ここ連日は本当に忙しかったのですが、天気も関東地方は雨模様がずっと続いているので、珍しくそれに負けてしまいそうなことも多かったです。それにしても都心は本当に人が多くてもうどこに行ってもまっすぐ歩けないほどです。リモートワークの時代に入ったなんていうことはあり得ず、まあよく皆さん大変な雑踏の中をいろんな言語を喋りながら元気に歩いています。まあ活気があって良いことだとは思いますが、どう見ても外を歩く人の数はパンデミック前と比べて減ってないです。
今年あたりからは私も自分時間を作るのが少しはうまくなったかなと思っていたところでしたが、結局例年とあまり変わっていないことに気がつきました。実は1週間ほど前から右の奥歯がグラグラしているような気がして歯医者に行ったら、ずっと以前に処置されている歯ではあったものの、レントゲンでどうやら折れていることがわかり、「これは早々に抜かなければいけませんね」と言われてしまいました。ただ、抜く日の予約をとるのに少し苦労しました。というのは、歯医者のほうでも曜日の制限はあるものの、向こう1か月で自分が来れそうな日が見当たらなかったのです。手帳を見てビックリしたのですがやはり予定が見事に詰まっているのです。家に帰って来て妻に相談したら、歯を抜いた当日はさすがにそのまま大学へ行ってレッスンをするのは無理だと言われました。私は「午前中に抜歯→午後はレッスン」と軽く考えていて「それならこの日が可能!」と予約を入れたのですが、その日以外にも人と会う仕事や予定がなさそうな日が今月は一日もなく、溜息が出てしまいました。
この一件で思い出したのですが、カプースチンの生前によく自宅にお邪魔させていただいたのですが、もちろん日本からわざわざ行くので、事前に訪ねる日をきちんと相談して決めてから行くようにしていました。そんなことにもだんだん慣れてきて、何度目かの訪問の際に私がカプースチンの自宅を訪ねたいと希望した日が、ちょうどカプースチンが自分の歯医者の予約を入れている日でした。「歯医者の日を変えればまあその日に来てもいいけど…」みたいなお返事ではあったのですが、話を進めているうちに私もあまり気にせず結局こちらの希望通りにその日に会いに行くことになりました。そして当日…、カプースチンは優しいのであまり普段何も言わないのですが、当日自宅にお邪魔したら彼の第一声が「歯医者、歯医者…(歯医者に行きたかった)」と真面目な顔で言っていて、「あーやっぱり悪いことしてしまったかなー」とそこで初めてわかったということがありました。
やはり歯医者に行くのも大事ですよね。どんな理由であれ、やはり行きたいタイミングでクリニックや病院へ行けなかったら心配やストレスがかかることもあるに決まっています。私もこれまであまりにも多忙な時に「歯医者に行く暇もない」という表現をよく使ってきました。でもこれはもうシャレにならない、というか、だいたいカプースチンを困らせてしまったりもした。だからそれを教訓にして、これからは自分の体のメンテナンスをする時間をある程度優先していかないといけない、と思っています。
仕事が重なる時は重なるもので、この数週間は忙しくてメールやメッセージを皆さんにタイムリーに書くことができなくなってきていると感じています。大きな案件から片づけてはいるところですが、必ず順番に対応していきますので、私の連絡をお待ちいただいている方々には今後まだしばらくは辛抱していただければ嬉しいです。(と言っても海外案件も多いのでこのメールは読まれない可能性もありますが。)
追記:上のカプースチンとの会話のやり取りですが、マニアックな人たちのために(そんな人いないかもしれませんが)もう少し正確に書いておきます。カプースチンは実際には”Зубы, Зубы…”と言っていたのですが、ロシア語で「歯」のことはЗуб(ズブ)、複数形がЗубы(ズブィ、又はズッブィと発音)なのですが、カプースチンは「ズッバ、ズッバ…」と言っているように聞こえて、私はすぐにわからなくて、奥様のアッラさんに「えっ?」と問うと、いつものようにわかりやすく翻訳してくれて(それもロシア語でですが(笑))、「今日はコーリャ(ニコライ)は歯医者に行くことになっていたのですよ」と教えてくれたのでした。私の顔を見るなり、カプースチンは「歯が、歯が…」と言っていたというわけでした。つまり私と会うために今日は歯医者の予約を(苦労して)変更したのだということを私に伝えたかったのだと思います。彼は絶対に人のことを責めないので、彼なりのコミュニケーションの取り方だったのだと思います。(ただその日以来、私の耳から「ズッバ、ズッバ…」がずっと離れません。)