先日コンチェルトのツアーが終わったばかりの辻井君に会ってきましたが、彼はすでに休む間もなく次のレパートリーと格闘中です。でも全然「格闘」している雰囲気はなく、いつものようにリラックスして人生を楽しんでいるように見えます。これを見習わなくてはなりませんね。
昨日などは、『内緒のスケジュールですが「ロイヤル試写会」があって…』という話を直前に聞いていたのですが、「何だろう?」と思っていたら映画『羊と鋼の森』の試写会に天皇皇后両陛下もお越しになられていたとのことです。辻井君はこの映画にピアノ演奏で関わっているので、昨日のイベントにも参加し、両陛下と一緒に大きく写真に写っており、それは検索してみると確かに昨日のニュースですでに流れていました。また、辻井君は6月13日(水)にはサントリーホールでこの映画のお披露目のための特別コンサートも行なうようです。
彼は6月後半にはサンクト・ペテルブルクのゲルギエフとのオファーも来ており、急遽ロシアに行くことも決まったのですが、今回は私も本当について行きたかったのですが自分のスケジュール的にどうしても無理でとても残念なのです。エイベックスのマネージャーさんにも「だって川上さん、ロシアで辻井君がカプースチンを弾くのですよ」とは言うものの、ゲルギエフとの仕事はいつも直前で決まるので予定が立てられないのです。今回も辻井君が共演するピアノ・コンチェルトがどの曲になるかはまだ決まっていないので、彼は何曲もあるレパートリーをすべて準備しておかなくてはなりません。おそらくまた本番の数日前に曲が指定されるのでしょう。それでも、彼に対してはゲルギエフは特別に優しいようで、ロシア人アーティストに対してはもっと厳しい要求がなされることもあるそうです。(マネージャー談)
でも、ゲルギエフは遠くから眺めているだけでは誤解する人も多いようなのですが、実際に会ってみると本当に人間的でとても優しい人です。以前もどこかに書きましたが、あのマエストロの一般的な印象と実際の人間ゲルギエフとのギャップは甚だしいものがあります。私は実際申し訳ないほど面食らいました。素晴らしい人格の持ち主です。心から尊敬する人の一人です。
本当にこんな機会はあまりないと思うので、彼のコンサートに絡めて今回一緒にロシアに行きたいのですが、でもやっぱり無理かな…。また、実は同じ時期にヴァイオリンの三浦文彰さんも演奏の仕事でサンクト・ペテルブルクへ来るそうで、彼のスケジュールはエイベックスも辻井君も知らなかった(別ルートからの仕事?)ということですから、三浦君も本当に広い人脈があって世界で大活躍しているということがわかりますね。
少なくとも、辻井君が今回サンクト・ペテルブルクでカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』Op.40全曲をリサイタルで弾くのは事実です。ひょっとしたらロシアの他の都市でも弾くかもしれません。また、8月にはフランスとドイツでもこのエチュード全曲を含むリサイタルをする予定だそうです。カプースチンを世界に広めてくれて私も嬉しいです。
話は変わって、カプースチンを愛する皆様方から待たれておりました次回の「カプースチン祭り」の企画もようやく動き出しました。来年2019年にまた開催することは決まりましたが、具体的にどの時期になるかはまだ未定です。次回は新たな奏者にもたくさん集まっていただきたいと思っています。次回カプースチン祭りに興味をお持ちの方は、ぜひご一報をいただければ嬉しいです。