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カプースチン普及の速度


今年に入ってから、私が「さて今後はどっちの方向に向かうのだろう??」と思っていたことの一つが、実はカプースチンの活動に関することでした。昨年(2025年)がいろんな意味で区切りの年で、特にカプースチンの普及活動ということに関してはこれまで長くいろいろやって来て、「これでとりあえず一段落かな?」などとも思っていました。

目下現在進行形の状況としては、カプースチンで大きな話題を取っているピアニストとしては辻井伸行と角野隼斗の二人を挙げたいですが、海外アーティストを含めるとあとはもちろんフランク・デュプレです。
ただ一般的に見て、もうカプースチンの音楽はとても多くの人たちが演奏しています。ただ世界的に見てもやはり日本での演奏機会は特に多い印象で、話題としてもものすごく多くの人が取り上げるようになってきました。エチュードなどお馴染みの曲はおそらくどこでも聴けるようになりましたし、比較的珍しい作品の演奏もときどき見かけます。カプースチンだからと言って、そのすべてを追うことはもう私にもすでに不可能です。アレンジで演奏されるケースもけっこうあるようです。もうここまで普及すれば、この先は一直線でもっと広まっていくことでしょう。ニコライ・メトネルのように、ある時は多くの人によって演奏されると思えば、なぜか次の瞬間には「忘れられたのではないか」と思われるほど誰にも演奏されない時期があったり…などということはカプースチンには起きないことと思います。

あえて私の見解を言えば、カプースチンにはあまり演奏されないために知られていない作品が多くあるというだけではなく、それらの知られざる作品には演奏する価値や研究する価値が実際に高いと思われるものがたくさんあるのです!
最近私のブログは海外の人にも多く読まれるようになっているようなのですが(最近の翻訳機能の向上にも関係がある?)、それはどうやらカプースチンのトピックに興味を持たれているケースが多いようです。そのため逆に私にも海外のカプースチン関連情報がいろいろと入ってきます。直接アクセスをしてくれる方もけっこういるのです。日本からのカプースチン情報がようやく世界にも届き始めていると感じているところですが、その中には私が録音した8枚分のCD音源のいくつかを知って(聴いて)いて、その価値を少しずつ感じ取ってくれている人もいるようです。

例えばまだ私のCDでしか聴けないような珍しいピアノソナタの音源がいくつかあります。第13番などもまだ演奏機会は少ないでしょうし、第8番や第19番などの録音は自分でも満足度の非常に高い音源です。ピアノソロの小品にいたっては、私が世界初演(or世界初録音)した後に、なんとまだ一度も公の場で演奏されていないと思われる作品がたくさんあります。
特に聴いてほしい作品は、タイトルは省略しますが作品番号で71、73、92、113、114、128、133、137、138、149、152、153などです。どれも素晴らしい作品ですが、ほとんどまだ誰にも弾かれていないものです。(そういえば、昔ある時カプースチンが私にメールで「まだ私の作品で演奏されていないものはこんなにあるのだよ…」と書いてきて、タイトルなしで作品番号の数字だけを上のようにざーっと並べて書いてきた、というのを思い出しました。彼の作品の番号を全部暗記しているのは作曲者本人以外には私くらいでしたので。(笑))

カプースチン作品は、現在ではもうほぼすべての作品が一度は演奏されており、これ以上「世界初演」と銘打って演奏できる作品がない状況になりました。そんなこんなで私の当初の目的は果たせたので、これでもうカプースチン普及の活動はいったん終わるかと思いきや…、今にわかにまたカプースチンに関するニーズが押し寄せてきています。物事は予想とは違う方向に進むものなのです。

ということで、今年はカプースチンを静かに続けていこうかという予定だったのですが、実際には世界初のカプースチンのマスタークラス(!)が開催されたり、カプースチンを演奏する機会が意外に途切れそうもなかったり、また新たなカプースチンのイベントの企画を立ち上げるような流れにもなってきています。

あと8月には東京交響楽団の定期演奏会でカプースチンの4番のコンチェルトが角野隼斗さんによって演奏されますね。それも楽しみにしているところです。

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