわかります。実際このようなシステムの中で、多くの音楽家たちは育ってきたと言えます。

もともとはモスクワ音楽院が存在したわけで、ある時、「やはりもっと低年齢から音楽の専門教育を施す学校が必要だろう」ということで下へ降ろされてきたという経緯です。これ自体は、日本での音楽大学に付属高校などが存在するのとある部分似てはいます。
また、モスクワではグネーシン記念ロシア音楽アカデミーも有名です。このグネーシンの付属音楽学校もあります。今年は我が東京音大にもグネーシン・アカデミーのトロップ教授がまた来られるようですし、エリソ・ヴィルサラーゼなども来られる予定で、ロシアの現役教授陣は広く健在です。ピアノを勉強している人たちにとっては、偉大な作曲家たちとその膨大なレパートリーの重要性を考えると、ロシアはまだまだ勉強しなければいけない未知の宝庫のように思います。

ロシアに関しては今でもまだ日本語の文献が十分存在するとは言えないし、英語の文献を読んでも結局ロシア語の知識がなければはっきりわからないことが山ほどあるので、今後の好奇心旺盛な学生たちや研究者たちの活躍に期待がかかるところです。

雑記 : 10:22 : comments (x) : trackback (x)
カプースチン「まるわかり」講座

今年は数年ぶりにカプースチン公開講座を再開することとなりました。
特に現在ヤマハさんが相当な思い入れでカプースチンの楽譜を国内に普及してくださっているので、それにともなってカプースチンを上手く(楽しく?)弾くための公開講座(=ピアノ公開講座)の需要が出てきたというわけです。

まずは明後日3月30日(木)に船橋の伊藤楽器での講座です。
ぜひWebサイトを御覧ください。
http://www.ito-ongaku.com/info/info-15782/

カプースチンを弾くためのコツ、あるいは指導者に向けての知識的な部分を提供するということではこれまでと変わりませんが、チラシのテイストは少し以前とは変わりました(笑)。
私自身のカプースチン歴がもう17年とけっこう長くなってきたので、多くの作品に通じて頭の中がずいぶんまとまってきたし、カプースチンを弾く、あるいは教えるためのコツもかなり身についてきたように思います。そのあたりに加えて、講座では最近の新しい情報も交えてカプースチンについて語りたいと思っています。

現時点で今年秋あたりまでに日程がすでに確定しているカプースチン公開講座は以下のとおりです。

◆5月28日(日) 山野楽器(銀座)(14:00~16:00)
◆6月16日(金) ヤマハ横浜店(10:00~12:00)
◆6月29日(木) ヤマハ新潟店(10:30~12:30)
◆10月30日(月) スガナミ楽器町田店(10:30~12:30)

また、日本カプースチン協会主催としてこれまで数回行なってきた『カプースチン・フェスティバル』も、また参加したいという声があちこちから聞こえてきますので、おそらく開催は秋頃になるかと思いますが、今年も行われる方向で動き始めています。
詳細が決まったら、またこのブログでも告知していきたいと思います!

カプースチン : 17:43 : comments (x) : trackback (x)
濃い3日間でした!

久しぶりの投稿になりました。
この3日間、故郷の旭川に来ておりまして、縁あって旭川永嶺高校の吹奏楽局の定期演奏会で2日にわたって共演させていただく機会を得ました。吹奏楽のコンサートにピアノコンチェルトの演奏で呼ばれるというのは少々珍しいケースかとは思いますが、とても素晴らしい経験となりました。この学校は昨年から2校が統合されて校名が変わったため第1回定期演奏会ということでしたが、長年にわたり華々しい実績を作ってきた凌雲高校の吹奏楽局が母体で、その指導を続けてきたのが東京音大で私の2年後輩に当たる吉川和孝先生です。



