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V.トロップ先生のコンサートとレッスン終了

一昨日はヤマハホールで演奏会、昨日は我が大学でのレクチャーコンサート、そして今日はレッスン…とフル回転のトロップ先生でしたが、私も3日間たっぷりご一緒させていただき素晴しい数日間を過ごさせていただきました。

昨日のレクチャーコンサートはチャイコフスキーの『四季』がテーマだったのですが、お話よりも「演奏」が9割と言っても良いもので、実際にはほぼ2時間、演奏で埋め尽くされました。感銘を受けた聴衆も多かったと思います。ロシア音楽、特にピアノ音楽について、そしてトロップ先生の原点にあるようなものをお話しされた後は、ロシア作曲家のピアノ作品を次々に弾いていきました。カリンニコフの作品から始まり、グリンカ、ラフマニノフ、リャードフ、レビコフ、チャイコフスキーからいくつかの小品を弾いたあと、最後に『四季』の12曲すべてを弾いたのでした。独特なテンポ感(アゴーギク感)とピアニッシモの音色がとてもロシア的に響き、と言ってもすべてのロシア人ピアニストがあのように弾くわけではないのですが、今や彼のスタイルの大きな魅力になっており、あらためて今回の演奏を聴いて非常に多くの発見をしました。
一昨日ヤマハホールで弾いたプログラムとはまた全然違う曲を聴くことができました。これも驚きではありました。

そして今日の学生へのレッスンでも、今や他のロシア人ピアニストにも滅多に見られない独特な奏法というか音の出し方、テンポの感じ方、柔らかい音と硬質な音の対比、非常に内面的な音など、あまり日本人学生たちには普段なじみのないアプローチではなかったかと思います。レッスンを受けた学生たちは非常に刺激を受けたようでした。

トロップ先生が東京で演奏を披露するのは10年ぶりだったということですから、今回の来日はけっこう貴重な機会だったのではないでしょうか。
次は沖縄公演があるので明日出発するつもりだったようですが、明日以降は台風のため飛行機が飛ばない可能性が濃厚ということで、急遽飛行機の便を変更してレッスン後は急いで移動しなくてはいけなかったようです。

この日本の天候の大変な中(二度の台風がありました)、このように労力と時間を割いて日本の若い音楽学生たちに素晴しい指導をしてくださって本当に有難い機会でした。

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