カプースチンに、「易しいものを書いてほしい」という要望は少しわがままかもしれませんが、「手の大きさを考えてほしい」ということは言えるかもしれませんね。
カプースチンは、日本人の平均的な手の大きさを知っているようでいて、実はまだきちんと把握していないのです。
「じゃあ、日本人はあのスクリャービンのOp.65-1のエチュード(“9度”のエチュード!)は弾けないのかなあ…」などと今ごろ言っているのですから…。少なくとも私は、まだ日本人であのエチュードを弾いたのを見たことがありません。そのように伝えました。
また、私は白鍵だけの10度はかろうじて届くことがあるけど、短10度でも黒鍵が入ると届かないのだと言うと、「じゃあ、私の曲には“C-G-d-e”などという音程がよく出てくるけど、そういう音程よりも“C-es”,“ Cis-e”の方が難しいのかな?」などと訊くのですね。その通りです。
届いてしまう人にはやっぱりわからないのでしょうね…。