約3時間に渡るプログラムはとにかく盛りだくさんで、吹奏楽というものがここまで進化しているとは私は知りませんでした。これほどまでに多彩なプログラムで、もう私は心の底から尊敬してしまいますが、それにしてもこのようにプログラムの表紙にまで私の写真を載せてくれるなんて光栄というのを通り越して少々恥ずかしいくらいです。私はオマケで十分だったのですが、それでも一緒にグリーグのコンチェルトを共演させていただき、2日間ともソリストアンコールまで弾かせてもらえたのは有難かったです。ちなみにアンコール曲は、1日目はラフマニノフの「アンダンテ・カンタービレ」(パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏)、2日目は吉川先生に乗せられて思い切ってカプースチンのトッカティーナ(作品36)を弾きました。

永嶺高校の吹奏楽局は、北海道でまだ数校しかやっていないという「ダンプレ(ダンス&プレイ))というものをいち早く取り入れ、非常にノリの良い激しいダンスとともに楽器を吹いたりするのですが、飛び跳ねながら吹いても全然音がぶれないし、もう圧倒的な迫力でした。さらに普通に演奏するだけでなく、ミュージカル、合唱、マーチングなどすべてを取り入れ、そのすべてが非常に高いクオリティで感動しました。実際、私は自分の演奏が終わったあと第2部を2日間とも観させていただきましたが、最後は泣いてしまったほどです。



この旭川市民文化会館は、私自身が小さい頃からずっと通っていたコンサート会場ですが、この1500人の大ホールで2回公演はもう毎年やっているとのことです。もう開場の1時間前から大勢の聴衆が並んでいたのが印象的でした。


水野雅文先生(左)と吉川和孝先生(真ん中)

水野先生は、私が旭川東高校時代の音楽部(合唱部)の先輩です。母校に赴任して合唱部指導をされ、一度はNコンの全国まで導きました。その時は私もNHKホールへ応援に行ったり、また旭川でのさまざまな大きなイベントの時には呼んでいただいたりするなどその後もずっとお世話になっています。今回もお互い忙しい中お会いできました。





それにしても、永嶺高校の吹奏楽局の皆さんは本当にパワフルで、朝から晩まで練習や打ち合わせ、そして寝る時間もないほどの準備が必要だったと思います。一人ひとりがプロ意識を持って取り組んでいると私は感じました。これからも応援していきたいです!

雑記 : 06:57 : comments (x) : trackback (x)
慣れれば「あがらなく」なるのか?!

ピアノを勉強している人にとっての永遠の課題というか、人前で演奏する機会が多い人にとっては、本番でいつもと同じ実力が出せるか出せないかというのは切実な問題だと思います。

ちなみに私自身、もし「あなたは本番では練習と比べてどのくらいの実力が出せていると思いますか?」と訊かれたら、たぶん長い間「50%くらい」と答えていたと思います。ようやく最近になってもう少しこのパーセンテージは上がっていると思いますが、それほど本番で力が出し切れないなといつも思っていました。実は私がそうだったのは、いわゆるメンタルな部分(精神的な動揺など)によるものではなく、多くはフィジカル(物理的なこと)な部分によるものが理由であったことが多いです。つまり、本番時に手に汗をかいて指が滑るとか(笑)、ピアノの鍵盤の感触やタッチが違うとか、自分の出す音がホールでは全然違うふうに聴こえて最初はなかなか調子が出ない、あるいは指がすぐに思うように動かない…などというようなことです。

ただ、どうやらピアニストの中には本番でも練習時とほとんど変わらないか、逆に本番でこそもっと実力が出せると思っている人もいると思います。そういう人はもう生まれながらの才能なのだというしかありません。

ただ、慣れというものは恐ろしいというか、嬉しいというか、本番経験を積めば積むほどだんだんメンタル面でもフィジカル面でも大きな問題が起きなくなってくるものだと思います。

