昨日、無事に帰国しました。
私が連れて行った学生たちも、皆ペルージャでの充実した2週間の経験を経て日本に帰ってきました。
最終日には、この音楽祭の創立者でもありピアニストのIlana Vered先生が、参加した学生たち全員を集めて、総括的にお話をしてくれました。音楽学生に向けて、今回のセミナーでレッスンをして学生たちに必要だと思われた演奏や表現上の話も少しはありましたが、それよりも音楽をする喜びやその素晴らしさ、それから何よりも現実的に音楽家としてキャリアを築いていくということ、そのために必要な考え方や行動力、自分のキャリアは自分で作っていく必要があるということを力説していました。他の人と同じ成功を求めてはいけない。けれども、ただ自分を磨いて何かを待っているだけでもいけない。自分独自の成功、自分にふさわしい活動や成功というものがある、それを自分自身でプロデュースしていくことが大切だといういうこと。
Ilana先生も、現在でも実際にバリバリに演奏されていますし、本当にあれだけのキャリアを持っていてそれを今も維持していっているのは凄いと思いました。また、音楽家は仲間たちとのつながりも非常に重要だということも言っていました。その言葉から、音楽家としての誇りを感じましたし、生涯にわたって音楽を素晴らしい価値のあるものとして自分の行動で発信し続けていくという態度が素晴らしいと思います。その価値をおそらく学生たちが本当の意味で悟るのはもう少し後のことになるかもしれないとは思いましたが。
この音楽祭に参加した人たちは、特別な経験をしたことと思います。Ilana先生が「魔法のような」とも形容したこの音楽祭では、普通の生活から見たら考えられない感動的なことがたくさんありました。

