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カプースチン独特の運指

新刊楽譜に入っている指使いはすべてカプースチン本人によるものですが、一般的な日本人の手の大きさでほとんどそのまま通用します。というよりも、すべてがかなり理想的な指使いですし、感心させられる箇所がたくさん発見できると思います。
プレリュード第24番の第147小節には、左手に“5231”という指使いが見られます。ここは“5321”の方が普通に見えるので、やはり念のために本当にそう弾くのかどうかを作曲者に問い合わせました。意外にも、「それで合っているよ。でも私だけかもしれない」という回答でしたので、珍しい運指ですがそのまま載せることにしました。“52”を弾いたあと素早くポジションを移動して“31”を持ってくるという弾き方ですが、これと似た運指は他の曲にもいくつか見られるもので、カプースチンの奏法と音色の秘密を解く鍵を含んでいると思います。

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