Main
自分の一年を振り返る日

20世紀のソヴィエトの作曲家を広く網羅するウェブサイトがあります。Onno van Rijenという方が運営しているものですが、現在トップページにはなんと私のカプースチンCDも紹介してくださっていることがわかりました。
http://home.wanadoo.nl/ovar/
以前から、カプースチンに関する情報がいくつか(インタヴューなど)載っているので個人的にときどき気にしてはいましたが、熱心な方が世界にはいらっしゃるものです。載せている作曲家の数だけ見てもかなりのこだわりが感じられます。(このサイト運営者はオランダ在住のようです。)
ただ、カプースチンのCD紹介の文章近辺を読む限りでは、日本で全音から出版された楽譜についてはまだよく知らないようですね。作曲家自身が監修している楽譜だというのに…。早く教えなければなりません。

今日は、実は自分にとっては特別な日(年齢がまた一つ増えてしまう日)でした。このところ、1年1年がとても大切に思えてきます。1年前の今日から見て自分は成長しているのか。良い仕事をしているのか。(確か昨年のこの時期はちょうど肋骨の骨折騒ぎで苦しんでいた時期。その後もずっと体に鞭打つような生活だったためその時のダメージを実はまだ引きずっている。)
あるTV放送で自分の歳を間違えられて実年齢より5歳多い数字がテロップで出されてショックを受けたこともありますが(笑)、5年もあればまだまだ別人のように成長したい、という願望があります。今年の後半こそは自分への癒しの時期にして、物事を深く考える時間と身体を建て直す時間をたっぷりととってすべてを作り直したいです。




雑記 : 17:38 : comments (x) : trackback (x)
「ブラジルの水彩画」パラフレーズ 編集秘話

全音版「カプースチン作品集2」に入っている「“ブラジルの水彩画”によるパラフレーズ」作品118についてです。この曲は大変人気があるようです。この曲は、実は作曲されて比較的早い段階で私が作曲家から頂いた自筆譜と全音の楽譜を編集する際に使った自筆譜に微妙な違いがありました。そのことについては楽譜の解説にはいちいち書いてありませんので、熱心な学習者たちのために補足すべき点をいくつか書き出してみたいと思います。

・第7~8小節 リズムは当初は少し凝ったものでした(もとのヴァージョンと下に譜を載せてあります)が、結果的に分かりやすい(規則的な)リズムに書き換えられました。私は最初の方が気に入っているので、ずっとそちらで弾いていました。(最近は楽譜どおりに弾いています。)

・第65小節 左手の3拍目のバス音はG(ソ)となっていますがこれは誤植で、F(ファ)が正しい音です。その2小節前から4小節の間ずっとバスは“ファ”のままです。

・第114~116小節 ここは実は最初はもう少し単純な形(リズム)で書かれていましたが、前後の関係から「ちょっとリズムに精彩を欠くかな?」という感はありました。作曲家もあとになって同じように感じたらしく、この3小節にVar.1、Var.2と二つのOssiaを加えて送ってくれましたが、結果的に最後の最後になって一番複雑で弾きにくいVar.2を決定譜として採用してほしいということになり、それをそのまま楽譜に組み込むことになって現在の形になりました。この箇所は私の録音でも反映することができましたが、実はその訂正譜が送られてきたのは録音日の5日ほど前でありました。(私は、この難所を変更して弾くための練習期間として3~4日間しか残されていなかったので、汗をかきかき苦労して練習しました。)

・第127小節 左手第3拍目の“G”は、もとは“H-G”(下からシ-ソ)の和音となっていました。全音版の底本では“シ”が省かれていました。(私は和音の方が気に入っています。)

・第155小節 右手第4拍目のB(シのフラット)には、最初の自筆譜ではフラットがなく、シのナチュラルでした。ここはおそらく作曲家はシのフラットのほうを求めていたかと思われます。

ほかにもカプースチン自身がこれよりさらに前の段階で細かく手を入れた部分はいくつかありますが、そこまで遡って説明する必要はないかと思います。全音の楽譜編集に際しては、まだ知られてもいない曲に関してあまり煩雑な情報をたくさん書いても仕方がないと判断し、このような部分については公開しませんでしたが、今後熱心な弾き手が多数現れることを考慮して、編集作業における細かいやり取りについても少しここに書いてみました。


カプースチン : 20:05 : comments (x) : trackback (x)
兵庫での演奏会を終えて

一昨日のカプースチン・コンサートに来てくださった皆様、どうもありがとうございました。今回はプロデューサーの大久保さんをはじめ、演奏させていただく私にとって本当に多くの方々の協力を得ました。この場を借りて心よりお礼を申し上げます。

自分一人では考えもつかない発想がいろいろあったという点(当日のリハでやっと理解できてきた(^_^.))から言っても、このコンサートは大きな意味で「コラボレーション」だったのかもしれません。また、ジャズ・コラボ企画としてカプースチンの「ブルーボッサ・パラフレーズ」を取り上げたのも、結果的に大正解だったのではないかと思います。本来は超絶技巧のパラフレーズなのに、ビブラフォンとウッドベースとの共演ということもあり楽しみながら気楽に演奏できました。全体の印象としても、あれだけ手を加えてもオリジナルのカプースチン音楽の良さはたぶん失われてなかったと思います。

