ピアノを勉強している若者にとっては何となく気にかかっている5年に一度のワルシャワでのショパン国際コンクール。コンクール事務局は、約束どおりの日程できちんと書類・音源審査の結果を発表したようで、通過者の名前はサイトにすべて公開されています。
人によっては1~2年も前から膨大なショパンのプログラム(曲目)を準備していたことでしょう。そして、申し込みにあたってそのプログラムの一部を演奏し、昨年10月まで(コンクールの1年前)に録画を準備しなければいけませんでした。そして、さらに必要な分厚い書類とプロフィールとその音源を添えて申し込みを完了したわけです。
世界から届いた申込者の数は455名。その中から厳正な審査の上、たった160名がこの4月の予備予選を受けられる通知をもらいました。まったくもって、ピアニストの卵たちにとっては厳しい状況かと思います。ライバルは多いのですね。ちなみに日本からの申込者は88人中64人がはじかれて、24人のみ通っています。中国人(77人から26人通過)のほうが多いのです。通過者の国籍を見るとけっこう固まっています。日本人、中国人、韓国人、ポーランド人だけで95人、あとアメリカ人とロシア人を足して6カ国からの参加者だけで117人を占めます。
ワルシャワへの予備予選のために通過者は自費で渡航しなければいけません。そしてその審査の結果、80人が10月のショパンコンクールに出場できるわけです。道のりは長いですね。
今年は6月にチャイコフスキーコンクール(モスクワ)もありますが、日本人にはこのショパンコンクールの人気がなぜか世界でもずば抜けて高いのです。日本からわざわざ聴きに行く人も毎回います。おそらく、それ以外にポーランドまで旅行するなどという機会は普通あまりないかもしれません。ショパンの偉大さが分かります。ピアニストにとっては、数年間はほぼショパンばかり弾いていることになりますが、人生の一時期それも幸せなことかもしれません。
今回もピアニストたちにとっていろんなドラマが展開されるのでしょうね…