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ペルージャ音楽祭2016(4)

昨日は午前中に4人レッスン。私が昨日レッスンを担当した生徒はそれぞれ南アフリカ、中国、アメリカから来た学生たちでした。特にアメリカの男の子は先日ラフマニノフのコンチェルトを弾いたばかりなのですが、今日の私のレッスンにガーシュインのF調の協奏曲を持ってきました。これも数カ月後に本番があるとか。アメリカ人にアメリカの作曲家の曲、しかもどちらかと言えば珍しいコンチェルトを日本人の私がレッスンするのは不思議といえば不思議な気分ですが、これが違和感なくやれてしまうのもクラシック音楽の世界なのですよね。(でも個人的にはカプースチンの音楽に通じていて良かった気はする…。笑)

お昼過ぎまでレッスンをしてヘトヘトになっている場合ではなく、18時からは自分のリサイタル本番が待っているので、空き時間は弾くか休むか…しかありません。


本番の2時間前にリハのために会場へ向かうと、メインストリートに私の今日のリサイタルの告知を見つけました。


リハ中

今日はメトネルの小品とソナタ、そしてカプースチンのピアノソナタ第11番を弾きました。


カプースチンを弾く前にトーク

終演後は自分の門下生たちも来てくれましたが、聴いてくれた教授陣の皆さんも熱く語りに来てくれて嬉しかったです。

今晩21時からまた自分の生徒2人がコンチェルトを弾きます。
明日の夜は、オール・バッハのコンサートがサン・ピエトロ大聖堂で行われます。
イタリアはクラシック音楽が本当に良く似合うというか、ヨーロッパでおそらく最も保守的(歴史が長いから当然ですが)で、クラシックのレパートリーもかなり保守的だと感じるのですが、その環境の中でカプースチンを弾くのはいつもある種の勇気が要ります。昨日は思い切ってソナタを全楽章弾いたのですが、おおむね皆さんに喜んで聴いてはもらえたようです。

ところで、先日紹介したBenjamin君はまだ十代半ばでちょっと変わり者だから仕方ないのですが、彼はいつもコンサートの間中ずっと座席に座って折り紙をしています(笑)。演奏者の顔も見ないで鶴を折ったりしているのですが、先日のInna Faliksさんのブラームスの40分以上かかるソナタの演奏中、一度も顔を上げずに折り紙をしていました(笑)。フーガに異様な愛着を見せカプースチンも弾く彼が、はたして昨日私がカプースチンのソナタ11番を弾いている時に一度でもステージ上の私を見ただろうか…。それだけが知りたいです。

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