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お知らせ

多くの人からの意見を総合して、コメント欄は表示しないことにしました。
大多数の方には関係のないことかもしれませんが、ネット上にはマナーを知らない人も時々出てくることがあります。例えば、自サイトへの誘導の目的で人のブログに書き込んできたりとか、いろいろあるようです。

というわけで、ブログのオープン性は大切ですが、とりあえず元に戻してオフにしていただきました。(これまでに皆さんから頂いたコメントは、見えなくなっているだけで削除されてはいないようですのでまたいつでも復活できます。)

さて、今週末から来週にかけては試験期間で長期間にわたって缶詰状態です(*_*;


雑記 : 08:39 : comments (x) : trackback (x)
テンポルバートのこと

せっかくショパンの話が出たのでもう少し話を進めてみましょう。

ショパンは、自分の作品にテンポの扱い方の細かい指示(アゴーギク)を書き込んで作曲していました。このこと自体が当時非常に新しいことではありましたが、作品24以後はショパンはルバートという言葉を用いなくなり、作品25あたりからは初期の作品には多かった速度記号が顕著に少なくなっていった(作品27は例外)というふうに一般的に見られています。

結局、自分の曲ではテンポルバートをするのがもうあまりに当然だし、それを全部書くのは不可能だと悟ったということでしょう。ただ、楽譜から曲を読む人にとってなるべく誤解のない最良のテクストをいつも目指していたので、推敲に推敲を重ねて楽譜を何度も書き直して苦労していたわけです。
しかし同時に、ショパンは即興演奏が得意でしたから、いくつかのバージョンで弾いたり、実際に同時代に出版された楽譜の版によって、同じ曲でも違う音が書いてあるものもあります。どちらもショパンのアイデアで、どちらも正しいということが言えるものがあります。

また、マズルカのリズムも、ショパンが弾いたら3拍子には聞こえない(2拍子に聞こえる?!)と言った音楽家もいて、このような舞曲のリズムも楽譜に正確には書けないものの一つでしょう。

昨年5月にカプースチンの録音に立ち会ったときに強く感動した点がありました。それが何かといえば、「テンポルバート」でした。16番のピアノソナタの第2主題の絶妙なテンポの扱い方に、彼がクラシックの演奏家であり作曲家であることを深く再認識しました。楽譜を見ながら聴いていたのですが、楽譜に書いていないことを100も200もやっていました。まるでショパンのルバートのようで、それにしても熟練した技だと感じました。この音楽性には、今までの自作自演盤で聴いていたもの以上のインパクトを受けました。あとでそれを本人に伝えると、「努めて自由に弾こうとしました」と言っていましたから、やはり意図的だったのですね。そして、「自作の曲でも、弾いているうちに弾き方がだんだんわかってくる」というようなことを言っていたので強く啓発された覚えがあります。
彼は、近年の作品になればなるほど、ジャズ的なテンポ感からは離れてクラシックの伝統に立ち返っているようにも感じます。(この録音は、あと数ヶ月のうちには皆さんの手元に届くことでしょう。詳しくはここでまたお知らせいたします!)

ピアノ練習のヒント : 20:05 : comments (x) : trackback (x)
表現力をどのように身につけるか(2)

ピアノの勉強は一般的に楽譜を使うことが多いので、楽譜から音楽を読みとって表現力を高める方法を考えてみたいと思います。

楽譜には、音の高さやリズム、テンポ、言葉による指示(楽語など)が書いてあります。また、ほかに重要なものとしてはフレーズというものがあります。フレーズには、小さなものから大きなものまであります。これは音楽における単語であり文章ですから、正しく意味を理解して正しく発音しなくては通じない言葉と同じように、間違ったフレーズ感では作曲家の意図が正しく伝わりません。

基本的なことができたならば、あとは表現力ということになります。
ここで重要なことを言いますが、実は「楽譜に忠実に」なりすぎると逆に作曲家の意図が見えなくなってしまうことがあるのです。なぜかと言うと、楽譜には書けないことがたくさんあるからです。曲の本質をきちんとつかんでいさえすれば、表現の幅は本来とても自由で広いものです。その音楽が意図しているところを理解することから始まるのです。

