バッハのことについての詳細はいずれきちんと明るみに出ますので、それ以外の裏会話を少しだけ。番外編です。あまり価値もないですが…。
バッハの取材が終わったあと、ロビーにコートを取りに行くとシェプキン氏がまだ残っていたので、お別れの挨拶のつもりで、「いや実は、私はロシアものが好きなのですよ(^^♪」と持ちかけると、「へえ、どの作曲家が特に?」と訊くので(以下K=川上、S=シェプキン)、
K:「なんてったってニコライ・メトネル、楽譜も編集したりしています」
S:「へえー、メトネル!?」
K:「そう、それにニコライ・カプースチン」
S:「ああ、カプースチン! 1曲も僕は聴いたことがないなあ」
K:「え、でも知ってる?」
S:「うん、名前は知ってるけど曲は1曲も知らない。」
この二人の名前を出すと、ロシア人でもまだほとんどの人は煙に巻かれてしまいます。でも彼はカプースチンの名前を知っていました。
S:「僕は、好きなのはラフマニノフだなあ」
K:「(お、それはさすがに優等生。) そうですか。コンチェルト・レパートリーは?」
S:「えーと、2番とパガニーニ」
(それに対しての私の表情をすぐに読み取って)
S:「あ、3番はまだ弾いてない。でも、生徒の一人がやったよ。それもすごく上手く弾いた。」
この間1〜2分の会話でしたが、有意義でした(^_^)
ピアニストの間では、ラフマニノフの3番を弾いたことがあるかどうかがよく話題になります。あのコンチェルトだけが特別に難しいわけではないと思うのですが、まあ慣例のようなものですね。
うちの大学も今ちょうど実技試験の最中です。同時期に行なうので、今回私はたまたまピアノ演奏家コースの審査に入っているのですが、そういえば、今日は偶然にラフマニノフの2番もパガニーニもいましたね……。(試験は自由曲なのです。)