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「辻井伸行日本ツアー2018」明日から

先日リヴァプールから帰ってきたばかりの辻井伸行君ですが、向こうではラフマニノフの『パガニーニ狂詩曲』とグリーグの『協奏曲』でコンサートとレコーディングを終えて帰国したばかりで、もうすでに新たなリサイタル国内ツアーが明日から始まろうとしています。その間、1週間ほどしかありませんでした。

帰国後に彼と数回会いましたが、元気そのもので、いまだに時差ボケというものを経験したことがないという嘘みたいな話は本当のようです。今回はプログラム後半にカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』が初めて加わるほか、ガーシュインの『3つのプレリュード』やサティなどが並べられた珍しいタイプのプログラムだと思います。聴衆の中には、彼がこれほど幅広い守備範囲を持っていたのかと驚かれる人もいるかもしれません。

私が知っている範囲では、カプースチンの『8つのエチュード 作品40』全曲をリサイタルで弾いたという人はまだ多くないと思います。おそらくイタリアのピアニストが1人、それ以外に1~2人くらいのピアニストが世界のどこかで弾いた可能性があるという噂くらいです。とにかくこのような大きなリサイタル・ツアーのプログラムで演奏される機会としては世界で初めてなのではないでしょうか。ピアニストにとっては大きな挑戦です。

よくよく聞くと、彼の今年のスケジュールは本当に凄くて、海外との往復は今年は9回ほどあるようです。しかもそのほぼすべてがヨーロッパかアメリカです。これほど忙しいピアニストも少ないのではないでしょうか。

私は今でも彼と一緒にいると、ヴァン・クライバーン氏やマエストロ・ゲルギエフも言っていましたが、彼は本当に奇跡の人だな、とあらためて思う瞬間が多いです。今回のプログラムの準備などはもう本当に彼にしかできない芸当だと思います。もうプロ意識がすごいというか、その強靭な体力もさることながら、絶対にやり遂げる力みたいなものが凄くて、やはりエネルギーの塊の人だと思います。これは、普通に演奏だけを聴いている人にはちょっとわからない部分だと思いますが、そういう知られざる彼の力がやはり多くの人を感動させているのだと思います。

東京で聴けるのはサントリーホールで再来週ですね。2日連続の2回公演です。
私も楽しみにしています!

雑記 : 08:15 : comments (x) : trackback (x)
College(カレッジ)という語について

「カレッジ」と聞くと、日本人の耳には「大学」を意味する語に聞こえるのが普通でしょう。逆に、日本語の「大学」には、英語ではUniversityとCollegeという語が思い当たることと思います。現に、私が長年務めている東京音楽大学も英語名はTokyo College of Musicを使ってきていると思います。私自身はこれについて少し思うところがあります。

以前も少しブログに書いたことがある(2017年4月)のですが、モスクワには「モスクワ音楽院付属~」という名を冠した日本の「高等学校」に当たる音楽学校が2つあります。一つはいわゆる中央音楽学校ですが、もう一つカプースチンが通っていたと言われているほうの学校は училище ウチリッシェという語を使っているので、中央音楽学校で使われているшколаシコラとは違う語を用いて表現するために「カレッジ(College)」を使って表現する人もいます。カプースチンに関するいくつかの論文でそのようになっていますが、もちろんそのような訳語も可能かもしれません。例えば、イギリスでは私立の高校にはCollegeという語を使っている学校もありますので、大学へ入る前の学校(=高等学校)としてこの語を使っても不自然に感じない国の人たちもいると思います。イギリスでは、さらにそのCollegeには日本の中学生に当たる年齢の生徒も通える(予備スクールのように)学校もありますから、「カレッジ」に通う生徒の年齢の対象はもっと若くなります。
ちなみに、フランス語にいたってはCollège(コレージュ)は、発音は違いますが「中学校」を意味しますので、どんどん訳がわからなくなります。(ちなみにフランス語で「高校」はLycée(リセ-)。)

