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ピアノ演奏に必要なのはスケールとアルペジオ?


ピアノをやっている学生なら誰でもスケール(音階)とアルペジオ(分散和音)の練習をしたことはあるでしょう。はっきり言えば、この二つのテクニックは基本中の基本でありながら、最後まで重要になってくる技術でとても奥が深いものです。どんな簡単な曲を弾く場合にも、あるいは逆に難曲に挑戦する場合も必要になるものです。

スケールもアルペジオも24のすべての長短調をきれいに弾けなければいけないので、具体的に言えばハノンでは39番と41番の練習曲になりますが、ピアノを本気でやっている中高生以上はこれを毎日弾いても良いと思います。効果は絶大です。私ですら今でも指を整えるために必要な時は毎日弾いています。

ピアノ科の音大生でも意外にスケールやアルペジオが苦手という人は多く、聞いてみるとハノンのスケールとアルペジオは弾いていないと言う学生が多い(ほとんど全員だったりする?!笑)のに驚いたりします。1回くらいは譜読みをしたけどその後弾いていないとか。私から見れば、曲が弾けない理由がそれだけでわかってしまう気もするのですが、ある曲の部分練習をいくら重ねてもスケールとアルペジオが全調ちゃんと弾ける手でなければピアノを弾いても楽しくないのでは?と思ってしまいます。決してバリバリと大きな音で速いテンポで弾くのではなく、「テクニックを整えるため」に毎日でも弾くべきだと思うのです。音階ではすべての調において親指の使い方が変わってくるので、これを体得しておくとどんなパッセージでも応用が利くようになって何でも弾けるようになります。

あえて言えば、このスケールとアルペジオに加えてオクターヴ(ハノンで言えば51番or53番)もとても重要で、もしハノン全60曲の中から必要最小限を取り出すとすれば39,41,51の3曲に限ります。他の練習曲は言ってみればさらに細分化したテクニックを身につけるためのものであって、超重要なのはとにかくこの3つです。これだけでハノンの効用の8~9割は得られると思います。

これを自分なりにアレンジして続けることで、みるみる手ごたえが感じられれば正しい練習をしていることになります。もし4~5日続けても手に何の変化も現れないように感じるならば、少しやり方がまずいのかもしれません。まずは良い弾き方を教わるべきかと思います。チェックすべきはもちろん正しい指番号で弾くことは必須ですが、それに加えて「指の使い方」(力をかける、抜くの技術)と「手首の正しい位置」です。

多くのピアニストがスケールとアルペジオをどのように毎日練習しているか、あるいはほとんどやっていないのか(?)、についてはとても興味がありますが、皆さんそれぞれ自分なりに何らかの手の整え方を身につけているのではないかと推察しています。

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