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“語学の勉強”と“ピアノの練習”の関係

 このページは、『演奏のためのヒント』という名前ですが、今までのところ、『練習のためのヒント』に近い内容ばかりを書いているような気がします。いずれ、ちゃんとした演奏論を書かなければいけませんね。(^_^;)

 今日は外国語の勉強法との関係です。これはピアノの練習論ととても近いところにあると思うので、以前も書いたけれども少し考えてみたいと思います。英語の勉強で苦労している人は多いことと思いますから、皆さんも何か感じることがあるかもしれません。理想的な語学の習得法はないものかと、自分もけっこう時間をかけて考えてきましたが、外国語というものも工夫をすればなんとか独学できるもののように感じます。実際の手順はいろいろあるかと思いますが、一番重要なコツを一つだけ挙げるとすれば、「その時の自分の力より少しだけレヴェルの高い教材を使って勉強する」ということです。例えば、その言語で本や文章を読むなら、自分の知らない単語が適度に混じっているようなものを読むということ。新聞や興味の薄い本には、自分には難しすぎる単語が多かったりします。また、書いた人が凝った単語を多く使っていたり、専門用語ばかりが多いものもあります。反対に、初学者用に書かれたものは自分には簡単すぎると思われる教材もあります。どちらも不適当で、できれば自分に少しだけ難しいと感じるけれども、少し努力すれば読めるというもの、また、あまり努力せずとも興味を持って読める内容で、しかも簡単すぎないものを探すということです。これは、実はピアノの練習も同じで、突然難しい曲をやっても挫折するのと同じです。自分にとって、少しだけ挑戦かなと思われるものを常に選んでやっていけば、気がついたら信じられないほど高度な曲まで手が出るようになっていくわけです。

 外国語を独学する場合は、もちろんまず入門書を買うことから始まります。そしてこれはどの外国語にも言えますが、まず発音記号を正しく覚えることが私には最短のように思われます。そうすればどの単語も読めるようになりますから、あとは文法書と本などでどんどん勉強していくのです。発音はしゃべるためには絶対に必要なものですが、けっこう軽視している人も多いような気がします。ある外国語に特有の発音記号というのもありますが、それを完全に正しく理解して覚えることが大切で、もし自信がなければ、自分の耳が正しいかどうかを、ラジオ・テレビ・CDなどでネイティブの発音を聞いて常にチェックすれば良いのです。そして文法をマスターして、実際の例文を多く記憶していくことです。音楽も同じですが、楽譜の読み方の決まりがわかりさえすれば、誰でもその曲が弾けるのです。これが、基礎力というものの持つ効果です。物事を正しく理解して応用していくには、「基礎力」が本当に大切だと思います。あと大事なのは、「繰り返し」の効果でしょう。ピアノも語学の勉強も、常に繰り返してやっていないと一定の効果が出ない、という共通点があります。何日も、何ヶ月もかかるのです。それだけやって初めて、自分でもようやく成長を感じたりすることができるのですね。気の長い話ですが、実際そのとおりなのです。いかにも途中で挫折しやすいということでも共通しています。しかも、ピアノも語学も、せっかく長い間続けてやっても3日休めばただの人…とは言いませんが、そう言いたくなるくらい、一度身につけた技を確保し続けるのは努力を伴なうことなのです。

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