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本の理想的な読み方とは


音楽を勉強している人が、例えばもっと教養を身につけたいと思って本を読もうと思ったとして、さて一体何を読んだら良いでしょうか。またどんな本を買うべきでしょうか。今はCDも買わない人が多くなりましたから、ひょっとしたら本も他の媒体で代用しようと考える人もるかもしれません。特に若者はお金の問題もあるのでますますそう考える傾向があるでしょうか。ただ、図書館などを利用する手はいろいろあると思います。

昨日のブログに書いたピアニストのSteven Spoonerさんがフランツ・リストへの思い入れを熱く語っていたのを動画で観て、私も「やはりリストについてもっと知らなければ!」とあらためて感化されました。もちろん日頃からいろんな作曲家について勉強する機会は多いのですが、ときどき集中して体系的に読みたくなることがあります。それで大学の図書館であらためてリストに関する重要だと思われる洋書を3冊ほど借りて読み始めました。ところがこの忙しいスケジュールの中で、それらの本はほとんど読まずに全部返してしまうことになりました。興味があったにもかかわらず読めなかったのです。なぜかと言えば、やはり他にやらなくてはいけないことが多いことと、それによほど今現在リストの研究に打ち込んでいる時期であるとか、リストに特化した演奏会のために今はできればリスト漬けになりたいとか、そのような特別な動機づけがなければ無理だということです。これがもしカプースチンの本だったら分厚い本でも何回も読めたりするのですが。(笑)

この一件でわかることは、あまり読書習慣がない人も同じだと思いますが、やはり自分がすごく興味を持つもの、どんなに忙しくても隙間時間を利用してでももう面白くて最後まで読まずにはいられない、というくらい自分が虜になる対象から読むべきと思います。これは人によって興味の対象はいろいろ違うと思います。やはり自分が本当に好きだと思うものや興味を強く惹かれるものを探すべきでしょう。時間や気持ちに余裕がある時期なら、単に人から勧められたものなども読んで良いと思うし、あるいはずっと気になっていて一度しっかり勉強しておきたかったこと、また新たに興味を強く持ったものなどにも手を出していくと良いでしょう。

もし学校などに所属していたり、大学の図書館等を使うことができる人はぜひそれを利用すべきです。また地域の図書館でもいろいろあって、あまり内容が充実していない図書館もあるかもしれませんが、市や区の図書館でも新刊の書籍をけっこう頻繁に買い入れている図書館などもあります。読みたい本を手に入れられる可能性は他にもいろいろあると思います。もちろんお金があれば購入しても良いでしょう。東京首都圏でも私が住む場所に近いところや通勤場所の近くで、なんとここ数年の間に消えてしまったリアル書店が実はいくつかあるのですが、逆に個性あるリアル書店が場所によっては増えているようにも思います。この流れの中で私は最近は大型書店に出入りする機会が多くなりました。やはり実際に書店に足を運ぶと、思いもかけない素晴らしい本との出会いがあったり新しい発見が必ずあります。

実は私は今でも定期的に地域のいくつかの図書館を使い倒しつつ(もちろん大学の図書館にもお世話になっています)、あとはkindleなどの契約もまだ続けていますし、とにかくどんなシチュエーションでも本を読める状況を確保しようとしています。いつも仕事(特に自分の本番や練習時間の確保)との兼ね合いやバランスを考えて読書の時間を設定していきます。

あとは最近は良いカフェ探しも趣味になりました。自分はヨーロッパでの生活も長かったので、日本では地域によっては本が読めるようなカフェが少なくて本当に困ることがよくあります。コーヒーか紅茶が美味しいことも条件の一つです(笑)。そのように自分の読書環境を整えることに今まで以上に興味を持ち始めているところです。(もちろん本当はそれ以上に人間とコミュニケーションをとるほうが好きではあるのですが…。)

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