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フランク・デュプレーの新譜CDボックスセット(4枚組)が11月にリリース!


数年前から精力的にカプースチンを演奏・録音してフランク・デュプレーについては、ブログでもずっと紹介してきました。(このブログでは「デュプレ」と書いていましたが、今回新たなCDボックスセットのリリース情報が出たのをきっかけに「デュプレー」に表記を変更したいと思います。)

いち早く日本のカプースチン仲間の一人がこのCDリリース情報公開について知らせてくれましたので、以下にリンクしておきます。
https://www.hmv.co.jp/en/news/article/260909144

このリリース情報の告知どおり、フランク・デュプレーによるカプースチンの4枚組のCDがリリースされます。カプースチンの6曲のピアノ協奏曲の中で最も演奏の実現が困難だったと思われる『第3番』と、改訂バージョンの『第1番』が新たに録音されたCDが出ますが、これはこれまでにデュプレーが出してきたカプースチンのCDの5枚目に当たります。と同時に6曲すべての『ピアノ協奏曲』の録音がここに完成し、記念すべきこのタイミングでCD4枚からなるボックスセットが同時発売になるというわけです。ボックスセットではCD5枚分の中から4枚に集約されるわけです。
11月6日には日本でもリリースすることが告知され、このボックスセットの国内仕様盤の解説は私が書きます。現在鋭意執筆中ですが、ブログではおそらく解説には書かないであろう事柄や裏話などを書いていきたいと思っています。

今やピアニストで指揮者としても知られるフランク・デュプレーは3歳でドラム(パーカッション)を叩き始め、5歳でピアノを習い始めます。どちらの楽器でも存在するあらゆる広いジャンルの音楽を勉強し、ものすごい速度でそれを吸収して学んでいったようです。また早い段階で作曲もやり始め、それよりも前からジャズにも興味を持っており、そして音楽大学ではピアノだけではなく指揮も専攻するというマルチな能力を持ったアーティストです。
彼曰く、舞台でソロを弾くのは好きではなく(必要とする集中力や緊張感が大きすぎるので!)、できれば複数の奏者で演奏するのが好きで、共演者は多ければ多いほど嬉しいということも言っていました。だからこのボックスセットに収録された曲はすべて(!)がアンサンブル作品なのです。結果、非常に興味深く充実した選曲となりましたが、これはきっと彼にしかできなかったことでしょう。実際にこれを実現したのは素晴らしい快挙だと思います。

余談になりますが、彼は当初はカプースチンの『ピアノ協奏曲第1番』の楽譜はもう入手できないと諦めていて、ピアノ協奏曲は「5曲でコンプリート」だと思い込んでいました。そんな時にちょうどドイツへ行った私と会って話をしている中で、いやいや第1番は2012年に作曲者本人によって改訂されてちゃんとスコアも残されていますよ、ということを教えてあげたのです。彼はとても驚いていましたが、その瞬間に彼は心の中で「よし、全6曲を絶対に録音しよう!」と決心したと思います。
さらにその後、カプースチン自身がビッグバンドの中で演奏している『トッカータ Op.8』の演奏がYoutubeで観られますが、あの演奏は皆が知っているのは完全版ではなく実はカットバージョンで、出版社が所持していた自筆譜を掘り起こして調べてみると、実際にはその倍も長さがある楽曲だったことを知ったのです。そしてその作品も完全版が世界で初めて演奏されて録音されましたが、それらすべてのことが信じられないほどの速度で行われ、奇跡的と言って良いくらいに内容の充実した録音が今回世に出ることになります。カプースチン・ファンならずとも、ピアノ音楽やジャズ寄りのシンフォニックな音楽、またクラシック音楽全般に興味・関心のある方にも必須のアイテムと言って良いのではないでしょうか。


【Frank Dupreeの名前の表記についての少々長い説明】
私がずっと「フランク・デュプレ」と表記していたのには実は理由があります。私は彼との会話はもっぱらドイツ語なのですが、実は彼本人に名前の正しい発音を訊いたことがありました。というのは、だんだん日本でも彼の存在が知られるようになっていて、「デュプリー」などいくつかの表記が見られるので本人に正しい発音を聞きたかったからです。その時、彼は「デュプレですよ」と言っていましたが、実はこの名前はフランスにはよく見られ、私はおそらく「レ」はフランス語ならDupréとなりアクセントは短く発音されるというイメージを持っていました。おそらくそうだろうと思うのですが、実は欧米の人が発音するアクセントは長音であるか短音であるかについては聞き取れない、あるいは日本語のカタカナ表記とは一致しないという問題があります。しかも「デュプレ」の「レ」にアクセントがくることは間違いないのですが、ドイツ人がフランス語風にこの名前を発音すると「レ」の音を必要以上に伸ばしてしまう傾向があるので、それによって余計にわからなくなってしまうのです。しかもデュプレ本人が英語で喋っている動画では、自分のことを「フランク・デュプリーです」などと言っているので、より英語に親しみを感じる日本人は「デュプリー」とか「ドゥプリー」などと呼びたくなるかもしれません。
ただ、やはり原語読みで紹介すべきということと、ドイツ人的な発音をも尊重してCD解説中でも「デュプレー」に統一することにしました。そういうことで輸入元のNaxosさんとも意見が一致しました。私のブログでもおそらくそうなるかと思います。よろしくお願いします。(長くなってしまいすみません。)

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