メンタル面で「あがる」という人は、やはり異常に緊張している場合が多いと思いますが、その理由の第一位に来るのは、まず間違いなく「練習を完全に終えていない気がする」というものでしょう。つまり「今日の本番に間に合わせられなかった!」というあの感覚です。これは当日はもうどうすることもできませんので、本番直前にそう思った場合にはもう腹をくくって「ほどほどの演奏で良い」と割り切って弾くしかありません。実は偉大なピアニストたちだって、毎回の本番で完璧に弾いていたわけではなく、けっこう不十分な練習で本番に出ていたり、「かなり酷かった」などとあとで批評や本などでも書かれるほど悲惨だった演奏をしたという話もたくさんあります。そういうことを知れば少しは心も安らぐでしょう。

ただ、やはり練習、つまり準備だけは納得のいくところまでしっかりやっておくことが大事だと思います。特に現代の忙しい時代には、練習時間を確保することが難しくて困っている人が多いと思います(プロも含めて)。だからこそ、ここを優先的になんとか守り切るというのが第一。あとは、本番でどんな精神状態になっても明るくやり過ごせるように、普段から心の準備をしておくということも必要だと思います。
それから、自分が人前で「あがる」ということは自分がどう見られるかについて過剰なまでに意識しているということもあるかもしれません。まあ普通、人間は誰でもそうだと思うので仕方ないと言えばその通りなのですが、もう少し達観して音楽そのものに集中するとか、自分のことはあまり考えないとか、逆にこれまでたくさん経験を積んできたことに対して自信を持って本番に望むようにすれば、まあまあの結果を出せるのではないかと思います。少なくとも、慣れてくればもう理由なく「あがる」ということはなくなると思います。

本番前に呼吸を整えてステージに出れば、心臓がバクバク鳴るなどということは一切なくなるでしょう。私も演奏前にそういうふうになることはさすがに今ではもうありません。ただ、先日のバッハコンクールの表彰式での審査員講評の時に、事前に「私は今日は講評を喋りませんから(長くなるし)、他の先生方でお願いしますね!」と何度も言っていたにも関わらず、「審査員の先生方全員からひと言お願いします」ということで振られた瞬間に、はからずもステージ上でビックリして心臓がバクバク打ち始めたのを感じました。しかも心臓の鼓動が大きくなると、それを聴いてさらに動揺するものですね。(笑)
久しぶりにそんなことを経験して、「あがる」という気分を思い出してしまいました。加えてその日、自分が何を喋ったかまったく覚えていません。直前まで何も考えていなかったから当然ですが、悲しいものですね。何か良いことを喋ったような記憶もありますが、そうではなかった可能性もあります。(笑)

何事も準備が必要ということです。準備さえしっかりできていれば何でも「喜びを持って」こなせることと思います。
ただ、現実にはそれがなかなか難しいから困っているとも言えるのですが…。

ピアノ練習のヒント : 18:13 : comments (x) : trackback (x)
バッハコンクール審査を終えて

昨日は日本バッハコンクールの全国大会の審査でHAKUJUホールへ行ってきました。私が審査したのは一般Aと一般B部門。この分類は、音楽の専門教育を受けていないか、あるいは受けたどうかを問わない、しかも学生ではない人たちの部門でした。他の学生たちの部門は同時進行で他会場で行われていたことと思います。曲はバッハなら何でも良い自由曲。つまり昨日は朝の9時過ぎから20時頃までかなり長丁場となるバッハで始まりバッハで終わる一日。「それは大変ですね」と思われるかもしれませんが、実際には終日まったくストレスを感じなかった審査会でした。審査員のメンバーにも恵まれていたのかもしれません。ちなみに私が昨日御一緒させていただいたのは(敬称略ですみません)秋山徹也、上野優子、大塚直哉、平井千絵の4名の先生方。たくさんお話もできました。



このコンクールはピティナ主導のコンクールで(東音企画)もう第7回目の開催となります。けっこう定着してきて参加者も多いようです。バッハだけを弾くコンクールで、目的は「音楽の原点を学ぶ」という位置づけで、「バロック期のポリフォニーの作品を学習することで、読譜力や演奏能力の向上を促し…云々」と要項には謳われていますが、実際にはそれ以上の大きな意味があるのではないかとコンクールを聴いていて感じました。

