なんだか最近はすごい能力を持っている(と感じられる)小学生や中学生に出会うことが多くなってきました。私の場合はあくまでもピアノの世界だけの話ではありますが、これまでの常識では考えられないほどパワフルなエネルギーに満ちた若年のピアノ弾きたちが増えたと思います。時代の流れですね。
例えば今の時代は私が生まれた世代と比べて何が違うかというと、彼らには生まれた時からすでに確立されたジャズが存在しています。あるいは生まれた頃にはすでにカプースチンは有名だった(笑)とか。あるいは、自分に自信さえあればピアノ演奏を簡単に人に披露できる場が存在する(ストリートピアノの普及、Youtubeやインスタグラムでの発信など)とか。
もちろんコンクールをきっかけにして世に出てくる音楽家ももちろんいますが、それ以外にも有名になったり人に知られたりする方法はかなり増えたと思います。つまり客観的に見て人が公の場で活動できる形態が増えたことは確かです。そしてクリエイティブな活動が増えました。
もちろん一番大事な論点はピアノの上達のプロセスです。これについても今は明らかに以前とは違う有利な点があると思います。まず「音楽を手に入れる方法が楽になった」ということが一つでしょう。音楽を聴くだけ、知るだけなら必ずしもCDを買う必要はない。お金をあまりかけなくてもあらゆる音楽へのアクセスが可能になったことは若い人たちにとっては福音です。音源や楽譜へのアクセスが容易になった。出版されていない楽譜でも、Youtubeの動画の中に楽譜がパラパラと存在すればそれを力づくでダウンロードする若者もいます。そしてまたそれを演奏している姿を見て、「そんなことができるんだ!」と感化されてそれに次に続く小学生が現れる、というような循環です。ものすごいモチベーションの連鎖になります。これは確かに上達には大いなるプラス要因でしょう。
また人との繋がりもその気になれば以前より容易になったと言えます。そしてそれによってチャンスも増える。ピアノの練習においては、現在では専門的なレベルで的確に教えてくれる先生との出会いが容易になったと言えます。そして自分と近い世界に生きていて刺激を与え合える仲間に出会うことも可能になった。あるいはその反対に、やはり動画などを利用して独学で勉強できる部分も大きくなっていると思います。どちらにしてももちろん情報のスピードは早いです。
そのようなことがすべて組み合わさって、ピアノにおいても腕前がものすごく早く磨かれていく子供たちが増えているのかもしれません。もちろん技術的な面や音楽知識においては、年齢を重ねなければ追いつかない面はあるでしょう。でも一時的に大人の人を唸らせるレベルで演奏することは可能になっている状況です。もっと専門的に勉強している音楽大学の学生より人気を持っていってしまっている子供もいます。時間を効率よく短縮できる時代なのです。だから早く身につくのでしょう。
クラシック音楽には専門的に学ばなければいけない必須要件もたくさんあります。それは本当に有用な知識やスキルとなりますが、それだけではプロの演奏家として成功の道を開くことができない、という人も多いと思います。専門性ももちろん大事ですが、特に今の時代は幅広く新しい知識やスキルをどんどん身につけていかなければ遅れてしまうことでしょう。一つのこと(専門)だけをゆっくりやっていてはダメかもしれません。何かを納得いくまで極めるという姿勢も大事ですが、とにかく時代の流れを見ながらタイムリーに方向転換をするという行動も必要かもしれません。そして少しでも早くアクションを起こすことが大切でしょう。