一つの例として、楽譜にrit.(だんだん遅くする)の指示のないところで絶対にテンポを緩めてはいけない、などということはないのです。ここが難しいところですが、例えば、ベートーヴェンは楽譜にかなり詳しく指示を書いていますが、必要な指示がすべて書き込まれているわけではありません。作曲家が必ず守ってほしいと思うことは一応書いてはあるわけですが、楽譜に書いてないけど必要だという音楽表現もあります。
はっきり言えば、実はベートーヴェンのソナタにおいてrit.が書いてない箇所でも、「絶対に遅くしてはいけない」ところと、「遅くしても良い」部分と、「遅くする必要がある!」部分がいくつも存在します。演奏する人は、まず“音楽自体が求めるもの”が何かを知り、その上で個々の細かい表現を考えていくプロセスが大事です。作曲というのは、アイデアとして音楽が降りてくるわけですが、その段階ではアゴーギクやディナーミクなどの表現の部分においては、作曲家はそれほど厳密なものとして考えているわけではないのが普通です。(セリー音楽は別ですが。)

ショパンが自作の曲を演奏する際に、かなり自由にテンポルバートをして弾いていた(しかも毎回違うふうに!)とショパンの弟子たちが語っていますが、その証言の意味をよく考えてみる必要があると思うのです。

ピアノ練習のヒント : 19:51 : comments (x) : trackback (x)
表現力をどのように身につけるか

クラシックのピアノのレッスンでは「楽譜に忠実に」という考え方を非常に大事にするのですが、その一方で「自分をもっと表現しなさい」と言われることもあり、学習者は困ってしまうことがあります。「楽譜に忠実に」なることと「自発的な表現力」をどのように考えたら良いのか。

先生からは、過去の偉大な作曲家の曲を弾くのだから、好き勝手に音を変えたりしてはいけない、とまず教わることでしょう。楽譜を正しく読むことはもちろん大切です。リズム、音の高さと長さ、フレーズ、強弱その他の指示、楽語などを正しく読んで音楽を再現することが求められます。しかし、実は楽譜には書き切れないことというものもたくさんあって、作曲家は苦戦しながら譜面を書いているという事実もあります。だから、楽譜に書いてあることが全部正しくできただけでは良い演奏になるとは限らないのです。ましてや魅力的な演奏にはならないでしょう。楽譜に書けるものと書けないもの、これを考えてみることが必要でしょう。これは作曲家の立場になってみないと分からないことでもあります。

一つやはり言えるのは、作曲の経験をしてみることです。まず簡単なものでも良いから、自分のオリジナル曲を創ってみる。歌でもピアノの曲でも、他の楽器を使ってでも何でも良いでしょう。自発的に何かを生み出そうとすると、頭の使い方がまったく変わります。パソコンで作曲するというのもいいでしょう。作曲家の視点から音楽を見ると、すべてが変わってくることは確かです。

それから、音楽を聴くこと。それもたくさんいろんな種類のものに触れることをお勧めしたいです。今の時代、音源はいくらでも手に入ります。物質的には豊か過ぎるくらいで、逆に音楽を聴く時間がないなどという人もいるかもしれませんが、努力して良い音楽をたくさん聴く時間を見つけることです。これによって、楽器をやっている人は、必ず表現力も身についていくことにつながっていくと思います。
また、名曲と言われるものでも、複数の演奏家で同じ曲を聴いてみることもお勧めします。そして、その中から自分の好きな指揮者や演奏家を発見し、その演奏の何が自分は好きなのか、どんな表現に共感するのかを分析することも大事です。そうしていくうちに、自分の中に表現欲が生まれてきます。最初は、巨匠と言われる人の表現を真似するのも良いでしょう。これは楽器演奏の上達には欠かせません。音楽も言葉と同じように、まずは真似をしなければ身につかない部分があります。子供が親の喋る言葉を聴いて言葉を正しく身につけていくのと同じです。表現欲があっても、その表現法を知らなければ人に伝わらないのです。(つづく)

ピアノ練習のヒント : 13:33 : comments (x) : trackback (x)
ブログはこちらに移転しました!

