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ボルトキエヴィチ生誕140年記念コンサート

私が直接関わっているコンサートではないのですが、ピアノ曲のレパートリーとしては新しい曲の発掘の機会になるかもしれません。貴重な企画とも思えるので紹介します。

1877年ハリコフ(現ウクライナ)生まれのボルトキエヴィチという作曲家の作品のみによるプログラムのコンサートで、演奏家は4名の「ボルトキエヴィチ弾き」としても知られる女流ピアニストたち。下にチラシを載せます。

と言っても、このボルトキエヴィチという名前自体をまだあまり聞いたことがない人も多いでしょう。ピアノ作品をかなり多く残している作曲家ですが、二度の大戦を挟んで激動の時代を生きており、生前は客観的に見てもかなり苦労の多い人生を歩んだ作曲家のようです。晩年ウィーンでは認められるようになったものの、音楽自体はまだあまり知られていないと思います。日本では最近少しずつ弾く人が出てきました。まさにこのコンサートに出演する3人の日本人ピアニストを誰かが「ボルトキ三人娘」と命名していたのをどこかで聞いた気もするのですが(そこまで有名だったとは、笑)、私自身は3人とも個人的に知っています。

岩本きよらさんはボルトキエヴィチのCDを出しているということで、以前お会いした時にその話を聞いたことがありました。石岡千弘さんは現在東京音大でも教えていますが、博士課程でボルトキエヴィチについての論文を書きました。私も読ませていただいていますが、普通はなかなかここまで手が出ないと思います。上野優子さんは以前から存在はよく知っていましたが、バッハ・コンクールの審査員で先日ご一緒した時に初めてたくさんお話ししました。彼女がボルトキエヴィチを弾くことを個人的にはあまり詳しく知らなかったのですが、「ボルトキ三人娘」という言葉だけは頭にインプットされていたことを覚えていました(笑)。
この演奏会では、この3人に加えてこの作曲家の作品を得意とするというブルガリアのナデジダ・ヴラエヴァさんも加わります。面白い企画のコンサートであることは間違いないでしょう。

私自身はボルトキエヴィチを生演奏や音源で数曲聴いたことがあります。ロマン派のカテゴリーで考えて良いとは思いますが、リャードフの影響などが感じられる音楽という印象を持たれる人もいるかもしれません。ただ、この作曲家の本当の魅力はまだあまり多くの人に知られていないのではないかと思います。
そういう意味では、この演奏会はなかなか貴重な一回のコンサートだと思います。興味を持った方はぜひ(チケットぴあ、カンフェティなどで買えるようですので)アクセスしてみてください。

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