Site Overlay

カプースチンついにピアノ協奏曲

ようやく私の手元に送られてきたのは6月1日のコンサートのチラシ。

まずはこのコンサートの告知ですが、6月1日(金)19時開演、杉並公会堂大ホールです。新進のワンダーフィルハーモニックオーケストラで、ついにカプースチンのピアノ協奏曲の生演奏が実現します。この日の演目はカプースチンのピアノコンチェルト2番、4番とショスタコーヴィチの交響曲5番。指揮は和田一樹さん。
コンチェルトのソリストは、先日のカプースチンコンサートでもその腕前を披露した石井理恵さんが2番を、そして私が4番を演奏します。カプースチンのピアノコンチェルトは、一部YouTubeなどで公開されているものもありますが、どちらの曲も日本では初演になると思います。2曲とも本当に素晴らしい曲です。

2番はカプースチン自演の録音が存在しますが、4番は世界初演としてL.アンゲロフが数年前に演奏したままです。彼の演奏した2回のライブのうちの一つがラジオ放送されたのでその録音が残っています。あらためて自筆譜と見比べて聴いてみると、細かいところまで完璧に弾くのは本当に大変そうだということがわかります。本人も100%納得のいく演奏ではなかったというようなことをカプースチンに言ったそうですが。
また、このようなコンチェルトでは楽譜を見ただけではわからない曖昧な箇所も相当あります。そのような部分は作曲者自身に訊く以外に方法がありません。ということで、カプースチンに直接質問をして詳細まで明らかにするというプロセスを経ました。たくさんの質問をしましたが、その答えは意外だったりするもので、やはり訊いてみなければわからないものだとつくづく思います。こちらの音が正しいだろうと思っても、半分くらいは当たり、半分くらいは「ほー!」と驚くことがあります。

現代曲は、作曲者と直接やり取りできるうちにできるだけ初演しておかなくてはいけません。特にカプースチンみたいな作曲家は、私は重要な作曲家とみなしているので、コンチェルトを含めて早く初演をしておかなければと、使命にも似たような気持ちを持って臨んでいます。作曲者に訊くことができなければ、もうあとは自筆譜から読み取るしかありませんので、そこから100%正しく読み取ることはまず不可能です。もう演奏する人が勝手に解釈していくしかありません。彼の作品は本当にすべて素晴らしいので、一音一音まで後世に正しく伝えることが本当に大事だと思っています。そのためには、やはり実際に演奏しなければわからないことがたくさんあるわけです。楽譜も出版して残していかなくてはなりません。

今回の演奏会は、たまたまとも言えますが、私自身も含めて多くは東京音大卒業生の人脈によるものです。ワンダーフィルさんには感謝ですね。ぜひ感動あふれる演奏会にしたいと思っています!

上にスクロール
Translate »