ワルシャワではショパンコンクール2015がついに始まりましたが、結局私は日本で忙しすぎるので今回は遠くから見守ることになりそうです。
ここのところ、自分が外国へ行くよりも日本に来る外国人のお客さんのお世話が多いです。
3日前には東京音大の授業にペルージャ音楽祭でもお世話になった女流ピアニストIlana Vered(イラーナ・ヴェレッド)さんを迎えて、ミニリサイタルとマスタークラス(公開レッスン)をやっていただきました。リサイタル(ショパン、メンデルスゾーン、バッハ、ラヴェル)も素晴らしかったし、公開レッスンは私が通訳をすることになりましたが、内容も素晴らしいものだったので良かったです。
実は長い間、自分的には大学の授業での通訳などはもう引き受けないことにしていたのですが、今年は5月にドイツのハノーファーからのゲツケ先生の通訳もやったし、10年ぶりくらいに公開レッスンや公開講座の通訳を再開しました。というか、自分が多くの学生たちの役に立つのなら、たまには引き受けても良いかなという考え方に変わってきました。
彼女が日本に来られるのは本当に珍しいことだと思うので、その日は夕食にもお誘いしました。
数えてみればPerugiaではもう4回も会っていましたが、Ilanaさん夫妻とこんなにゆっくり話をしたのは初めてだったかもしれません。彼女は80年代頃にはよく日本にも来て、N響などと公演をしていたこともあったのです。全国ツアーをしたこともあるそうです。銀座のホテルから渋谷のNHKまでボディガード付きのタクシーで移動していたとか。日本の聴衆は静かというか、拍手も弱いし熱狂もしないので、その日本人メンタリティを知ってはいても演奏後に拍手がパラパラとしか聞こえないと今でもショックを受けるそうです。先日東京音大で彼女が弾いた時には聴衆は学生たちしか聴いていないはずだったのに、演奏後に後ろから「ブラヴォー!」と叫ぶのが聞こえてきました。これにはIlanaさんも嬉しかったようです。(あれは誰だったのだろう??)