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一年を振り返って

今年もあと1日を残すのみとなったところで、今年はけっこうおとなしくしていた年だったな~と思い返しています。
あえて言えば、カプースチンのピアノ協奏曲第6番の世界初演はまあ大きかったかなと。後々になって、これがスゴイことだったと言われる時が来るのかどうか知りませんが、こういうことって思うほどは話題にならないのですよね。それにしてもこの6番のコンチェルトも本物の傑作だと私は思うのですが…。というか、作曲家の頭の中の進化度にビックリしました。演奏し終わった時点で100%この曲に共感できたと感じたのですが、その時の感動は何ものにも代えがたいものでした。その後カプースチン本人には演奏会当日の録音を渡しましたが、すぐにメールをくれて絶賛してくれたのですからそれだけでも「良し」としなければいけませんね。
ちなみに、あのコンサート(3/12紀尾井ホール)の音源はすべて存在しますが、映像付きの音源は私の協奏曲第6番の第3楽章の演奏の一部(アンコール演奏の冒頭1分余り)だけがYoutubeで観ることができます。(この初演で譜めくりをしているのはなんと松本あすかさんです! 興味のある方は探してください。ちなみにヒントは「日本語で検索してもダメ」です(笑))
いずれはカットしていない演奏が公開されるかもしれません。

ただ、カプースチンのPコン6番は是非もう一回弾きたいですね。それから昨年6月に日本初演した4番も何度だってまた弾きたいです。こんなに素晴らしい曲の存在を多くの人がまだ知らないなんてもったいない話です。現代作品は普及するまでに10年も20年も、あるいはそれ以上も本当にかかるのですよね。

メトネルのピアノ協奏曲第2番なんて、アムランが10年くらい前にサントリーホールで日本初演したっきりでその後誰も弾いていないのではないのでしょうか。メトネルも作曲家としてメジャーでないという理由で、あれほどの名曲をまだ誰も知らないわけです。ピアノ界には不思議な現象がたくさんあります。
メトネルのピアノ協奏曲は1番も2番も3番も全部弾きたいと思っています。誰も弾いてくれないならなおさらですね。あとカプースチンの5番もまだ生演奏は存在しない(録音も)ので、これも誰かがやらなければいけないですね。私がオーケストラと何かを弾く機会があるなら、もうそういう曲しかありません。(笑) あとバラキレフのピアノコンチェルトとか…。

プロコフィエフは今年が没後60年でしたが、さすがにピアノ協奏曲など今では多くの人が弾くようになりました。2番や3番などあれほど難しい技巧を要するものなのに!です。ただ、プロコフィエフは今聴いても斬新だなと感じる部分があります。7曲の交響曲を含め、まだ作曲家の本当の評価はきちんと出ていないと言えるのではないでしょうか。それにしてもあの時代に、よくこれだけの新しい価値(作品)を生み出したものだと思います。まだまだ今後数十年を経て本当の良さは発掘されていくことでしょう。それだけ見ても、やはりロシアにはまだまだ眠っている宝物が多いことは事実ですね。

一年を振り返ろうと思って書き始めたら、またロシア作曲家の話ばかりになってしまいました。来年はどんな年になるのでしょうか。自分でもわからないところが面白いのですが、相変わらず未知なる挑戦を続けていきたいと思っています。

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