今回の旅行では、私たちもヨーロッパからロシアへの辻井君の公演スケジュールに連動して動いており、3年ぶりにまたサンクト・ペテルブルグまで来てしまいました!
このようなことは滅多にあることではないので、もうしばらく彼のコンサート・レビューを更新していきたいと思います。
まずはケルン・フィルハーモニーの大ホールでのストラスブール・フィルとの公演ですが、ホールに入った瞬間、「すごい!」と声が出ました。ホールの作りが独特な2200席のホールです。音の響きも良く、チャイコフスキーが重厚で広がりを持って聴こえてきました。辻井君の演奏もストラスブール公演の時よりも磨きがかかったように思いました。


アンコール2曲を演奏したあと、花束を受け取っている辻井君。
ちなみに、アンコールには何を弾くかと思ったら『月光』第1楽章を弾いたので、「なるほど、ケルンの聴衆にはベートーヴェンか」などと納得して聴いていたら、その後も止まらない拍手に応えて、突然カプースチンのエチュードを弾き始めました!この瞬間は心臓が止まりそうになるくらいビックリしましたが、最後の音を弾ききった時、観客の「ブラボー!」に混じって、私も思いっきり声を張り上げていました(笑)。ケルンの聴衆は熱狂的な反応を示していました。

その翌日にはサンクト・ペテルブルグへ!


昨日、辻井君はマリインスキー劇場のコンサートホールにてゲルギエフとの公演を大成功で終えたところです!


昨日のプログラムは、スクリャービンの『法悦の詩』をまずオケで聴いて、続けて辻井君のショパンのピアノ協奏曲第2番、そして最後はまたスクリャービンの『プロメテウス-火の詩』(ピアノが加わりますが、この曲は別のピアニスト)というすごい曲目。これは聴き応えがありました。
とにかく、マリインスキーのオーケストラは本当に素晴らしい!ゲルギエフもすごいし、辻井君の演奏も秀逸でした。何よりこのマリインスキーのコンサートホールは本当に素晴らしい!久しぶりに美しい音楽を堪能しました。辻井君がロシアでこのように大活躍してくれて本当に嬉しいです。もうロシアの人たちにとっても彼は特別の存在だし、何よりマエストロ・ゲルギエフの大きな信用を勝ち得ているのが本当にすごいことだと思います。もちろん聴衆もオケも昨日は大満足。しかしオケのプレイヤーも本当にすごい人たちです。『法悦の詩』でのトランペット奏者は本当に凄かったです。
辻井伸行は今や世界のあちこちで通じるビッグネームと言って良いでしょう!
ちなみに、海外で彼はNobu Tsujiiの名でも通っているので面白かったです。ロシアではフルネームで紹介されていましたが(ロシア語では最後の文字「i」は重ねない。「マリインスキー」は「i」を重ねるのに面白いなと思いますが)ケルンでは正式なポスターでも名前はNobuと書いていました!

マリインスキーのコンサートホールの入り口の辻井君の巨大ポスター。
すごいですねえ。人が小さく見えます。(笑)
明日はここで彼はリサイタルです。
チケットは聞くところによれば完売だそうです!