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常に目標を持ち続けることが大切


ピアノが好きな人にとって毎日ピアノを練習することはもちろん苦にならないでしょう。それでもモチベーションが持続しないとやる気が出ないこともあります。一人ひとりにとって練習がどのように動機づけられるかはそれぞれですが、何も目的がなければ何をするにもやはり続かないのが普通です。

今この時期はちょうど夏に向けてコンクールが多い季節で、コンクールのために練習することが大きな目標という人もいると思います。複数のコンクールを受けている人もいるでしょう。でもせっかく頑張っていてもどこかの時点で敗退すると、それで本番や挑戦の機会が終わってしまうこともあります。もちろんお休みの時期も必要ですが、やはり気を取り直して常に目標を設定し続けることが大事です。コンクールや発表会や演奏会以外でも、自分が人前で演奏する機会を作ることはとても大切です。最近はストリートピアノで弾くということを楽しみな目標にしている人もいるかもしれません。街ではピアノが置いてある場所によっては特色があったり、建物やいろんなシチュエーションで意味合いが変わってきますし、行き交う人たちもさまざまに変化するため刺激があります。

上達するのにいちばん大事なのは、やはりモチベーションを維持することに全力をかけるということ、どうやって自分を奮い立たせるか、続けるための意味を見出して自分を楽しませ続けること。自分で独自の目標を立てて、あるいは先生や家族の人などに目標を作ってもらっても良いし、それを楽しみながらクリアしていくこと。もし飽きてしまったら必ず次に興味を強く引かれるものを探すこと。そしていつも計画を具体的に立てること。勉強や練習を続けるには大事なことがいろいろとあります。

もちろんそんなことなど考えなくても何かに集中し続けていくことができる才能があれば一番良いですが、やはり誰でもときどき気持ちが乗らないことはあるものです。あるいはかなり長い間にわたってやる気が起きないこともあるかもしれません。

例えば作曲家などは何も目的がなくて延々と作曲を続けることができるものだろうか、と思いますが、偉大な作曲家たちはやはり黙々と曲を書き続けています。やむにやまれぬ強い動機に基づくものか、あるいは作曲し続けることが才能というか使命というか、そこまで自分のことをはっきり悟れる人はそれ自体が才能であるかもしれません。多作なカプースチンは、長きにわたって作品が世間に認められようと認められなかろうと作曲を続けていました。それもかなりの大作を次々に生み出しています。売れようが売れまいが、70歳を超えてもまだまだ作曲意欲が旺盛だったように思います。私が2015年頃にカプースチンの自宅を訪ねた時の会話を覚えているのですが、毎日規則正しく午前中にまとまった作曲の時間をとっていたカプースチンも、「最近はね~、朝起きてご飯を食べて、さて何をしようか?って感じになっちゃうんだよ」などと言っていましたが、カプースチンでもそんなことを言うことがあるのだな~と思いました。ただ、それは彼が80歳近くなってからではありました。考えてみれば、その歳になるまでそんなことは考えもしなかったのかもしれません。

生涯にわたってあれだけのものすごい創作力を発揮してきたカプースチンのその意欲の源泉は何だったのか、その秘密だけは今思うとどうしても聞いておきたかったな~と思います。
(私はドイツのショット社から送られてきたカプースチン楽譜の校正作業を今日も続けています!)

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