およそ5月から7月の時期に教育実習へ行く学生たちが大半のようです。
私のクラスの大学4年生たちもボチボチ地元の実習校から帰ってきています。
ピアノ科からは、教員採用試験をすぐに受けると決めている学生のほうが少ないように思いますが、それとは関係なく、3週間以上も離れて久しぶりに帰ってきたときの印象が人によって違うのが面白いです。
大体二つに分かれるのですが、一つは、ガラっと大人になってなんだか顔も変わったような感じで帰って来る人。学校で教える立場として中身の濃い経験をしてきて、人生経験を深めてちょっと悟ったような顔に変化しています。もう一つは、行く前とほとんど変化が感じられない人。つまりまったく1ヵ月前と変わってないように見える人。もちろんこのタイプには、最初からしっかりした性格だったという人も含まれますが。とにかく印象はこの真っ二つに分かれます。
私は最近の中学・高校がどんなふうか興味があるので、詳しく学生たちからいろんな話を聴くのが好きです。また本人たちに対しても、専門のピアノ以外についてどのように一人一人が考えているかがわかるので、あらためて人間をよりよく理解できるメリットもあります。
教育実習は先生という職業の責任の重さを経験できる唯一の機会かもしれません。実習という甘さはあっても、責任を持って教えるということは多くの学生にとって初めて経験する感覚だと思います。後ろに支えてくれる人が誰もいない感覚というか、大海に投げ出されたような感じですね。
若い頃は、自分が人に何かを教えるなんて考えもしないことですが、どんな職業の人でも人生の途上で「人に教える」ということをやらなくてはいけない時が必ず来るものだと思います。
考えてみると、あの大作曲家ショパンがピアノを教えていたなんて、なんだか似合わないような気もするものですが、彼の人生の大半を占めていた仕事なのですから人生わからないものです。彼だって若い頃は教える職業に従事するなど考えていなかったかもしれません。ただピアノが好きだった。そして作曲が好きだっただけ。
でもピアノ教師としてのショパンの偉大さだって、現代まで十分に伝わっているわけです。ショパンの作曲における独創性とそこから生まれたピアノ奏法における独創性。彼が当時ピアノ教師としても活躍したことで、その奥義がほぼ正しく伝えられることになりました。この恩恵の大きさは計り知れませんね。
この話は今度の名古屋の公開講座でのテーマにしようと思っています。
はいっ!難しいとおもいます!
が、(ぼくのようなもののコメントにどれだけ意味があるか疑問ではありますが)LisztやChopinとは性質の違う難しさのようにおもいます。一定のレベルの指の強さと独立性を得て、いったんさらえれば弾けてしまうような気も。久しく5と7を弾いていたのできょうは1,2,3,6,8をひさしぶりに弾いてみましたが、おもったより忘れてなかったのでほっとしました。