バッハの作品は、ただ楽譜を読んで演奏するだけでは曲にならないところがあります。もちろん背景の知識も必要だし、正しい奏法というような技術的な観点もあるでしょう。ただそれ以上に重要なのは、やはりバッハの精神を感得することができるか、あるいは、音楽の奥深くにあるものを掴んでそれを表現する能力が出せるか、というあたりにも重要な点があるのではないかという気がしました。ある音楽作品の中に、いかに本質的なものを見出して、あるいは曲の性格を理解したり解釈を加えたりして、自分の表現力を駆使して音楽の中の崇高な精神を紡ぎ出すか、というところが重要です。それを必ずしも理論からではなく直感的なもの、あるいは自身の感性やセンスを発揮して、見事に素晴らしい演奏を展開していた奏者もいました。

昨日は、私が大いなる美点を見出した奏者が必ずしも入賞できなかった例もあったことはありましたが、ちゃんと各審査員の評点とコメントが書かれた用紙が一人ひとりに配られるので、納得がいかなかった人もそれぞれの審査の先生が評価した点や感じたこと、アドバイスなどが正しく伝えられていることと思います。その意味でも、単なる順位を決めるコンクールというだけではなく、勉強の場として大きな役割を果たしていると感じるところです。ピティナは特に貢献されていると思いますが、やはり今の時代は人との出会いの場を提供したり、共に学び合える勉強の場を増やしていくことも大事だと思います。


きれいなクリアファイルでした

雑記 : 10:22 : comments (x) : trackback (x)
最近のカプースチン情報から

久しぶりの投稿です。1ヶ月以上もブログを更新しなかったことはあまりないのですが、あっという間に時間が経ってしまった感じです。相変わらず自分の時間がほとんどないので…。

私の生徒たちは現時点でインフルエンザにかかった人はゼロ、風邪も引かずレッスンを休む人もほぼ皆無です。すばらしい。私もお陰様で毎日フル回転です。

さて、カプースチンの新しい楽譜はその後売れ行きも好調のようで、さっそくカプースチン公開講座の依頼が入ってきました。今年は内容を刷新して展開したいと思っています。
3月30日の船橋の伊藤楽器のサロンでの講座を皮切りに、現時点ヤマハ横浜店、スガナミ楽器町田店などから依頼が入ってきたところです。新たにカプースチンを勉強したい人に向けて、演奏のコツ、必要不可欠の知識、そして最新の情報も盛り込まなくてはいけませんね。また、今年は他のカプースチン関連イベントも考えたいところです。

先日1月29日にはバルセロナで無事に西本夏生さんがカプースチンの6番のコンチェルトのスペイン初演を成し遂げたようで、これもカプースチン演奏史においては一つの快挙になるのではないかと思います。まだまだ前例が少ないですから。
特にピアノコンチェルトは録音(CDなど)を残さなければいけないとは思いつつも、演奏するためにはある程度大がかりな準備もいるので、何らかのプロジェクトとして立ち上げて企画しなければなかなか実現は難しいものがあります。

ところで、現在カプースチンについて知ることができるまとまった文献はまだ存在しないと言って良いでしょう。私が2004年頃から楽譜の編集時に執筆した彼のプロフィールや音楽の解説が未だに引用されたりしていることも多いと思います。ただ現在、朗報としてアメリカのウェストバージニア大学を卒業したロシア出身のヤーナ・テュルコヴァさんがカプースチンについての本を執筆中で、ロシア語と英語で同時に出版するべく奮闘中のようです。彼女は、ジャズシンガーでピアニストでもあり、カプースチン本人からはOp.157のソロ曲を献呈されている人です。2015年に大学院を卒業した年にすぐその曲を見事に弾いてすでにYoutubeにもアップされているので、その腕前は確かであることがわかります。2014年末に私がカプースチンを訪問した時にカプースチンはちょうどこの曲を仕上げたばかりで、献呈者の彼女のことは「友達だよ」と教えられ、CDで歌も聴かせてもらいましたが、素晴らしい音楽家でインテリであることは間違いないと思いました。


「Curiosity op.157」の楽譜とYanaさんのCD

おそらく彼女が今書いている本がカプースチンに関する包括的な情報を擁する最初の書籍になることでしょう。私も心待ちにしているところです。

カプースチン : 18:47 : comments (x) : trackback (x)
カプースチンの楽譜がすべて入手可能に?!

