ピアノが上手く弾けないと言う人は、99%の人が結局のところ「指が思うように動かない」ということらしいです。音楽的にどうのこうのと言う前に、そこで引っかかっている場合が多いということです。
コンスタントに毎日ピアノを練習していない人や、長じてからピアノを始めた人などは、指が思うように動かないと感じている人も多いと思います。あるいは、そうではなくてちゃんと毎日練習しているのに、不器用なために動かないという人もいるかもしれませんが。
コンクールを聴いたりしていると、結局のところ、上位に入賞するピアニストたちはみな手先が器用です。音楽性ももちろんあるでしょうが、指先と耳が研ぎ澄まされている。だから、指が発達していなければ音楽的にどうこうという前にコンクールでは認められないというわけでもあります。これは音楽的には良いとか綺麗事を言ってもダメなようです。
このことは小さなコンクールでも子供のコンクールでも同じであって、音の粒が揃っていなかったり、音が抜けたり、間違った音が弾かれていたり、しょっちゅうつっかえたり…、こういうことはまだ指ができていないので仕方ないのだろうと審査員も気を遣ってコメントではあまり指摘しないことが多いのですが、結局楽器の演奏には正確さはとても大切なことです。
指が思うように動かないという悩みは、ピアノ演奏においては特に克服しなければいけない最重要事項です。管楽器ならばこれほどの超絶技巧は指に要しませんから、少なくとも指に関してはなんとかなるというか、特に大きな問題にはならないでしょう。(カプースチンのフルートソナタなど、超絶技巧の室内楽もあるにはあるでしょうが。笑)
あと、指が異常に発達していなくてはいけないと思われる楽器奏者はヴァイオリン奏者などでしょうか。こうして考えてみると、ピアノやヴァイオリンは指に関してはかなり高度な要求をされる楽器ですよね。人間って考えてみると本当に器用なことやってます。ピアニストやヴァイオリニストに超人的な人が出ると、やはりすごい人は天才と言われたりします。
ピアノを上手く弾きたい人は、どうして弾けないのかと悩む前に、やっぱり指の使い方を整えようと一度は試みてみること、スポーツ選手のように毎日の「規則正しいトレーニング」という意識も持っていると良いでしょう。そして指先の感覚を研ぎ澄ますことが大事だと思います。同時に「音」へのこだわりというか、自分の出す音の「響き」を常に聴くこと。
さらに、ピアニストにはこの「繊細さ」と同時に、体育会系の「タフネスさ」とを合わせ持っていなくてはならないのです…。
ところで…、今年のショパンコンクールもいよいよ終盤ですね。