Site Overlay

浜松国際ピアノコンクールが中止とは…


今年11月に行われるはずだった浜松国際ピアノコンクールが中止になったというニュースが発表されました。世界から450人以上もの応募者があった(!)にも関わらず、突然このようなことが決まり、頑張って準備していた若きピアニストたちにはショックが大きいのではないでしょうか。


現在国際コンクールが日本で開催できない理由は、はっきり言えば、昨年からずっと続いているやり方ですが、海外から日本到着後には14日間もの自粛を要請されるということでしょう。日本人でも外国人でも同じです。これがある限りどうにもなりません。居場所がわかるアプリなどをスマホに入れられて、2週間もの間、半分監視をされた状態でホテルや自宅から(外国人には通常自宅はないでしょうから決められたホテルでしょう)ほぼ身動きもできずに過ごさなければいけません。日本人帰国者にとってもたとえ自宅であっても不便すぎる状況です。


水際対策が大事だというのはわかりますが、ある意味厳しすぎるこの状況には何か異常なものをも感じることは事実です。新型コロナの陰性証明書を持って来ようが、到着した空港でのPCR検査で陰性が証明されようが、公共交通機関を使ってはいけない、そして決められた場所に自腹で移動して14日間仕事もできず人にも会えず…。日本では少し異様な状況が続いています。コンクール当局は、これがまだ11月も続いているだろうと見ているのでしょうか。


ちょうど今現在、ベルギーでは昨年から1年間延期になっていたエリザベート国際ピアノコンクールを開催している最中です。1か月ほど続いたコンクールは、もうあと数日で本選も終了して結果が出ることでしょう。世界に向けてライブとアーカイブでも中継していますから誰でも観ることができますが、コンテスタントたちは本当に全身全霊を込めて演奏しているのがわかります。このコンクールのために命がけで練習してきています。もちろん日本勢も参加しており大健闘です。特にファイナルに残っているお二人も本当に素晴らしい成果を収めたと思います。

エリザベート国際ピアノコンクールでは、今回世界中から参加者を受け入れて現地でコンクールを運営できたことに感動しました。映像では審査席もときどき映りますが、広いホールにポツポツとディスタンスを取って数名座っている審査員たちは全員マスクをつけていました。本来マスクなどは絶対にしなかった外国人が(特に欧米の人が)マスクをしているのを見て、もう光景としては見慣れたものの、世も変わったな~(本当は「世も末か~」と言いたいくらい)と思いましたが、それでもこのようにベルギーで開催できたことで希望を持つことができました。


今後の海外での仕事やイベントのことを考えると、現在の渡航条件の状況はもう本当になんとかしてほしいものです。変異株を国内に入れたくない、感染者を増やしたくないという気持ちもわかりますが、今のやり方のままでは絶対にいけないとも思います。ただ厳しく遮断するだけではダメでしょう。陰性証明書の発行や検査にもすごくお金がかかります。書類に不備があると日本人でも入国を拒否されます。二重三重に安心したいという気持ちもとてもよくわかりますが、国はもっとよく頭を使って海外渡航への制度を考えていかないと、このままではまだ多くの面で問題を引き起こしていくことと思われます。

上にスクロール
Translate »