ブダペストのフランツ・リスト記念館は、現在リスト旧アカデミー(音楽院)となっていますが、リストが住んでいた場所として歴史的に貴重な場所です。
リストは、晩年の15年ほどはドイツのワイマールとイタリアのローマ、そしてここハンガリーのブダペストという3箇所を1年間に住み分けるという生活をしていました。この記念館は、彼がブダペストに滞在している時に住んでいた所で、なんとここには彼が実際に使っていたピアノや家具、そして彼の蔵書までもがそのまま保管されているのです!
現代のピアニストたちにとっては非常に貴重な資料が山のようにありました。一室には彼が使っていた2台のピアノも置いてあり、リストはこのピアノでこの部屋で彼の弟子たちにレッスンをしていたわけです。コンチェルトのレッスンの時には、リストがオーケストラパートを伴奏していたと言います。そんなピアノが普通に置いてあるわけです。
1台はベーゼンドルファー(左)でリストが練習用に使っていたほうと言われていて、もう1台のチッカリング(右)はちょうどこの部屋の左に隣接するコンサートホールに持ち込んで、彼や弟子たちが実際にコンサートを行なう際に使っていたピアノだということです。
そしてなんとリストが弾いたというこのホールで(!)、今回一緒にここを訪れた東京音大のピアノ科学生たちは交歓演奏会をさせていただくことができたのでした。リストの作品を弾いた人もいます。
なんと光栄なことでしょうか。