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なぜ本番で実力が出せない?(1)

楽器を演奏する人は、本番のステージで実力が出しきれないことがよくあります。「家で練習している通りに弾けたら何も言うことはないのに…」と思うことはよくあるでしょう。「それにしてもこんなに下手にならなくても良いのに(;_;)」と感じている人も多いと思いますが、なぜそうなるのでしょうか。理由はいろいろ考えられると思います。

ステージ上でなく、レッスンのときに先生の前で弾くというだけで普段どおりに弾けない人もいます。これは、一つは「自分の演奏を客観的に聴けていない」ということだと思います。また、家では気楽にある曲の途中で何度も弾き直しをしたり、つっかえたりしてもあまり気にしない習慣がついていて、いざ人前で通して弾くという時に、そのような癖が出てしまうということもあるでしょう。また、単純にアガってしまい、体が固まって指も動かなくなるとか、ピアノがいつもと違うので調子が出なくて一度目の演奏は必ず失敗する(タッチや響きがまったく違うと感じることもあるので)ということもあるでしょう。それは、その後の訓練や意識の仕方によって改善できることです。

「家のピアノで弾くと調子がいいのに、外ではうまく弾けない」という人は、やはり普段からいろいろなピアノに慣れておくということが大切でしょう。一生の間、家の中だけで弾いているわけにはいきませんし、特にピアノという楽器は、外で演奏する場合は必ずしも自分の気に入ったものを選べないのが普通です。タッチも違えば音色も違います。また、弾く場所や環境によっても普段と響きがまったく違うように聞こえてビックリすることもあります。これに慣れるためには一つしか方法はありません。それは、場数をこなすことです。つまり経験の数です。

子供の頃はあまりそのようなことを意識しなくても「アガって弾けなくなる」などということは少ないと言えるでしょうが、でもその代わり、本番でいつも完璧に弾いている小学生の数はやはり多いわけではありません。年を経るごとに、人前で弾くということを意識し始めるようになり、だんだん音色の違いなどにも敏感になってきて、家で弾くのとステージで弾くのでは相当にいろんな違いがあるということがわかってきます。やがて、本番で弾く自分自身を意識的にコントロールしなければいけなくなってきます。(つづく)

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