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カプースチンからのメールでご機嫌

昨日もカプースチンから便りがありましたが、とてもハイテンションなメールでした。こちらもご機嫌になってしまいます。バリバリお元気でいてくださって本当に嬉しいです。作曲の筆は止まるどころかますます冴えているのではないでしょうか。
彼は、調子の上がっている時は英語を交えて書いてくることがあるのですが(又はイギリスなどの英語圏の人たちとちょうど頻繁に交わしている時期なのか?)、昨日のメールでは6割が英語、あとの4割が普通にロシア語だったのですが、英語の部分ではノリノリのギャグもあって、ご機嫌度の高いことが伺えます[:にかっ:]

と言っても、彼のギャグは真面目なギャグで、なんというか、ちょっと知識がないとわからないようなギャグなのです。無駄のない、そして意味深なウィットのこともありますが、即座に笑ってしまうようなものもあります。
例えば今回のメールだと、悩んでいた自作のOp.128(ロンド形式、曲頭の指示はアニマート・カプリッチオーソ)のタイトルについて、Tim氏にすでに送ったものとこちらで出したものとが違っていて、それを解決するためにベートーヴェンのロンド・ア・カプリッチォ ト長調(「無くした小銭への怒り」=これがベートーヴェンがこの曲を作曲した動機と言われてタイトルにもなっている)に引っかけて、「『曲名をひねり出す能力を無くしたことへの怒り(からこのカプリッチオが生まれた)』っていうタイトルはどう?」ってな具合です。もう訳わかんないですよね。(笑)

そういえば彼とは、喋っていてもそうです。相槌を一つ打つのにもスパイスの効いた相槌が浮かばない限り、一言たりとも口を割りません。だからほとんど喋りません。(笑) この辺、プロデューサーの鮫島さんなんか、会話の進め方が実にうまい。カプースチンの気の効いた一言にウケると同時に、すぐに切り返して矢継ぎ早に話題のネタを展開していく。彼には主要なところだけ面白いことを言わせ、あとは凄い回転で話を進めていきます。このテンポが、カプースチンには意外に心地良いようなのですね。ただ、これができるためには、彼女のように異常に高いロシア語能力が必要なのですが。

振り返ってみると、カプースチンからのメールはこれまでのものだけでもA4の紙に印刷してかなり分厚い量になります。どのメールにもカプースチンらしさが滲み出ていて、メール1通が一つの作品のようにも感じられるほどです。少々大げさかもしれませんが、私にはそれほど大切なものとなっています。

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