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伊藤楽器で公開講座

昨日は、昨年リニューアルした千葉県船橋の伊藤楽器さんで講座をさせていただきました。内容は、ショパンの奏法から学ぶというテーマ。
ところで、伊藤楽器さんは今年が創立なんと100周年だそうです。

私としてはお陰様でお馴染みの楽器店ですが、新しくなってからは初めてお邪魔しました。会場のメンバーズルームは、明るくて雰囲気の良い感じです。2時間ほど休みなく弾いたり喋ったりさせていただきましたが、昨日は、カメラで鍵盤上の手を左から写した映像を頭上のスクリーンに映すという装置もありました。写真ではわかりにくいですが、ピアノの上の四角いのがそのスクリーンです。

ピアノを勉強している人には、教師としてのショパン像や、ショパンのテクニックについてはすでによく知られているのではないかと思っていましたが、本を読んで学ぶということは一般的には少ないのかもしれません。

昨日のサブテキストにした『弟子から見たショパン』(エーゲルディンゲル著)も、新情報の入った日本語訳の増補版が2005年に出されたばかりだから、研究は現在もまだまだ進行中と言っても良いかもしれません。楽譜だって新研究を反映した版がショパン生誕から200年も経った今も、まだ新たに発刊され続けているのですからね。ショパンの音楽の特徴やテクニック面からの研究ということでは、このほかに加藤一郎先生の『ショパンのピアニスム』あたりを読んでおけば、とりあえずショパンを弾くにあたって恐いものはなくなるでしょう。というか、必要最低限の知識と自分の頭で考える材料としては十分だと思います。あとは音楽性やセンス、自分の内面を磨いて表現力を高めることですね。

上のエーゲルディンゲルの本は、ショパンをずっと弾いていこうと思っている人は一度は読んでおいたほうが良いし、保存版にしておく価値もあるでしょう。ショパンの解釈については、ピアニストによって本当に多様で誰が正しいかなんて言えません。でも、それ以前の基礎知識はやはり必要でしょう。自分なりのショパンを考えるためにも、ショパン愛好家としての共有知識は持っておいたほうが良いと言えます。この分厚い本、値段は一見高いように思えるけれども、ピアノ弾きにとっては価値から考えたら安いものだと思います。知ることは自信につながりますし。

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