2004年に全音楽譜出版社から『8つの演奏会用エチュード』と『24のプレリュード』が出版されて以来、楽譜の出版に関してははからずもいろんな紆余曲折を経てきたカプースチンの楽曲ですが、このほど国内でまた楽譜が簡単に手に入るようになりそうです!

もう先週頃には、この12月に新たにショット社から出版された『8つの演奏会用エチュードOp.40』が国内に輸入されており、現在すでに少なくとも首都圏のヤマハでは入手できるようになっております。来年3月には続けて『24のプレリュードOp.53』の新刊版も入ってくるようです。ほかに、ピアノ・ソナタはすでに20曲全曲がほとんどすべて、また他のソロ曲のナンバーも現物で購入可能です。長らく人気を誇ってきた連弾曲の『シンフォニエッタOp.49』も絶版になってから私はまたショット社さんにずっとプッシュしてきましたが、来年にはようやく発刊されることでしょう。

現在、ヤマハ池袋店で「カプースチン・フェア」をやっています!





「8つの演奏会用エチュード」が山積みでした。

先週からフェアをやっているということですが、すでにこの山はかなり低くなってきているということです。動きが早いですね。

現在国内で手に入るカプースチンの楽譜はヤマハ池袋店にほとんどすべて置いてありました。また、私が先日ヤマハさんに提供してちょうど刷り上がったばかりの「ニコライ・カプースチン大解剖」のチラシや、カプースチンの楽譜商品リスト(最新)なども手にすることができます。

新たなカプースチンブームが起きそうな予感です。これは第二次ブームにあたるのでしょうか。それとも第三次ブーム?!
とにかく、ショット社がカプースチンの全作品を今後も出版し続けていく限り、これからは安定的にカプースチンはもっとメジャーな存在になっていくことは間違いなさそうです。

カプースチンの楽譜が欲しかったという人は、ぜひお早いうちにヤマハにお立ち寄りください。(笑)

カプースチン : 20:10 : comments (x) : trackback (x)
辻井君と食事/カプースチンのコメントなど

昨日は、久しぶりに辻井伸行君親子と私たち夫婦で一緒に食事をする機会があって、先月のオーストラリアでの演奏会成功の話などを聞きながらとても楽しいひと時を過ごしました。ただ、お母さんのいつ子さんと私ばかりがよく喋っていたような気がします。すみません。

3日前の朝のNHKに辻井君が出ることは知っていて、たまたまその時テレビが近くにあったので気がついてスイッチを入れた瞬間に彼がちょうど出ていたのですが、もう少しで逃すところでした。「真田丸」のテーマソングなどをヴァイオリンの三浦文彰さんと弾いていたのですが、演奏もトークも二人ともとても良かったです。あとで本人に聴いたらあれは生放送だったのですね。朝の5時半にNHKのスタジオに向かったとか。早朝から大変でしたね。

さて、11月6日の私がコンチェルトを弾いた演奏会の話に戻りますが、その日のカプースチンのコンチェルト第3番の録音を作曲者本人に送ることができました!かなり待ち遠しかったようですが、なんとか無事に送ることができて聴いてもらえて良かったです。その翌日、さっそくカプースチンからコメントを頂きました。(以下、露→日に翻訳)
「…2回通して聴いたよ。とても満足しています。ご成功本当におめでとう!とても難しくて長い曲…私のすべての作品の中でこの曲より長いのは『24のプレリュードとフーガ』だけですよ。本当にありがとう!偉業を成し遂げてくれた。ほかにこのコンチェルト弾く人はどこにも見当たらないのだから。…中略…
「で、Youtubeにはどうやって公開するか私は判らないが…でも公開すべきだと思うけど…
もう一度本当にありがとう。でも動画がないのは残念だな…」