ブログがリニューアルしました!
見かけは何も変わりませんが、ブログのアドレスが変わりました。
今後はこちらのURLになりますので、たびたび来てくださる方は変更登録していただけますと幸いです。

何が新しくなったかと言いますと、まずカテゴリを作りました。(右に"CATEGORIES"の欄があります。)
つまり、比較的これまでに反響の多かった話題、「ピアノ練習のヒント集」と「カプースチン」に関する記事を、それぞれのカテゴリを作って過去の記事を振り分けました。さらに、これまでホームページに設置していたこれら二つのページに書いた文章を、5年前の過去までさかのぼってこちらに移設しましたので、すべてまとまって読みやすくなったと思います。

ピアノの練習に関することも、カプースチンに関することも、今後はさらに「日記風」となって新しい情報を書いていけそうです。それにともなって、ホームページ内のこれら関連ページはいずれ閉じることになるかと思います。

どうぞ皆さん今後ともよろしくお願いいたします。

雑記 : 19:54 : comments (x) : trackback (x)
のぶカンタービレ!

2月下旬発売と聞いていましたので、そろそろ店頭に並ぶ時期でしょうか。
以前ブログで少し触れましたが、辻井伸行君について書かれた最新刊です。

2005年のショパンコンクールの時の出来事を追いながら、これまでの彼の約8年間の歩みが振り返られます。本の内容に私が密接に関係しているのは当然とも言えますが、ところどころ彼を引き立たせるための役割としても登場するのはご愛嬌(どうぞどうぞ(笑))。文章も全体の構成も素晴らしく仕上がっています。

ショパンコンクールの1ヵ月の間、ワルシャワであった本当の出来事や、私が実際に感じたこと考えたことがこのような形で公開されるとは考えてもいなかったのですが、飾らないありのままの本来の辻井親子の姿が読み取れるという意味では、少し貢献できたかもしれません。


きっと彼が本当の本領を発揮するのはこれからの人生においてでしょう。
今、リサイタルの全国ツアーの真っ最中です。北海道のキタラ大ホールもあるし、まだいくつもあるようです。
私の気持ちは、この本の中の最終章に書いてあるとおりですが、これからもさらに大きく大きく、立派な芸術家になってほしいと願っています。
この本は心から多くの方にお勧めしたいです。

(3/1追記:出版社の諸都合で出版が延期になり、まだ書店に出回らないようです。)

雑記 : 16:22 : comments (x) : trackback (x)
ピアノ演奏における「創造力」とは?

楽器を演奏するために「創造力」は必要なのか?という話です。

ピアノの勉強の目標は、まず楽譜に書いてあることを理解して演奏できるようになることです。演奏は再現芸術ですから、まず何もないところから音楽を生み出した作曲家がいて、そしてそれを演奏する人がいるというわけです。そうすると演奏者の創造性とは何だろうか?という素朴な疑問が沸きます。表現力の話の前に、まずこれを考えてみたいと思います。

「創造」というのはモノを生み出すことだから、作曲あるいは編曲をするというのならわかるけれども、演奏するために創造力は必要なのだろうか、と考える人はいるでしょう。でも実際、ピアノを弾けることは弾けるけれどもその内容(音楽表現)がなかなか…、と感じている学習者も多いと思います。これがピアノのレッスンの難しい部分でもあります。どうしたらもっと上手くなるか。表現は、曲をどう解釈するかだけの問題か、それとも、やはり「創造力」が何か必要なのか。演奏というのは、楽譜が読めれば音は誰でも出せてしまう、だから演奏者には作曲家と同じほどの強い音楽的欲求や感受性がなかったとしても、それなりに演奏ができてしまったりします。でも、これが良くない場合もあるわけです。やはり創造性は必要なのですね。

でも、先生には「正しく楽譜を読みなさい」とか「楽譜にもっと忠実に」とか言われると、勝手に音やリズムを変えてはいけない。一体、演奏においてどうやって創造力を発揮したら良いのか、わからなくなってしまうことがあると思います。

外国人のレッスンで、教授が生徒に「ここは自由に」という表現をすることがあります。例えばドイツ語の”Frei”(自由に)がそれにあたりますが、これは日本語の「自由に」とはちょっとニュアンスが違います。日本語で「自由に」と言うと、なんだか自分勝手にどんなふうに弾いても良いのかなと捉えてしまいがちですが、“Frei”は「制約されずに」とか「束縛されずに」というようなニュアンスが強く、「自発的に音楽を自由に操る」、「作曲家自身になった気分で」というような感じでしょうか。テンポ感を、あまり窮屈に感じてがんじがらめになってしまってはいけないという意味合いもあります。

楽譜を読むときに、「何をしてはいけないか」を考えるのではなく、「どんなふうにもできるけれどあなたはどうする?」という考え方です。この転換が創造力につながると思います。例えば、テンポルバートが可能な場所(“自由に”といわれた部分がそうでしょう)で、どのフレーズを少し先へ急ぐように弾くか、どの部分を反対に少し遅れさせるように弾くか、このセンスでさまざまに違う音楽が出来上がることでしょう。

