このところカプースチンの話題が続きます。
というのも最近カプースチンにまつわる重要なトピックが多いので…。
昨日と今日、角野隼斗さんが2日連続で東京交響楽団の定期演奏会でソリストとしてカプースチンの『ピアノ協奏曲第4番』を弾きました。
私はまた東京交響楽団さんからプログラムの曲目解説を依頼されたこともあり、初日となる昨日のサントリーホールのほうへ聴きに行くことができました。(今日はミューザ川崎で公演)

プログラムの前半で角野さんの今回初となるピアノとオーケストラの自作品の初演、そしてカプースチンの協奏曲が演奏されました。自作の初演も前々から話題になっていたのと、もちろんカプースチンのこの協奏曲も初めての披露ということでチケットは完売だったようです。
カプースチンの『8つの演奏会用エチュード』はもちろん彼の得意とするレパートリーで、その演奏は多くの人たちに影響を与えてきたと思います。今でもアンコールでよく弾いていますが、コンチェルトを弾く機会はそれほど多くなかったようです。その意味で、前回の第2番に続いて今回の第4番を聴けるのは珍しい機会だったかもしれません。
彼は全体的に軽快なテンポで颯爽とした感じで弾いていましたが、初めてこの曲を演奏しているとは思えないほど曲を弾きこんでいる印象を受けました。この曲はドラムセットを除けば弦楽5部以外には木管楽器が3本のみという破格の編成ですが、カプースチンの協奏曲の中では音自体はクラシカルな響きを持つ曲(従来のピアノ協奏曲のイメージ)です。弦楽器の編成を最低限の数に抑えているように見えましたが、オケか指揮者の判断かわかりませんがそれもさすがです。そのほうがソロピアノにとってもおそらく理想的だし、響きのバランスも作りやすいです。大ホールではどうしてもピアノが聞こえなくなりがちです。ピアノがあまりに簡単そうに弾いているように見えたので、曲のワクワク感はもちろんあったものの、あの曲がとても難しく意外に緻密に書かれた構成の曲だということも一回の演奏ではわからなかった人もいるかもしれません。それはまた録音などであの曲の魅力をぜひ堪能していただきたいと思います。

終演後には運良く楽屋を訪ねることができて、ほかにほとんど誰もいなかったので久しぶりに彼とゆっくりお喋りすることができました。プログラム後半の1時間も続くベルリオーズの『幻想交響曲』を聴いた後だったので半ば諦めかけていたのですが、濃密な時間を過ごさせてもらえたのは稀有な機会だったかもしれません。
もう彼はあまりに多方面に活躍中で、もうその忙しさは私には推し量ることができません。でもカプースチンはぜひまた今後もたくさん演奏してください!