カプースチンはインターネットでも自身の作品を世界のさまざまなアーティストが演奏してアップしているのを楽しみに聴いておられるようですね。
この音源を一般公開するかどうかはまだ分かりませんが、でも多くの人にどうにかして聴いてほしいとは思っています。どちらかと言えば、私はこのコンチェルトを再演したい気持ちでいっぱいです。それが実現するようにまた働きかけていきたいと思っています。

先週はまた、カプースチンの誕生日の前日という日を選んで、カプースチン79歳の誕生日に捧げるコンサートを企画した人がいます。アメリカのジュリアード音楽院で学んでいる中国出身の若いピアニストLiang Dai君なのですが、彼はカプースチンに入れ込んで数年前から作品を弾いていて、どうしてもこのコンサートを企画したかったということです。そして、このコンサートも無事に成功に終わったようです。
プログラムはオール・カプースチンで、ピアノ協奏曲第2番、第4番ほかオーケストラと共演する他の曲(Op.3の変奏曲など)やソロ曲を含め、かなり長いプログラムをやったようです。カプースチンを熱愛している彼はジャズも得意とするようですが、いずれはカプースチンの曲は全部弾きたい、いや弾いてみせると作曲者本人の前で豪語したとか。
ちなみに、カプースチン本人はもうあまり外に出ないのでこのコンサートには出かけなかったようですが、その翌日彼の自宅にこのピアニスト君は訪ねて来たようです。カプースチンは、「彼とは友達になれた。彼はなかなか素晴らしい」と言っていたので、カプースチンも喜んではいるようでした。「コンサートの録音を送ってくれると言っていたけど、まだ来ない」とか言っていましたから、興味は強く持ったようですね。

最近は世界のあちこちにこのようなカプースチンの熱狂的なファン(演奏家も)が増えていっているようです。ちなみに、一晩にコンチェルトを2曲も弾いたジュリアードの彼はまだ17歳になったばかりと言います。軽いショックは受けますね。(笑)

雑記 : 23:05 : comments (x) : trackback (x)
コンチェルト世界初演後の近況…

一連のカプースチンを含む演奏会を終えて、その後休む間もなく仕事に追われていました。今日も考えてみれば日曜日ですが、朝早くから大学で指定校推薦入試とAO入試関連その他の実技試験の審査にずっと入っておりましたので、ほぼそれだけで一日終わってしまいました…。結局先日の演奏会の後は、たった半日の自由時間はおろか、起きている間は数時間の空き時間さえ与えられないまま現在に至っています。あの日からもう2週間も経っていたのですね…。あまりの時間の速さに呆気にとられています。

ただ、つい数日前にレッスンの合間に嬉しい取材を一つ受けました。「音楽の友」と「ムジカノーヴァ」が、先日のカプースチンのピアノ協奏曲第3番の世界初演をレポートしてくださるということで、大学まで取材に来てくださったのです。おそらく12月20日頃発売の1月号に出ると思いますが、このインタビューには今回のコンサートの主役でもある学生たちの中から、プレミアムオーケストラをまとめる役目をしてくれたTb.小村さんと、コンマスを務めてくれたVn.佐々木大芽君も飛び入り参加してくれて、とても楽しい取材のひとときになりました。佐々木君も私も「未だにカプースチンの協奏曲が頭の中で鳴っているよね!」などと言い合っているのを取材班は呆れて見ていたと思います。(笑)

