Site Overlay

天才の育ち方


先日はクラシック音楽の方向性やその勉強のことについて書きましたが、今回はジャズピアニストにはどうしたらなれるか?についてです。

と言っても私にはジャズピアニストになる方法など本当はよくわかりません。先日Youtubeを観ていたらたまたま動画がポンと入ってきて、現在13歳の古里愛(Ai Furusato)さんという最年少でバークリー音大に入学したという若々しいジャズピアニストの番組が流れてきて見入ってしまいました。私が最近ちょうどいろんなジャズの音源などにアクセスしていたので、その流れの中でおそらく彼女の最新の動画など話題となっていた情報が入ってきたのかもしれません。

驚いたのは、彼女のピアノの腕前ももちろんすごいのですが、目標を達成するための意気込みというか、幼少の頃から確信を持って突き進んでいくとこうなるのか!ということに純粋に感動しました。ピアノは3歳(?)の時に始めて9歳頃にはもう目指すはジャズ一色になっていて、ちょうどコロナ禍の時に時間がたくさんあったので1日中ピアノを弾いていたと言っていました。午前に3時間、午後に8時間というスケジュールを立てて毎日それだけ練習していたというだけでも驚きますが、バークリー音大を目指すと決めた時点で受験に高校卒業資格が必要とわかり、そこから先はピアノに注ぎ込んでいたその時間をそっくりそのまま勉強時間に充てるというライフスタイルに変更し、それをやり遂げて合格してしまう、というのも驚きです。英語にかける勉強もすごい。受験資格を得るために何年もの勉強を前倒しすることを思いつき、行動としてそれほどの意気込みを見せた。そして12歳で合格です。その時期はピアノの練習時間を丸々「捨てた」わけでしょうから、入れ込み方もすごければ捨て方もすごいと言えます。

自分の大きな目標を明確に持っていて、それを毎日声に出して言って意志がブレることのない生活を送っていた、という点もすごいです。それを支えている家族もまたすばらしい。お母さんのインタビューしか聞けなかったのですが、やはり育ってきた環境や家族愛のようなものにも感動するものがありました。きっと将来は本人が確たる目標としているグラミー賞を獲ることもできるのではないかと本当に思ってしまいます。もちろんそういう明確な意識を持っていたからこそバークリーにも受かったのでしょう。

ピアノの練習ということで言えば、一日に11時間も弾くというのはちょっと信じられない人もいると思います。集中力や体力だけでも尋常ではないと思いますが、よくそれだけ練習する題材があるというか、通常は曲を練習するにしても同じ曲を何時間も練習するようなことはできないですし、練習自体もマンネリ化してもいけない、通常はそれほど長い時間は続かないと思うのです。上達する生徒はやはり練習の仕方が上手な人が多いと思います。たとえ一日に何時間も与えられたとして、何をどのように練習しているかというのはけっこうブラックボックスだと思うのです。本人にしかわからない。だから自分で考えることが一番重要なのですが、飽きずにずっと練習が続けられることも一つの天才だと言えるでしょう。

ピアノをやっていたとして、今の時代はもうかなり早い段階でジャズピアニストを目指したい、と思う人が出てくる時代にもなってきたように思います。いったんはクラシックから入るというスタイルがこれまでのジャズピアニストにも多かったですが、もう今は最初からジャズを、あるいはクラシックとジャズを並行して学ぶ、というような道筋も以前よりは確立されてきていますし、それを学ぶ方法論も本当にいろいろあります。学ぶためのコンテンツも驚くほどあります。お金もあまりかからないことが多いし、やろうと思えば時間短縮もものすごくできます。あと必要なのは意志の力ですね。これを持ち続けられる人が天才と言えば天才なのでしょう。

上にスクロール
Translate »