うちの音大では大学4年生の卒業実技試験期間が始まっています。
全員の演奏を聴くわけですから、審査をする側も試験会場に数日間にわたって缶詰状態なのです。百数十名が10分程度の自由曲を選んで弾くのですが、今年はどの作曲家が多く取り上げてられているか…毎年少しは気になるところです。まったく自由の課題なのですから。
卒業試験は公開ですし、名前も曲目もすべて学内の掲示板に公開されているので、それぞれ皆が選択した曲の作曲家の内訳を書いておきましょう。年によってかなり傾向が変わることがありますが、これはあくまで今年度のピアノ科の統計です。数字はその作曲家の曲を演奏した人の数です。(わが音大には「ピアノ演奏家コース」というのもありますが、そのコースはまた別です。)
ハイドン 1
モーツァルト 1
ベートーヴェン 2
シューベルト 1
メンデルスゾーン 1
ショパン 11
シューマン 8
リスト 18
グノー=リスト 1
ワーグナー=リスト 1
フランク 1
ブラームス 6
バラキレフ 1
フォーレ 2
アルベニス 1
ドビュッシー 1
バッハ=ブゾーニ 9
グラナドス 1
スクリャービン 14
ラフマニノフ 12
ラヴェル 4
バルトーク 2
シマノフスキ 1
ベルク 1
ヴィラ=ロボス 2
プロコフィエフ 3
プーランク 3
ショスタコーヴィチ 1※他の曲との組み合わせ
メシアン 2
バーバー 1
ヒナステラ 4
デュティーユ 5
カプースチン 1
佐藤 敏直 2
リストが一番多く、次がスクリャービン。
昨年までとは違う今年にしか見られない傾向もありそうです。これをバラエティーに富んでいると見るか見ないか。1人にしか演奏されなかった作曲家は、誰も弾かなかった可能性も大だと思って良いでしょう。悲しい限りですが…。
これは現代の傾向を反映しているのか、それとも偶然に起きた偏りがあったりもするのか、いろいろと考えてしまう統計でした。