それにしても、あの日の演奏を自分でも早く聴き直してみたいと思うのですが、録った音源はまだ私の手元にも届いていません。「本当に早く聴きたいのだよ!(催促)(笑)」 あのボンゴが頭の中にまだ鳴り響いています。私以外の人たちもずいぶん待っているようです。CDは出ないのか?とか。(たぶん出しません。)動画は録ったのか?とか。もちろん撮っていただきました。外国からも問い合わせが来ていますが、まだ答えられない状況です。カプースチン本人にも。もうその前に3番のコンチェルトの再演プロジェクトを立ち上げたいくらいです。1回では本当にもったいなかった。

でも、あの1回きりの生演奏は今思えば本当に価値の高いものだったと感じます。多くの人に聴いてもらえて本当に良かったです。今回執筆してくださる(有名な)ライターさんもちゃんと聴きに来てくれていたことを知って本当に嬉しかったです。

まあこんな状況で、まだコンチェルト世界初演の余韻をだいぶ引きずっておりますが、そろそろ先に進まなければいけませんね。今後の良い活動につなげていきたいと思っております。


9日の演奏会より
アンサンブル・メンデルスゾーンとの本番直前のリハ風景


伸君からまさかこんな立派なお花が送られてくるとは!
こんなことは初めてだったかも…。
本当にありがとう。

雑記 : 21:38 : comments (x) : trackback (x)
カプースチン第3番世界初演、大盛況終了!!

昨日は、長年の私自身の夢でもあったカプースチン作曲ピアノ協奏曲第3番の初演が実現しました。
関係者の皆様方、本当にありがとうございました!
そして、ご来場くださった満員の聴衆の方々にも心より御礼申し上げます。





語りたいことは山ほどありますが、まだ2日後に少し大きな本番を控えていますので、簡単にご報告だけ。
これだけ大きな企画を東京音楽大学のA館100周年記念ホールという舞台で成功させることができたのは感慨深いです。東京音大のホールでカプースチンのまだ世界の誰も聴いたことのないピアノコンチェルト、それもあれだけの名曲を鳴り響かせることができたことにある種の誇りを感じます。演奏してくれた東京音大の学生たちの皆さん、エキストラで来てくださった奏者の皆さん、指揮者の曽我さんほか、企画してくれた芸術祭コンサート部署の皆さん他のスタッフの学生たち、本当に皆さんに感謝です。なかなか簡単にできることではなかった企画だったと思います。(実際、作曲されてから31年間誰にも演奏できなかったのですから。)

カプースチンのピアノ協奏曲第3番は間違いなく大傑作だと思います。
さっそく私はカプースチン本人に今朝メールで昨日の報告させていただきました。何とお返事が来るだろうか…。

すでに多くの人から反響をいただいていますが、私自身も「また聴きたい」です(笑)。
スポンサーさえいれば再演はいつでも可能であると思います。そして私もやっぱり「また弾きたい(笑)。」 あとはこの音楽を本気で広めたいと思ってくれる人がこれから出てくるかどうか。
考えてみれば今回、芸術祭企画とは言え、入場無料でこれだけのことをやってしまえた東京音大の学生たちはすごいと純粋に思いました。本当にもったいない…と当事者の一人である自分で言うのもおかしいですが、でも本当に素晴らしい曲なので…、カプースチンにも私は「この曲は本当に奇跡です!!!」と何度もメールに書いて送っているのですが。
カプースチンという天才作曲家を正しく紹介するためには、まだまだいくらかの時間と熱烈な協力者が必要かもしれません。

一つ朗報。
ヤマハミュージックメディアさんが、今回のコンチェルト世界初演をきっかけに私にカプースチンに関する取材をしてくださり、ヤマハのサイトで取り上げてくださいました!是非お読みいただければ幸いです。
こちらトップページからリンクされています→http://gakufu-ymm.com/


明後日、11月9日(水)は19:00より、日暮里サニーホールでベルギーの室内楽団との共演でカプースチンの『ディヴェルティメント』を弾きます!これもおそらく日本初演。

チケットまだありますので、ぜひお越しください!
http://ticket.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1640396&rlsCd=001&lotRlsCd=


昨日、聴きに来てくれた門下生たちと


ありがとうございました!

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