辻井君の全国ツアーが続いていますが、先日の大阪公演が終わったあたりからどこからともなく私のところにも反響が聞こえてきました。カプースチンの反響が衝撃的なほどですね。
なるほど、考えてみれば大阪はカプースチン受容史的に見ても重要な存在を占めてきただけあって、やっぱり理解も早く反応も活発なのでしょうか。また、後半戦は辻井君の演奏にもますます磨きがかかってきているのではないかと想像できます。
まだリサイタル・ツアーは4公演ほど残っていると思いますが、それとは別に今日は下野竜也さん指揮でグリーグのコンチェルトを弾いているはずです。とにかく忙しいピアニストです。
さて私の近況はと言えば、数日前にようやく約7万字の本の原稿をほぼ書き上げたところです。論文と書簡をずいぶん読み返しました。まだまだ一息つけるような状況ではありませんが、出版物の発売については近いうちに皆さんにも具体的なことをお知らせできる時が来ると思います。
それとともに、カプースチンの「ピアノ曲全曲録音」シリーズ第2弾の録音も間近です。1月末にリリースされた第1弾がお陰様で「レコード芸術」3月号の特選盤に選ばれたばかりですが、休む暇もなく次のCDの録音日がもう1ヶ月を切っています。また世界初録音の曲も含まれるので現在奮闘中ですが、日々これ発見の連続でもあります。カプースチンの楽曲解釈には曲への深い洞察が必要なのです。
とにかく、今回はCD発売記念イベントをやる暇もないようなスケジュールでしたが、Vol.2が出る時にはぜひ何かやれたら良いなと思っています。