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カプースチンの楽曲解釈
ここのところカプースチンばかり語っているように見えるかもしれませんが、大部分の時間はもちろん普通のクラシックレパートリーに従事しています。だからこそカプースチンでときどき心が開放されるという感じです。(笑)

先日、2回目のコンチェルト3番の合わせをしましたが、本当に奥が深い曲でたくさんの魅力に満ちている曲だということがわかりました。オケ合わせでは、メンバー全員が揃うのはもう少し先になりそうですし、全体像はこれからもっと明瞭に見えてくると思いますが、とにかく指揮者の曽我さんが入念にスコアを見てくださっているのが嬉しいです。カプースチン本人から私が昨年に手渡しでもらったスコアの自筆譜を渡したのですが、彼はそれを見ていると印刷譜と比べて発見することが格段に多いと言います。とてもわかる気がします。



コンチェルト3番のオケ合わせの日には、いろんな人が見学に来てくれています。先日も駆けつけてくれた西本夏生さんは、私とはいつもカプースチンについて熱く語る仲でもありますが、彼女は来年1月にスペインでカプースチンのピアノ協奏曲第6番を演奏することが決まっています。これはおそらく私が2013年に世界初演して以来の演奏になるはずです。

新曲(音源がないものや、あっても新しい作品)の音楽づくりはとても面白いものです。こういう経験を積んでいくと、演奏者・解釈者によって曲の内容や音楽の印象はいくらでも変わるということがよくわかります。

いま同時進行で11/9の室内楽のコンサートの準備も進めています。その夜は、ベルギーのアンサンブル・メンデルスゾーンのメンバーとカプースチンの「ディヴェルティメント 作品126」も演奏する予定ですが、この作品もこれまでほとんど演奏されていません。ただ、いくつか演奏された音源がありますが、私自身が楽譜から読み取るこの曲の本質とそれらの演奏とは全然違うので、本番で自分たちにどんな演奏ができるか楽しみでもあるのです。ただ、弦楽器奏者にとってカプースチンは特に難しいという声もよく聞くので、本当に演奏技術の問題なのか解釈の問題なのか確かめてみたいという感じはしています。今回、チェロはカプースチン演奏の経験者ニコラ・デルタイユさん、ヴァイオリンも高い技術を持つダニエル・ルビンシュタインさんなので、少し頼もしく感じてはいます。

どこまで続くかわかりませんが、1曲でも多く作曲家が意図したものに近い演奏を残したいという一心でやっています。いろんな曲をやってきましたが、本当に「こんなものを生み出すことができるなんて奇跡としか思えない」という曲が山ほどあるのです。
何といっても、こんなにすごい曲(ピアノ協奏曲第3番)を創っておいて、誰にも演奏されずに31年間も黙っていられるという人間の器が私には本当に理解できません。もし自分だったら、「みんな!すごい曲ができたよ~!」とワーワー騒ぐかもしれないと思います。(笑) やっぱり天才は違いますよね。

| カプースチン |
| 05:32 PM | comments (x) | trackback (x) |

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新・ピアノ弾きの休憩室 /ピアニスト川上昌裕のブログ。音楽の話題、ピアノ学習へのヒント、日常生活の舞台裏を気まぐれに綴る。