かなり長い間ブログを更新できませんでした。
その間、トピックがなかったというわけではなく、「自分の時間」がほとんどない状態が続いていたということです。台風上陸に前後して北海道へ行って来て、一昨日ウィーンから来られた先生を接待し終えて一段落。翌日ついにバタンと倒れましたが、時間ができたため妻に引きずられるようにして病院へ。風邪薬を飲んだら安心して24時間ほどで即座に復帰したので(まだ完全ではありませんが)、久しぶりにパソコンのキーボードを叩いています。
この2週間、いろいろありましたが、その一つが「引越し」。
今まで自宅ともう1軒借りていた部屋にあった2つの防音室を解体して、新たに新居に防音室を設置するのに2〜3週間必要でした。つまりその間、家のグランドピアノ2台とも運送屋さんに保管されるため、ピアノが自宅あるいは自宅から手の届く距離になくなってしまいました。本番を抱えていた私は、この2週間というもの、練習場所を求めてシューベルトのようにあちこち放浪しなくてはいけませんでした。
しかし、引越しと言えば有名なのはベートーヴェン。ベートーヴェンはウィーンで数十回引っ越したという経歴を持つ引越し魔だったと言われていますが、ひょっとしたら音の問題(隣人との軋轢?)があったのではないだろうか、とやはり疑ってしまいます。建物は石造りでも壁は薄いことも多かったと思われるので、ピアノを弾いて音が鳴れば遅かれ早かれ問題が生じてきたのだろうと想像できます。ベートーヴェンには、常に新たな着想を得るために気分転換も必要だったのでしょうが、ひょっとしたら隣人の苦情が嫌だったのかもしれません。
現代の日本で都市部に住んでピアノを持とうと思ったら、やはり防音室なしでは苦しい思いをしなければいけません。子供が1日に30分弾いただけでも苦情を気にしなければいけないというのだから、私たち音楽家は、自宅くらいは防音をきちんとしておくのが義務ともいえるでしょう。それにしてもお金はたいそうかかるのですが…。
旭川は紅葉はほとんど終わりに近づいていました。
この時期は、車で走っているときなど、山や近くの木々を見渡すと、黄色と緑と赤が混在していてとても綺麗です。
この道路もあと少しで殺風景なものになってしまうのでしょうね。