なんとかやっと通常の生活が戻ってきました。
忙しかったため各種手続きが遅れていて、諸々の生活に必要なものが新居で正常に使えるまでに時間がかかった(インターネットなど)ものもありました。
今回の引越しは、自分自身にとってこの十数年の大きな区切りだったように感じています。12年半前にウィーンから帰国したとき以来の大イベントだったような感じもします。それほどに今回はリセット感が強いです。運命の流れというようなものがあって、この時期に同時に道がいろいろと開けていくような不思議な体験をいくつかしました。今後新たな人生がまた創られていくような気がしてワクワクしています。
引越しの理由は、すべてが手狭になってきたこと。今までは、どんどん増えていく楽譜や本などの量を見て危機感を感じていましたが、そんな生活にはもう終止符を打って、今後は保管するスペースを気にすることなく必要なものを買い揃えることができそうです。空間がかなり広くなったのでとても嬉しいです。ただし、今後は物が増えても、同時に捨てるものも多くしていこうと決心しています。
大きな引越しをすると、何が本当に必要で、何が必要ではないのか、ということがかなりクリアになりました。大事にしていたものの中にも、捨てても何の問題も生じないものもたくさんあるということを発見しました。これは、手間ひまかけて多くのものを100個以上のダンボール箱に詰めて、それをまた開けて出す時の空しさを経験して初めて悟ったものでした。
荷物開きはまだ途中ですが、捨てようと思っていたものの中にも貴重なものが入っていて思わぬ喜びを得たものもあります。フランク・マルタンの8つのプレリュードの自筆譜のコピーが出てきたり(ゆかり所蔵)、なくなったと思っていたゴドフスキの左手のための交響的変容(J.シュトラウスのテーマによる)もちゃんと見つかりました。これらは、大晦日の大掃除くらいでは出てこなかったのでした。
というわけで、まだゴミの山の中に住んでいる感じもありますが、すでにかなり快適に暮らしています[:にこっ:]