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「翻訳機能」について思うこと


私のブログは最近はどうやら海外の人たちにも読まれているようなのですが、文章は日本語で書かれていますから彼らはおそらく翻訳機能などを使って各国語、あるいは英語に翻訳して読んでいるのだろうと推測します。私のサイトでは現在Google翻訳で英語にはすぐ変換されるようにしていますが、はたして私の日本語の文章がどれほど正しく翻訳されているのかは少々心配なところがあります。

というか、これらの翻訳機能は便利な部分はあるものの、そのままではほぼ使えないレベルだと感じることが多いです。例えば昨日投稿したブログの文章をそのままGoogle翻訳にかけてみたのですが、英語でもかなり意味が正確に通るように感じる部分もあれば、全然ニュアンスが伝わっていないどころか翻訳が完全に間違っている部分もけっこうありました。そしてそれは特に本心を伝えたいと思う重要な部分に生じることが多いのです(笑)。

例えば、私はカプースチンのほぼすべての楽譜の「編集に携わってきた」と書きましたが、その部分が英語では「reviewed」と訳されていて、それだと「出版されてから目を通した」くらいの意味にしかならないのです。そう訳されてしまった理由は、まさに私が日本語で「目を通した」と書いたからではあるのですが、それがもし日本人なら文脈から見て「編集や校訂」に携わったということが分かると思うのです。出版社と一緒に仕事をしたのですから、これは大きな違いです。このあたりが微妙なところで、機械翻訳では真意が反映されないことがあるのです。また他の箇所でもニュアンスがちゃんと伝わっていない箇所がたくさんあることはあります。おそらく全体の内容を自動翻訳でどのくらい正しく知ることができるかと問われれば、大体50%くらいしか役に立っていないのではないかと個人的には感じます。自分としてはそれほど変わった日本語の言い回しをしているわけではないと思うのですが、前後の文脈を含むニュアンスとか、日本語特有の「謙虚さ」のようなものなどはAI翻訳ではまだ無理があるということでしょう。

ちなみに上の同じ文章をDeepl翻訳にかけて英訳してみるとまた違った文章になります。Deeplのほうがより精鋭な翻訳というか、クリアで細かいところまではっきりした表現に変換されている印象があります。ただ英語になると「そこまで私ははっきり言ってないでしょうが(笑)」というような箇所もあって、もちろん見事な翻訳だと感心できる部分も多いのですが、やはり日本語の文脈を正しく読み取った上でのニュアンスにはなっていない箇所もあり、誤訳と言って良い部分がどうしても出てきます。

ということで、正しく発信したいならもう英語なら英語で書くしかないのですが、そうすると今度は日本語の読者が原文をそのまま読んでくれなくてGoogle翻訳にかけて日本語で読むのだろうな(笑)と思うのでどうにもなりません。ただ思うのは、AIがここまで発達したことで、外国語の勉強は逆に今の時代すごく重要になってきているように思います。確かにAI翻訳には便利な部分もあるので、そのような特性や限界をちゃんと理解して使うのは問題ないと思います。私自身もよく使うことは使います。ただその場合も、自分の語学力と知識で100%理解できない箇所については一語たりともコピペしないようには気をつけています。

世界に発信したい内容があるのであれば、いろんな言語(原語)をできるだけ深く理解して、さまざまな媒体を使って誤解が生じないように発信していくしかないなとつくづく思います。(あるいはAI翻訳に誤解されづらい文章を書くという手もありますが。でもそれだと日本語の言い回しが面白くなくなってしまいますからね…。)

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