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カプースチン「ピアノ協奏曲第5番」のこと
今年は冒頭からカプースチンの話題を引きずっていますが、もう一つ新しい告知です。

先日の「カプースチン祭り」の時にも発表したのですが、この秋11月15日(木)に日本センチュリー交響楽団の第230回定期演奏会にて、カプースチンのピアノ協奏曲第5番を飯森範親さんの指揮で共演することが決まりました。この曲は作曲直後の1995年にピアニストのニコライ・ペトロフ(この曲は彼に献呈された)がモスクワで演奏して以来、23年ぶりの演奏の機会ということになろうかと思います。音源がまだ存在しないコンチェルトなので貴重な一夜になることでしょう。

詳細は日本センチュリー交響楽団のホームページ等をご覧ください。
http://www.century-orchestra.jp/2018program/

カプースチンの6つのピアノ協奏曲のうち、1番と5番はまだ世界の誰にも知られていないのです。5番にはカプースチンの新しい要素がてんこ盛りで、一続きの演奏時間20分強くらいの曲ですが、このコンチェルトもはっきり言って傑作です。少々難解ではありますが、聴けば聴くほど名曲だとわかる類の曲です。これまたピアノ音楽史と、ピアノ協奏曲の歴史を塗り替える曲の一つとなるでしょう。

私がこのコンチェルトのスコアをカプースチン本人からもらったのは、実は3番をもらったのよりも先だったのです。いつまで経っても私が5番を弾こうとする素振りを見せないので、先に3番を強く勧めた(カプースチンが)という経緯があったのかもしれません。あるいは3番のほうが巨大な曲なので、「もうどちらでもいいから早く弾いてくれ」という感じで大きい曲から勧めたのか…。

おそらく3番のほうが大衆的で5番は玄人好みと言えるかもしれません。ただ、5番にもカプースチンの魅力はふんだんに詰まっています。楽譜をよく読むと、曲全体の構成(モチーフの扱い方も)とアイデアが本当に素晴しいし、この曲を知って私は初めて「一体どこまでバラエティに富んだ発想力を持った作曲家なのだろう!」と思いました。現代作曲家たち(クラシック)のさまざまな音楽の要素が入っているようにも思えるし、ガーシュインを思わせるような部分もあります。でも、最後まで聴くと「やっぱりこれは正真正銘カプースチンだ!」と思えるのです。あるいは、人によっては「これは異色のカプースチンだな」と感じる人もいるかもしれません。私自身にもまだ不可解な部分が多くあります。この曲について語ろうとすれば、ピアノ曲はもちろん、おそらく古今のピアノ協奏曲やオーケストラ曲、そして現代曲全般に通じている人でなければ正しく解説することはできないのではないかと感じます。カプースチンがそれだけの勉強をしている作曲家であることがわかります。

今回は私も本気で取り組んでおり、すでに取り憑かれるほど始終この曲が頭の中に鳴っています(笑)。まだ誰にも認知されていない曲にこれほど取り憑かれているというのもかなり変人な気がしますが、でもカプースチンの新曲は本当に油断ができないので(難しい!ということ)、スコアをつぶさに研究しながら鋭意練習中です。

まだ演奏会はかなり先の話ですが(チケットもおそらく当日の4ヶ月前くらいから発売?)、少しだけ先走って語ってしまいました。

| カプースチン |
| 07:05 PM | comments (x) | trackback (x) |

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新・ピアノ弾きの休憩室 /ピアニスト川上昌裕のブログ。音楽の話題、ピアノ学習へのヒント、日常生活の舞台裏を気まぐれに綴る。