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本番への準備(1)

どのくらい練習したら本番で絶対にうまく弾けるという確信が得られるのか。これは難しい問題です。ある本番に向けて、練習が「100パーセント完成」というのはあり得るのか。それとも、120パーセントくらい練習しておけば絶対に大丈夫と言えるのか…。ピアニストが本番で「あがらない」ための条件として、「当日までに十分な練習をしておく」ということがあります。本番で成功する絶対条件としては、まさに「これに尽きる」と言っても良いものです。

ウィーン留学時代に面白いと思ったことがあります。本番で良い演奏をすると、それを聴いていた教授や同僚から、「きちんと準備をしていたね!」(“Du hast dich gut vorbereitet!”)などと誉められることがあるのです。演奏するのに準備をするのは当たり前ですから、これは誉め言葉ではないのではないかと最初は思ったのですが、必ずこれを言われるので、ピアニスト同士では挨拶みたいなものなのか、と思いました。しかし、これは考えてみるとけっこう本質的な言葉で、結局どれだけ本番に向けてきちんと毎回準備ができるか、ということが実は一番重要なのです。ちなみに、日本語で同じケースでこういうことを言う習慣はありませんから(普通は、演奏の内容を誉めたりします)、日本人はもともと勤勉だということなのでしょうか。

しかし、本番のために準備をすると言っても、たくさんの曲を同時に仕上げなければならない場合や、複数の本番がからみあってくる場合があります。どれだけの完成度でよしとするかは、これはその都度けっこう計算が難しいものです。必要十分な練習時間とはどのくらいなのか。これは、自分にとってまったく新しい曲の場合と、以前弾いたレパートリー(「何度本番を踏んだか」、また、「最後に弾いたのはいつか」が問題になる)では全然違うし、難易度もそれぞれ曲によって違います。長い経験によってだんだん自分の能力というものがわかってくるもので、初期の段階では計算違いをしてしまう(間に合わなかった!という)ことも多いと思います。

子供たちがコンクールを受ける場合や、音大への入学試験など、曲の数はそれほど多くはないけど長い間弾かなければならないという場合があります。これもただ毎日弾いているだけでは、その曲にとんでもないほどの量の時間を投入するわりには、いつもうまく弾けるとは限りません。途中で飽きてしまって練習ができなくなることもあります。気分が乗らないこともあります。だから、本番へ向けて自分をどのようにもっていくか、ということは、これも一つの技と考えて良いでしょう。工夫が必要なのです。結局、「練習が間に合わない!」という“サボり屋”さんのパターンと、「練習する気が起きない!」という“飽き屋”さんの二つのパターンについて、それぞれ対処法を考えてみなければなりません。



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