そのように「College」という語は、国によっては中等教育を行なう学校を指す場合もあって、必ずしも「大学」を意味する言葉には聞こえないのです。アメリカ人であれば、Collegeは単科大学、専門学校を含めて「大学」に当たる学校を意味すると思ってくれる可能性は大ですが、上記のように他の意味もたくさん含むので、国際的にはかなり曖昧な語であると言えます。
だから、例えばもし私が何も予備知識がない外国人に自分のTokyo College of Musicの名刺を出しても、東京音楽大学を知らない人はこれがどの年齢の生徒を対象とした学校で、はたして音楽大学であるのかどうかさえわからないことがあります。

ちなみに、海外の音楽学校のことを日本語では「音楽院」と呼ぶことが多いわけですが、それは「Conservatoire」「Conservatory」を訳してそう呼んでいるわけです。あるいは、カタカナでそのまま「コンセルヴァトワール」と書きたくなる人もいると思います。いわゆる音楽大学とはシステムも歴史も認識も違うので、海外の人に日本の私立の「音楽大学」のイメージはなかなかわからないのではないかと思います。ちなみに、モスクワ音楽院なども英語(フランス語)のConservatoireに当たるロシア語の単語を用いていますので、やはり「音楽院」と呼んでいます。

大学は「University」ならわかりやすいのです。あるいはコンセルヴァトワールに準じる言い方があれば音楽大学としては国際的に通じやすいと思います。東京音楽大学も歴史が古いですし、現在のように大学院も博士課程も存在しなかった時代に英語名が決められたとは思うので仕方がない部分もあるとは思うのですが、できればUniversityの語を持つほうがわかりやすいですね…。
ちなみに首都圏の他の音大では、昭和音大は英語名にUniversityを使っているようです。東京藝大ももちろんそうですね。他の音大(「洗足」や「国立」など…)はCollegeを使っているところもあるようです。

東京音大も “Tokyo University of Music”ならカッコいいと思うのですが…。
まあ、私の独り言として聞いていただければと思っています。

雑記 : 20:40 : comments (x) : trackback (x)
辻井伸行~リヴァプールから

イギリスのリヴァプールから連絡が入りました。
本日の現地時間14:30開演の辻井伸行君が演奏するコンサートがライヴ・ストリーミングで聴けるそうです。演奏はロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー、指揮はヴァシリー・ペトレンコです。

◯本日の演奏曲目は以下です。
ウォルトン:パルティータ
グリーグ:ピアノ協奏曲(ピアノ:辻井伸行)
チャイコフスキー:交響曲第4番


以下、オーケストラのホームページ、およびClassicFMのFacebookで聴けるということです。日本時間では本日23:30からとなります。ライヴ・ストリーミング(ビデオ)で、ライヴ後も数日間(?)はオンデマンドで聴けるようです。
http://www.liverpoolphil.com/live-streamed-concerts
https://www.facebook.com/ClassicFM/videos/10156265166064260/

今日のコンサートで辻井君が演奏する曲はグリーグの協奏曲ですが、実は彼は今回初のレパートリーとしてラフマニノフの『パガニーニ狂詩曲』も演奏しているはずです。この『パガニーニ』は、あの「第18変奏」だけはとても有名で彼も自分自身のアレンジで弾いていたと思いますが、今回は演奏会のために彼は全曲をマスターしました。この曲は実はかなり長い曲で、難曲の一つと言っても良いものです。

数日後にリヴァプールから帰ってきたら、彼はすぐに日本の全国ツアーが始まります。今回のリサイタルではカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』全曲が入っているだけでも凄いと思うのですが、前半が名曲のオンパレードである上に、後半にはカプースチンのほかにガーシュインとサティが3曲ずつ含まれ、リサイタル・ツアーの曲目としては今ままでで一番盛りだくさんなのではないでしょうか。これらを短期間にレパートリーとしてこなすだけでも大変だということは誰でも想像できると思いますが、それ以上に彼は本当に忙しく、今年はヨーロッパあるいはアメリカと日本との往復が少なくとも5回くらいはあるのではないかと思います。

超人といえば超人的なスケジュールだと思います。
なぜか彼のスケジュールに感化されて、私は自分に「体力をもっと鍛えろ!」と気を引き締め直しているところです。(笑)

雑記 : 08:58 : comments (x) : trackback (x)
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