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ハノン再考(2)

よく考えてみると、やはりピア二ストであれば誰でも一度くらいはハノンを徹底的にやった時期があるのではないかと思います。「ハノンなんて弾く必要ない」と言う人もいるかもしれませんが、たぶんそう悟るまではそれなりに苦労の跡があったことと思います。

ブレハッチもハノンをやっているという情報が入りましたが、ジャズピアニストのオスカー・ピーターソンもハノンをちゃんとやったということをどこかで聞いたような読んだような…。私はまだ持っていませんが、最近「オスカーピーターソンのハノン」というような楽譜も出ていますね。きっとジャズが勉強できるハノンなのでしょう。ハノンも最近はバラエティーに富んでいます。需要もそれだけあるということでしょう。

ところで、ハノンはその使い方が問題だと思うのですが、不思議なことにハノンを「弾いているかどうか」が問われることがあっても、「どのように」弾いているかが問われることは少ないという気がします。楽譜のハノンの前書きの影響力も大きいのでしょうが、その昔、私が大学生時代にハノンで生まれ変わったという噂が学内に立ち始めたとき、誰一人どのように弾いているかを聞きに来た人はありませんでした。「下手だった川上君が上手くなった」ということで、多くの先生方が弟子たちにハノンをやらせ始めたらしく、友人たちがひ〜ひ〜言っていたのですが、どのように弾かされているかを聞いたところ、どうやらフォルテで速いテンポで弾かされていたということ。私は実はまったく逆で、どちらかといえばゆっくりめか普通のテンポで普通の音量で弾いていたのです…。

ハノンを効果的に使うコツは…
すべての音がコントロールできるテンポで、すべての音を音楽的に美しく弾くこと。
必要なのはこれだけだと思います。どのような音が音楽的で美しいのか、これは実際に音を出してみないと言えません。「透き通るような音」という人もいるでしょうし、「芯のある音」という人もいるでしょう。「無理に力が入っていない音」「弾いた後すぐに遠くまで伸びる音」という表現もあります。
また、レガートが美しいこと。レガートにもいろいろあります。本当に必要なのは「絶妙なレガート」で、これはどのような音のつながりを音楽的に美しいと感じるかという人それぞれの感性によるところがあります。
それから、欲を言えば、ピアノを弾いている手の使い方が、傍から見ていても美しく見えることも大切ですね。つまり、上手そうに見える弾き方です。力のかけ方と抜き方が自然にできている状態でもあるでしょう。
例えばこれらに注意しながら毎日の目標を作ってハノンを練習するだけでも、かなりの効果が得られるはずだと思います。

夢中になって原稿書いていたら4500字を越えてしまったので、続きをここに書いてしまいました。
原稿の方は内容をこれから削ぎ落とさなければ…。

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