イタリア行きが近くなってきました。
今年の夏のペルージャ音楽祭にも招待されています。夏休みの過ごし方をどうしようかと思っていたのですが、今回も音大の学生をはじめ数人の生徒を連れて行ってくることにしました。
この国際的なペルージャ音楽セミナーの内容の濃さはすごいものがあります。アメリカやヨーロッパ、アジアなど世界中から約100人の音楽家の卵(年齢は13~26才くらいが中心)たちが集まり、教授陣はアメリカ大陸から来る人が一番多いですが、今回は特にロシア系も多いように見えます。
約2週間余りの間、ほぼ毎日コンサートが一日に夕方と夜の2回ペースで行われます。これは参加者たち自身が演奏するもの(生徒も先生も)です。お客さんは外から集まってくるのです。そして、生徒たちもコンチェルトを希望者は全員が弾くことになっているので、オーケストラは大忙しなのです。
今回はお祭り企画もあり、セルゲイ・ババヤンが指揮をするガラ・コンサートで教授陣の先生方がリレーのようにコンチェルトを弾くという企画もあります。場所はミラノのスカラ座みたいなゴージャズな場所で、そこで私が弾くことになっているのはたぶんモーツァルトなのですが、そのほかにマスターシリーズということで、ハーフリサイタル形式の演奏会もあるのです。そこでは久しぶりにバラキレフのソナタ全楽章とカプースチンを何か弾こうと思っています。きっとロシア人も選ばないであろう選曲ではあります。
もちろんセミナー参加の生徒たちは、多い人でコンチェルトを入れて3~4回も本番を経験することになります。レッスンは毎日(!)ありますし、入れ替わりでほぼすべての先生の指導が受けられるというのも充実しています。ピアノの先生は多国籍で14人ほど集まるはずです。それでも先生陣もかなり大変ではあるのですが、タフな人が多いのでみんな楽しそうにやっているのです。
今回は横山幸雄氏も生徒をたくさん連れてくるらしいということで、日本人勢の割合が昨年に比べれば少し多くなるかもしれません。
このセミナーに参加できるメリットははっきり言って大きいです。
まず、交通費と滞在費以外にはほとんどお金がかからないということ。つまり講習費として考えるとほとんどゼロ。レッスンは毎日、コンサート出演たくさん、コンチェルトも弾ける、世界中に友達できる…という具合で、そのための費用はタダと言ってもいい破格なものです。ただ、現在は参加者の人数の関係で、招聘されている教授陣のお弟子さんだけで一杯です。それでも昨年参加して今年も参加するという人はほぼ数人、それ以外の80~90人は初参加ということのようですから、世界中にプロを目指すピアニストの卵たちの何と多いことか、と驚いてしまいます。日本の学生としては、おそらく日本にいたのでは絶対に経験できないようなものすごい良い刺激をたくさん受けます。
この音楽祭の期間、ずっと音楽三昧の毎日を過ごすのですが、ヨーロッパでは良い音楽をする音楽家たちが集まるので、どの演奏者にも表現力があり、演奏を聴いていてとても心地良くなるのです。「音楽ってこんなに良いものだったかな」と思う瞬間はいつもヨーロッパにいる時なのです。
さらにペルージャはイタリアなのに「涼しい」というのが何とも言えない喜び。ちょうど今日の東京みたいな気温です。それにしても、東京の昨日の異常な暑さと今日との温度差は一体どうしたわけでしょうか。昨日の暑さは本当にすごかったです。
これがノーマルなイタリアのアイス屋
イタリアにはこんなアイス屋もあります。
今年もちょっと楽しみです。