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カプースチンの近況ですが

作曲家というものは、自分が書いた曲が音となって演奏されることほど嬉しいことはないのでしょう。
カプースチンからメールで、「早くあなたの録音が聴きたいのだよ」と急がされているのですが、「CDが出来上がってお手元に届けられるのは7月頃だと思うのですが…」と私。そうすると、「もし7月になるとしたら私はちょうどダーチャ(別荘)にいる。モスクワには不在だ。参考のため私のその頃の予定を細かく教えておくから…」という感じで、5月はこうだ、6月はこうだと、一刻も早く送ってほしい、と言わんばかりです。楽しみにしてくれているのはとても嬉しいのですが[:ぽっ:]

ほかにも、いろいろと聞いてきます。
「どうして録音に2日間しか取らなかったのですか?あと数日増やせばもっと多くの曲を入れられるのに。」
まあ確かにそうですね。新曲は1曲でも多く、そして少しでも早く音として記録すると作曲家は嬉しいのだろうなあ、とは思います。特に彼の作品は、まだ誰もがすぐに手をつけるというものではありませんし。
カプースチン自身は、自作の録音にいつも4日とか5日とかじっくり時間をプロデューサー氏に与えてもらえるようで、うらやましいといえばうらやましいなあと思います。しかし現実は厳しいわけで、そんな悠長なことは許されないのが普通です。

それにしてもカプースチンのバイタリティには驚く。
あっという間に、ピアノソナタ17番と18番を完成。さらに、夏には室内楽の委嘱作品に取り掛かるという…。イタリア人ピアニストに頼まれたというこれらのソナタにしても次の作品にしても、「もう委嘱は書かない!」とあれほど言っていたのに、優柔不断というか、人がいいというか(たぶん脅されているのかも(笑))、「なんで私は委嘱ばかり書いているのだろう…?自分でも分からん」と言いますが、もう私は知らないですよ!(私にも書いてほしいですよ。)

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