なんとも予期せず、ホロヴィッツが晩年ずっと使っていたあのスタインウェイに出会ってしまいました。まさか日本で出会えるとは!
まぎれもない、あのホロヴィッツの楽器です。
晩年のレコーディングで聴ける、あの魔法のような音色がこの楽器から生み出されたわけです。私が以前この楽器を触ったのは、たしか20年ほど前にウィーンにいる時だったと思います。この楽器を見ると、どうしてもなぜかスクリャービンが弾きたくなってしまいます。実際に少し弾かせてもらいましたが、なんとも言えない感慨に浸ってしまいます。
さて、来週に迫った2/5(日)のオールカプースチンの演奏会。
チケットは有り難くもほぼ完売となりました。当日券はおそらく出ないと思われるとのことです。座席数がそれほど多くないためご迷惑をおかけします。
このシリーズはまだまだ続けていくつもりで、内容もいつも新しいものに更新していきますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
ロシア出身のアレクセイ・ヴォロディンが来日していて東京オペラシティでも1月25日にリサイタルをしたそうですが、アンコールを5曲も弾いてその中にカプースチンのエチュードOp.40-7をサクッと入れるあたりはなかなかやりますね。アムランを彷彿とさせます。
マリンスキー劇場での昨年のリサイタルでも、シューベルトからカプースチンのソナタまで平気で並べてしまうという、10年前にはありえなかったようなプログラミングを実現していて、しかも完璧に弾きこなしているというのはすごいです。
こちらはマリインスキーでのインタビューとカプースチンのピアノソナタ2番の演奏の一部です↓
http://www.youtube.com/watch?v=BDET7Kf7-1w
先日の武蔵野市民文化会館でのリサイタルでも、アンコールにショパンだけを3曲弾いたそうですが、その選曲もそうですし、演奏においてもただカプースチンのような難しい曲を技巧的に弾くだけではないロマンティックな旧来のピアニズムをしっかり持ったピアニストであるということです。最近のピアニストの進化には驚くべきものがありますね。