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ヒンデミットのソナタはお好き?


ピアノ科であれば室内楽を経験する人は多いかと思いますが、ドイツの作曲家ヒンデミットの作品はどのくらいの人に知られているでしょうか。ロマン派の作品には有名な曲もありますし、演奏機会も多いかもしれませんが、特に近現代の作曲家の室内楽曲を演奏する機会は少ないかもしれません。

ヒンデミットのピアノ曲を弾こうとする人はおそらくもっと少ないと思うのですが、この作曲家には意外に面白い作品もあります。さまざまな管弦楽器のソロ&ピアノによるソナタをヒンデミットは数多く作曲しているので、私自身も学生時代にヒンデミット作品をよく伴奏していました。木管楽器のソナタはほぼ全部弾いていますし、トランペットのソナタも何度も弾いた記憶があります。

さて来月11日に、東京音大大学院を優秀な成績で修了した山本香紫さんが企画したコンサートがありここで紹介しておきます。


山本さんはカプースチンなども弾く反面、修士演奏では早坂文雄のピアノコンチェルトを演奏するなど、果敢な挑戦欲や幅広い感性を持っている奏者で企画力もあります。この演奏会ではやはり大学院を出た山本里真さん(ヴィオラ)と後藤文哉さん(ホルン)の共演を得て、シューマンの珠玉の作品とともに、ヒンデミットのヴィオラ・ソナタとホルン・ソナタも演奏されます。これは珍しいプログラムかもしれません。でもこの演奏会から聴いて得られるものもとても多いのではないかと思います。

プログラムの曲目はなかなかこだわりがあって、どれも内容が深く聴かせる音楽です。彼らの練習を聴かせていただきましたが、3人の出演者たちはみな技術力や音楽性が素晴らしいと感じます。特にヒンデミットの『ヴィオラ・ソナタ 作品11-4』は、他の管楽器のソナタとは一線を画し、現代的でありながら聴きやすく、内容の濃い大規模な作品です。ヴィオラの山本さんもすでにこの曲は演奏した経験があって手の内に入っているようでした。

今回の演奏会はお昼と夜の2回公演。場所はJR国立駅下車です。興味のある方はぜひ聴きに行ってみてください。

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