次回は実際の表現法ということを考えてみたいと思います。

ピアノ練習のヒント : 23:18 : comments (x) : trackback (x)
入試と原稿書き上げ

更新が止まっていました。

もちろん原稿締め切りのこともありましたが、ちょうど我が大学も入試のシーズンです。
受験生も忙しいし、私も忙しいのです。
高校入試が終わったばかりで、まだ来週は大学のほうがあります。
まだまだこれからです。

それと大変な量の楽譜の編集も同時進行です。
それに関わる原稿もいろいろあって、こんなに頑張ったと思うのに(自己評価(笑))、数えてみると2万字そこそこしか書いていないのですね。やはり作家はすごいと思います。何十万字単位の文字を操っているのですから…。

とはいえ、なんとか原稿は書き上げました。それを終えないでブログ更新なんかしていると、編集者にサボっていると思われて怒られてしまってはいけませんからね。だからご無沙汰していました。
でも、1日20回もブログ更新している芸能人もいるというのだから、1日に1回更新したからって咎める人は実際には誰もいないでしょうけど…。




雑記 : 20:45 : comments (x) : trackback (x)
喜びもつかの間…

今日は、東京にも初めての本格的な雪が降りました。

と同時に、ロシアから校正楽譜がドンと届いてしまいました。


この小包にたくさん貼ってあった切手の中に、一つだけ可愛らしい雪だるまの切手が!
これを貼ったのは誰でしょう(?!)
受け取った人を喜ばせようという気持ちが入っていますね、間違いなく。
よく見ると、新年用の特別切手でした。

さて荷物の中を開けると、当然ながら校正楽譜に赤ペンで修正がたくさん入っています。


いくつかのページには、綺麗ではあるけれども解読不可能なロシア語の手書きの指示がたくさん入っており、さっそく気が遠くなってしまいました。これだから編集の仕事は先が読めない。「あと1年はかかりますな、これは…」と言いたいところですが、それを言わずに超特急で仕事をこなしていくのが私の役目です。保障はできかねますが…。まあ今日もせいぜい頑張るとしましょう。




カプースチン : 19:19 : comments (x) : trackback (x)
ドラえもんがアインシュタイン?!

「2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!」(桜井進著、ソフトバンク新書)という本を読みました。

タイトルに引かれてこの本を手にとりました。
第1章の「ドラえもんは愛くるしいアインシュタインだった!」という章タイトルからもわかるように、最先端の科学の立場から未来の科学文明のあり方について語られているのだろうと思っていましたが、大体その通りでした。いろんな角度から共感できる内容だったので紹介しておきたいと思いました。




「なぜドラえもんの話を?!」と思われるかもしれませんが、実際、私は子供のときから、ドラえもんは子供向けだけの漫画ではないと思っていましたし、もちろん愛読してもいました。この著者は数学者=物理学者でありながら、ドラえもんの何巻のどこに何の話題(出てくる道具も!)が書いてあるかをほとんどすべて記憶しているようですね(これはショパンの作品番号と曲の細部をすべて知っているよりも凄いことのような気がする…)。実は私も子供の頃はそれに近いほど詳しかった記憶がありますが(笑)、今はもちろんすっかり忘れました。でも、この本を読んだらまたドラえもんを全巻読みたくなってしまいました。

量子力学の話や科学文明の将来については以前からとても興味がありますが、科学がどんなに発達しても人類には解き明かされていない謎のほうが多いという認識で、人間の心との関係を数学者の立場で真剣に考えていることに深い共感を覚えました。実際、“心の科学”ほど難しいものはないと思うし、数学と音楽を同じだけ愛する私にとって、心の存在というものを一番大切に考える数学・物理学者がいてくださったことに感動しました。

この忙しい時期にドラえもんと科学についての本を読んでいるなんていう自分が信じられませんが、まあ本はいろんなものをいつも読んでいます。今、原稿の締切りなどがあってパニックになっているので、気分転換のためにいろんなものに手をつけてしまいます。集中を要する仕事からの反動ということもありますが、でもちゃんと仕事もしているのでご心配なく。(今日は楽譜編集のためのロシア語翻訳をなんとか終えたぞー!)




雑記 : 20:29 : comments (x) : trackback (x)
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