とはいえ、第2部のプログラムもあり、カプースチンを一度に何曲も弾くというのはピアニストにとってはやはり普通のことではなく、長丁場の中で(リハも含めて8時間以上)トークやらさまざまな演出も良かったのですが、本番演奏中に集中力が飛んでしまった“魔の瞬間”が思いもかけず長く続くという苦しみがありました。まったく修行不足というか自分の限界を知りましたが、しかし大いなる経験をしました。こういう企画は、おそらくオール・カプースチン2時間ソロくらいを当たり前にできる技量を身につけて10年くらい経ってからだともっとクオリティーの高いものができる気がします。

ツィメルマンは「私は、一つの曲を完璧に準備するのに10年を要します」と言っていますが、まったく彼らしい言葉ですが、しかし演奏家(クラシック音楽家)はそのくらい突き詰めることもやはり重要だと思います。どんなに能力のある人でも高い精度を目指せばそのくらいかかると思います。暗譜だって複雑で長い作品であれば本当の意味で安心するにはそのくらいかかります。でも、そうすると私もオール・カプースチンを人前でやるためにあと9年ほど待たなければいけない(笑)ことになりますから(そうした方が確かに演奏家としての自分を守ることにはなりますが)、どちらが良いのか…迷ってしまいます。しかし実際は迷う前にすでに多くの行動を取ってしまっていまして…、この性格は少し改めたほうが良いのかもしれません。とにかく、少しゆっくりと腰を落ち着ける時間がほしいところです。




カプースチン : 13:32 : comments (x) : trackback (x)
カプースチン演奏情報

私生活はカプースチン漬けであるにもかかわらず普段の生活で話題にすることはほとんどないので、ネット上では遠慮なくカプースチンを話してみたいと思います。(考えてみたらいつものことですね…。)

次のコンサートは5月19日の兵庫県立芸術文化センターでのオール・カプースチン。この時はカプースチンのOp.123(「ブルーボッサ・パラフレーズ」)によるジャズ・コラボがありますが、これが注目の新しい試みです。コラボの共演者もすごそうな方たちです。というか、凄腕そのものです。しかしその他にほとんど丸々リサイタル1回分のソロ・カプースチンプロがありますし、前半はトークも多いですから、お客さんにとっては盛りだくさんですが、演奏するほうとしては気が抜けません。(もっとも、気を抜くと1曲も弾けないですが…^_^;) 今までクラシックのソロ演奏家にとって一番大変な本番は「リサイタル」だと信じていた(「室内楽」「コンチェルト」などいろいろある中で)のですが、それ以上に大変なパターンってあるのですね(^_^.) 理由の一つとして、私にはジャズそのものを演奏したことはないので、ジャズを演奏する人たちとの共演がまったく新しい経験だということもあるのですが。

多面的な魅力を持つカプースチンですが、これをジャズ・コラボとして「ジャズ」の方向から光を当てることによって新しく浮かび上がってくるものがありそうです。彼の作品の中の何が「ジャズ的」であって何がそうでないのか、また彼のジャズ語法の用い方の独自性や他の作品における彼のクラシック的な魅力までが浮き彫りにされればこの試みは大いに意義がありそうです。こうした試みによって、例えば後半で弾くピアノソナタ第13番の第2・3楽章などはとてもクラシカルで、ドビュッシーやラヴェルの作品などと比べてもずっと古典的な雰囲気を持っていることが感じられることと思います。(ジャズの語法をあれだけ用いているにもかかわらず。)

ところで、私がオール・カプースチンを演奏する5/19には、偶然にもスペインのピアニストがカプースチンのピアノソナタ第14番(Op.120)を世界初演するようです。このピアニストは、確か5月の初めにピアノソナタ13番を弾くはずだったのです。昨年の秋頃、「私は来年5月にあなたのピアノソナタ13番を弾きますが、これは世界初演となりますか?」とカプースチン氏にお伺いを立てたらしいのです。カプースチンは、「Mr. Kawakamiが4月に東京で弾くそうですよ」と答えたのですが、その後なぜか彼のサイトからソナタ13番を弾くという情報が消えてしまいました。そしてその代わりに、いつの間にかソナタ14番を弾くとなっていました。どういった発想でこうなったのでしょうね。ちなみにそのピアニストのサイトです
→http://www.ludmilangelov.com/




カプースチン : 13:58 : comments (x) : trackback (x)
CALENDAR
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
<<  2006 - 05  >>
COUNTER
total:2511854
today:123
yesterday:830
    
NEW ENTRIES
CATEGORIES
COMMENTS
  • ピアノがうまくなるヒント集
  • 川上 (02/14)
  • ドレミ (02/14)
  • 川上 (01/30)
  • ぱんだ (01/30)
  • 愛用の電子辞書
  • 川上 (01/24)
  • ゆうや (01/24)
  • ゆうや (01/24)
  • 無事に初演果たしました
  • mie (11/06)
  • 今年一番忙しい日々でした
  • 川上 (11/05)
  • K (11/04)
ARCHIVES
PROFILE
LINKS
MOVIES
OTHERS
POWERED BY
POWERED BY
ぶろぐん
DESIGN BY
ゲットネット
LOGIN
USER ID:
PASS:
Mode: ゲストモード
SEARCH BOX