またずいぶんブログ更新の間隔が空いてしまいました。
実はさっきも、今日初めて会うある有名なピアニスト氏と話していたのですが、やっぱり苦しい(?)ピアノの練習とネットの世界というのは両立できませんよね、と。演奏家の方々のブログは極端に少ないという理由が分かります。もちろん私のは全然両立しているうちに入っていないと思います。ブログを書くという行為は、イコール、メールやホームページほかのネットの世界に通じてしまうわけで、それだけでなにかと本当に忙しくなるわけです。だから、大切な時間の大半を練習に使わなければいけないような生活をしている人は、よほど無防備で元気いっぱいの人でなければブログなど書き続けられないと思います。
とは言いつつ、まだあきらめずにたまにはこうやって書いているわけで…なんとか明日東京へ帰る前に一つくらい更新せねば、とやっております。ホテルも今は便利で、24時間無線LANが全客室つながっているなんてことがあるのですね。
今日も実は審査で12時間の勤務。いや、それよりは、この暑い夏に一生懸命練習して弾いた人たちの方がよほど偉いです。なんで偉い人がこんなにもいるのでしょう。心が痛むのは、演奏のカットです。私は特に情が入ってしまう性なので、演奏のカットをするのは嫌なのですが、今日は全体の半分だけ担当することになってしまいました。日本中どこへ行ってもコンクール参加者の人数は多く、今はカットがないことのほうが稀です。たった2曲弾くのに、1曲目もカット。そして時間がきたら2曲目もカットです。ヨーロッパのように音楽人口も限られているような、少数精鋭のシステムに慣れている人たちにはきっと信じられない光景だと思いますが、日本人はそれで当たり前だと思っているし、今では参加者も審査員も仕方がないし当然だと思っていると思うのですが、それでもどうしても私はいまだに違和感を持ってしまいます。音大の試験も同様なのですが、音楽を楽しむということを実現するために、これほど嫌なことを皆で経験しなければいけないのかな、とも思います。だからと言って、他に良いアイデアがないのなら、これを続けながら考えるしかないのですが。
結局、例えば一人に7分ではなく10分あるいは12分という余裕のある持ち時間を与えるためには、おそらく会場代や人件費を含めすべてが二倍かかり、そうすると運営自体が成り立たなくなってしまうのでしょう。つまり大学の試験もたぶん同様です。空きのあるホールを年間ギリギリで毎日稼動させ、それでやっていけるだけの最低の時間ですべての学内外のイベントや試験日程をまかなっている訳で、これも時間との戦いでやっているわけなのです。人口密度が多いので空間と時間が足りない、というのは、日本人独特の悩みなのかもしれません。だからと言って文句を言わないのが、これまた日本人の良いところなのですが。