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夏はダーチャへ

ロシア人は、夏休みの季節には郊外のダーチャで過ごすと言われています。
確かに、カプースチン氏の一年の過ごし方を見ると毎年恒例の行事となっているのがわかります。


散歩するカプースチン

彼にとっては、夏の1ヶ月間は「絶対に」遮断された環境に身を置かなくてはいけないようです。「しばしの間、さようなら」ってな感じで、この期間、連絡が取れなくなってしまうのです。

私たち日本人の感覚から言えば不便なこと極まりないような気がするのですが、どうしても休息が必要だということです。休息する、といっても、言い方を変えると作曲に専念、つまり仕事をしているわけなのでしょうが…。確かにそのような環境で仕事ができたら理想ですよね。落ち着いた時間と空間を1ヵ月間経験することで、また都会に帰ってきてザワザワとした環境に戻ってもなんとか仕事を続けていく気持ちになれるのでしょう。
日本で私たちがこれと同じようなことを実現しようと思ったら、どうすれば良いのでしょう。それとも、作曲家の特権といったところでしょうか。

最近だんだんわかってきたことですが、カプースチンは一つ一つの作品を精魂込めて生み出しています。駄作がないというか、作品番号135くらいありますが、全体に対する「大曲」の割合が本当に大きいと思います。つまりすごい速さで楽譜を書いているということです。ピアノ曲以外の作品も、ページ数の多いものが圧倒的に多い。カプースチンについては、音楽界でも世間的にはまだ一割も正しく評価されていないのだろうなあ、という感じがします。カプースチン70歳の今年一年、私はすべてを彼に捧げたくなってきました…。

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