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日本人の名前は外国人にどう響く?


日本語の名前は外国人にとってはなかなか覚えられないようです。特に私の名前のようにローマ字で書くと子音と母音が交互に並ぶのは日本語に典型的ですが、例えばKAWAKAMIとKAWASAKIの違いがわからなかったり、MATSUMOTOとNISHIMOTOなども区別がつきづらいというのは当たり前かもしれません。(これはカプースチンに会ったデュオのお二人の名前)。あるいはYAMAMOTO、YOKOHAMAなども似ていると感じたり、外国の人は日本語は覚えづらいものだと察します。まあ漢字を知らず、そのイメージがなく音だけで覚えるのは無理な気がします。

ところで、あのカプースチンは実は日本語を真剣に勉強していた時期があったようで、そのお蔭か私のことを最初からMASAHIROと正しく呼んでくれたり、他の日本人たちの名前もちゃんと覚えていました。彼がそれらの日本語の名前をあまりにも正確に記憶していたので、カプースチンとの対談本を書いたYanaさんはインタビュー時にそのことにかなり驚いていました。

では日本語の名前は必ず規則的に子音と母音が交互に並ぶかと言えばそうでもなく、いろんな例外もあります。「つ」を書くにはTSUというふうに子音が連続しますし、名前に母音が2つ並ぶようなものもあるでしょう。語尾には必ず母音が来るのは確かですが、例えばそれが何であるかによって男性か女性かを見分けるすべはありません。ラテン語系の名前だと、なんとなく「o」で終わる場合は男性、「a」で終わる場合は女性であることが多いのですが、日本語にはそのような規則性はなく、「子=KO」で終わっていると女性かな?と思いますが、語尾が「O」で終わる男性名もけっこうあって外国人にはまったく判別できません。初めてのメールでは敬称をMr.にするかMs.にするか迷ったりします。日本語の女性名では語尾は「O」以外に「I」や「E」で終わるものも多いですが、男性名も「I」や「U」や「O」で終わるなど規則性がなく、日本語を知らなければとにかく名前の判別はできません。

また、最近海外で活躍している日本人アーティストの名字では、例えば辻井伸行「TSUJII」とか、藤井風「FUJII」などと語尾に「I」が2つ並んで「-UJII」で終わるという、他の言語でも滅多に見られないような珍しい並びの日本語名を海外の人がよく見て、「日本語ではこんな名前もよくあるのだな」などと考えているかもしれませんが、私はこれについてはたまたまの現象であるように思えます。(笑)

とにかく日本語の名前を世界に向けて発信する場合、意外に認識してもらえず辛いところがあります。例えば日本の有名な作曲家名であれば向こうの人もちゃんと発音してくれると思うでしょうが、最近イギリスに渡った留学生が言っていましたが、「TAKEMITSU」を「タケミーツ」と「ミ」に強く長いアクセントをつけて発音されて誰のことかわからなかった、という話を聞いたりして、どちらにしてもなかなか難しいなと思います。

というわけで、将来世界を股にかけて活躍していきたいと思っている人は、本名で行くならローマ字でも発音しやすく覚えてもらいやすい名前を親につけてもらうか、あるいは誰にでも気軽に覚えてもらえそうな愛称を自分で名乗るのが得策だと思います。早めに自分のニックネームを考えておくのが良いかもしれません。そのほうが得をするのではないでしょうか。
名前が長くなればなるほど、名前を呼んでもらえる可能性が減ることは確かです(笑)。(ちなみに辻井伸行君は海外ではもうずっと「NOBU」で通っているようです。)

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